フォーエバー21 失敗と復活の道筋

FXブログ
フォーエバー21 失敗と復活の道筋
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 フォーエバー21 失敗と復活の道筋

こうした部分でフォーエバー21は後れを取ったと言っていいだろう

こうした部分でフォーエバー21は後れを取ったと言っていいだろう。

3月末に台湾市場、4月末に中国市場から撤退して「次は日本か」と出店している商業施設を身構えさせた「フォーエバー21(FOREVER21)」。8月に入って米国で経営破綻の観測が広がり、連邦破産法申請(チャプター11)のXデーはいつかと疑心暗鬼になる中、9月25日朝に突然フォーエバー21ジャパンの公式サイトに10月末をもって日本国内全14店舗とオンラインサイトを閉鎖するという「日本事業撤退のお知らせ」が掲示された。

経営状態に限らず、会社は誠実に情報を公開するほど世間の信頼を得られる。融資関係のみならず取引先や従業員、そして顧客や将来の従業員も目を開き、耳を澄ませている。SNS社会の今日、隠す会社は信頼を得られないばかりか、痛くもない腹まで探られて憶測を拡散されかねない。フォーエバー21の苦境から一番に学ぶべきは、「開かれた会社」であるべきだということだろう。

フォーエバー21は短期間に世界10カ国、約800店舗を持つまでに成長し、一時は文字通りファストファッションのライジングスターだった。それがこの9月、米連邦破産法(会社更生法)に申請した後、アメリカ国外の200店舗以上を閉店すると発表し、日本ではオープンから10年を迎えた今年10月末に、オンラインショップを含めた全店舗をクローズした。

SPAといっても、コレクションブランド並みに素材から社内開発してIoTな生産管理で工賃払い調達し、物流も全て自社でコントロールする「ザラ」(3つの手法を使い分けている)から、工場に匠を送り込んで生産管理しても物流は外部に委託して製品買い調達にとどまる「ユニクロ」、商品企画はディレクション止まりで納入業者企画の製品買い調達が実態という「フォーエバー21」まで、その開発・調達体制はさまざまだ。

「フォーエバー21」は非上場で日本国内売り上げも公表しておらず、H&Mジャパンの販売効率から無理やり類推すれば、売り上げのピークは14年1月期の220億円強で、19年1月期は140億円程度まで減少したと見る。販売効率の低下と閉店損失で大幅赤字に陥っていたはずで、損失を最少に抑えられる撤退タイミングを探っているうちに本社の資金繰りが苦しくなり、恐らくは融資するファンドの意向もあって日本事業の撤退を決断したと思われる。

2009年4月末に上陸した当時は行列ができた「フォーエバー21」も多店舗化とともに人気が拡散。売り上げのピークは13〜14年頃で、以降は頭打ちになり、15年以降は店舗を増やしても売り上げが伸びず、16年以降は不振店の撤退と売り上げ減少の縮小スパイラルに陥っていた。

かつてフォーエバー21のショップには、最新のスタイルがいち早く並び新鮮な衝撃を与えた。その価格の安さも、ミレニアル世代にとってはまさにマジックワンダーランドだった。

ファストファッションがブームとなった頃は人気が沸騰して行列ができるほどだったのに、「フォーエバー21」はなぜ行き詰まったのだろうか。

ファストファッション全般の逆風もともかく、「フォーエバー21」には固有の難点が指摘される。それは(1)SPAとしての開発・調達体制と海外店舗の運営体制、(2)経営状態のディスクロージャーだ。

ちなみにフォーエバー21の2大競合であるファストファッションのH&M、ザラ(ZARA)の親会社はこの事件の後、バングラディシュ労働者の安全確保の協定に署名。またH&Mはリサイクルプログラムの充実、ZARAも2025年までに全ての素材をサスティナブルなものに変えると宣言している。オンラインの人気ファストファッション・サイトも「サスティナブル・エシカル」を前面に打ち出している。

H&Mの場合は、2018年にダイバーシティにまつわる大きなミスを犯している。まず「Coolest Monkey in the Jungle(ジャングルで最もクールなサル)」の文字が書かれたフード付きスウェットシャツに黒人少年のモデルを起用し大炎上した。さらに同じ年、今度はフォーエバー21が、大ヒットしたマーベルの映画『ブラックパンサー』のキャラクターTシャツの発売に際しミスをしている。

フォーエバー21が株式を公開して経営状態を誠実に開示していれば、経営が苦しくなっても相応の貸し手が現れ、厳しいリストラは要求されるにしても採算部門の営業は継続できるはずだが、長年の非公開体質が災いしてつなぎ融資の確保にも苦慮し、不採算の海外事業から切り捨てることになった。米国内でも不採算店舗を切り捨てて採算のよい店舗だけでオフバランスをとることになるが、非公開体質でなければより多くの店舗と雇用が残されるはずだ。

ファストな鮮度と消化回転を命とする“ファストファッション”は「フォーエバー21」のような手離れのよい“バイイングSPA”であるべきで、実際、「セシルマクビー(CECIL MCBEE)」やかつてのポイント(現アダストリア)もローカルチェーン規模だった頃は二桁回転の高消化率を謳歌していたが、規模の拡大ともに消化回転が低下して開発・調達体制の変革を余儀なくされた。

しかし、そうではないかもしれない、フォーエバー21の時代はもう終わったという声も少なくないのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました