低金利維持の日銀 批判招く懸念も

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低金利維持の日銀 批判招く懸念も
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低金利維持の日銀 批判招く懸念も

中国不安が沈静化すれば、マイナス金利導入の成果が、株高という形で一気に顕在化するだろう。マイナス金利導入に対する評価は低い。肯定的なのは読売新聞「日銀追加緩和、脱デフレの決意示す負の金利」、フィナンシャル・タイムズ紙「Kuroda reasserts deflation-fighting stance 」とその戦闘姿勢を評価している2紙だけであった。他方マイナス金利導入に対する批判は多い。各社の社説は「マイナス金利、苦しまぎれの冒険に」(毎日新聞)、「マイナス金利導入、日銀頼みの限界忘れるな」(産経新聞)、「マイナス金利、効果ある政策なのか」(朝日新聞)、「日銀頼みにせず市場安定へ協議を」(日経新聞)と批判的である。

コロンブスの卵かもしれないが、マイナス金利は意外に大きな効果があるかもしれない。第一は究極の安全資産としての日銀当座資産からの資金の押し出し効果である。これまでの量的金融緩和批判は、借り手が(経済の先行きに自信が持てず)借りる気がないのに、マネーの供給量を増やしても無理、という論理に基づいている。確かに量的金融緩和が当初の狙い通りに進展しているとは言えない面がある。当初の期待は、投資家や金融機関が保有する国債を日銀が買い、投資家や金融機関は国債保有を減らした分、他のもっとリターンの高い資産保有や貸付を増やし、リスク資産に資金が回り投資増・資産価格上昇・インフレ期待上昇と言う好循環が生まれるというもの(ポートフォリオリバランス)であった。しかし、消費税増税による成長のとん挫、中国危機の発現、世界的株安と円高観測の台頭などの環境変化があったとはいえ、投資家ポートフォリオのリスク資産への押し出しは行き詰まりをみせている。国債売却代金がそのまま日銀への当座預金として滞留しているのである。当座預金に対するマイナス金利の導入は、この滞留資金をリスク資産や貸し出しへと押し出す効果があると期待される。

黒田総裁は、景気の下支えを優先し、金利を低く抑える大規模な金融緩和を維持する姿勢を繰り返し示しているが、アメリカが大幅な利上げに踏み出した一方で、日本で「超低金利」政策が続けられれば、日米の金利差が広がり、円安が一段と進むことへの懸念が広がっていて、日銀がこれまでの政策をそのまま維持するかが注目されている。

日銀は17日の金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和政策を維持すると決めた。米欧の中央銀行が利上げに動く中、低金利を維持する日銀の金融政策との違いが意識され、今後も円安基調が続く可能性がある。景気の下支えを優先した判断だが、生活必需品の値上げが相次ぎ、家計の負担増が意識される中、日銀の判断が批判を招く懸念もある。

FRBと比較して「日銀はゼロ金利以外に何もしていない」とい う批判(実際はそうではないが)や、総裁に辞任を求める声、日銀法 改正協議を匂わす発言も聞かれた。与党内にも日銀批判は多いだろう。 そういった政治サイドの激しい批判を無視することのリスクを警戒し て、日銀が追加緩和を2月会合で選択する可能性は、メインシナリオ ではないが、数割あると思われる。仮に資産買入等基金が拡大される 場合は、「予防的対応」という説明になるだろう。

批判が説得力を持つのは、株高円安の実現に失敗したこと。マイナスの金利政策を導入した直後には株価は急上昇し、為替は大幅に円安になったが、その株高・円安はほんの一瞬であって、その翌週は大幅な株安・円高となり、2月12日にはマイナス金利導入以前どころか2014年10月のQQE第二弾を打ち出した水準まで株価は下がり(日経平均14800円台)、円は110円/ドル台まで急騰した。しかし2月前半までの株安・円高はもっぱらグローバル要因によって起こったことである。日銀が金融政策を緩和しようとしまいと、世界全体が大幅な株安に見舞われ、世界全体がリスクオフ・ムードにとらわれ、そのようなリスクオフ・ムードの時に決まって買われる通貨が円であるということによって円高が起こったのである。その株安・円高を日銀の金融政策の関連で考えるのは的外れであると言える。

FRBが時間軸効果を強め、同時にインフレ率の長期的な目標を 明示したことで、日銀の「中長期的な物価安定の理解」に対する批判 も国会では高まっている。数カ月以内に日銀のコミュニケーション政 策になんらかの見直しが行われる可能性はあるだろう。

しかし、FRBが1月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明文 で①「2014年終盤まで異例の低金利を続ける」、②長期的な物価目標 (longer-run goal)をPCE価格指数の前年比2%と明記したことを 受けて、日銀に対する風当たりが急速に強まった。日銀の政策運営も、 もっとわかりやすくデフレ脱却に向けた道筋を示すべきとの苛立ちの 論調は、7日の白川総裁の国会答弁中のやじの多さが物語る。

日銀の大規模緩和はこれまで円高是正や借り入れコストの低下など景気を刺激する側面が注目されてきたが、銀行の負担が手数料を通じて国民に跳ね返れば、批判的な声が強まる可能性もある。欧州中央銀行(ECB)が9月にマイナス金利を拡大する中、日銀は今年1年を追加緩和なしで乗り切ったが、令和2年の政策運営はこうした風向きの変化にも影響されそうだ。

日本銀行は27日、今月18、19日に開いた金融政策決定会合の「主な意見」を公表し、邦銀が口座管理費用の一部を預金者に転嫁する「口座維持手数料」を導入した場合、超低金利による「資産利回り低下の影響が、借り入れに伴う負債コスト低下の効果を上回る可能性がある」と懸念する声が上がったことが分かった。国民が大規模金融緩和の負の側面に着目し金融政策への批判が高まることを警戒する姿勢が垣間見える。

なおローレンス・サマーズ氏やポール・クルーグマン氏など米国のオピニオンリーダーにより、金融緩和を維持しつつも、更なる財政政策や税制改正、所得分配是正などが需要創造、成長力の引き上げが必要だとする議論が提示されている。余剰貯蓄を実物経済に再循環させる手段として、金融政策の負荷が過重となっている。ケインズ政策つまり余剰資本、低金利を政府部門が吸収することで需要を創造する政策の寄与も必要になっているかもしれない。

また長期国債利回りが歴史上初めてマイナスになったことも批判を勢いづけた。マイナス金利導入直後に国債が買われ、同時に株が売られるということが起こった。これは日銀狙いとは全く逆の動きであり、マイナス金利無効説の根拠にもなっている。しかしこれも一時的な話である。金利がマイナスを超えて下がり得るということは、換言すれば国債の値段が際限なく値上がりし得るということであり、マイナスの金利が導入された直後に、短期筋が値上がり益を求めて国債を買い、その結果長期国債のマイナス金利が実現したのである。しかし、国債を満期まで保有すれば必ずリターンはプラスになるわけで、このマイナスの金利が際限なく国債に資金を誘導し、株、不動産や海外資産に対する投資意欲を損なうという見方は明らかに一時的な現象を普遍化した間違った見方だと言っていい。

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