ドル/円、円買い介入が需給に影響して3週連続陰線!利上げ減速論も下押しを後押し 11月9日(水)野村雅道

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ドル/円、円買い介入が需給に影響して3週連続陰線!利上げ減速論も下押しを後押し 11月9日(水)野村雅道

アメリカ中間選挙の結果や本邦需給に注目【外為マーケットビュー】

動画配信期間:2022/11/9~2022/11/23

目次

00:00 ドル/円は3週連続陰線、10月以降の介入が効いている
02:23 円安のメリット・デメリット
03:21 11月中旬のドル下落傾向が少し早くやってきた
05:09 昨日(11/8)は金利低下でドル下落、中国のコロナ感染拡大が引き金→中国の動向に注目
06:27 今日(11/9)の予定:本邦国際収支、中国CPI、米10年債入札など
08:31 日本・円の動向 介入は効いている、ただ約5億ドル/日の貿易赤字が出ている
09:03 エネルギー価格は中国のゼロコロナ政策に左右される
10:00 米国・ドルの動向 11月は最弱通貨、利上げ減速観測が浮上
10:59 欧州・ユーロの動向 米利上げ減速観測のドル売りで上昇
11:17 英国・ポンドの動向 ドル売りに加えて新政権の財政緊縮観測もありポンド上昇
12:53 中国・人民元の動向 習政権が市場開放継続の意向を示す
14:25 豪州・豪ドル・NZドルの動向 豪で利上げ減速、NZは利上げ幅拡大の可能性も
15:20 メキシコペソ インフレ収まらず、明日(11/10)の中銀会合で利上げして政策金利は10%になる見込み
16:33 メキシコを目の敵にしていたトランプ前大統領の動向に注意
17:18 南アランド 財政改善でジャンク債脱出の芽も、貿易黒字&経済指標改善も追い風
18:06 トルコリラ インフレ率以上に株価が大幅上昇 対円の下落率がスワップ金利を下回る→為替は落ち着く
19:48 米中間選挙の結果や本邦需給に注目

月曜から金曜までの毎営業日、外為市場に長年携わってきた5人のコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

nomura.jpg野村雅道
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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その一方で 米ドルがここから大きく下がるかと言えばそれも疑問です

とは言え、イエレン米財務長官は今のところ、市場の動きを容認する構えを崩していない。ドル高のクライマックスは先のこととなりそうで、ドル高基調がまだ続くとみるのが自然だ。

これを受けて、米ドル/円は週足チャートでも米ドル陽線が9週連続したところで一段落となりました。これまでも、米ドル陽線の長い連続記録が一段落した後は、2~3週米ドル陰線が続きました(図表4参照)。これを参考にすると、今週も米ドルは続落、米ドル陰線となる可能性が注目されます。

そのほか、ドル高が新興国の通貨安などを通じて、金融市場の無秩序な不安定化を強める場面にも警戒を要する。米国が各国と協調してドル売り介入に踏み出す可能性がゼロではないからだ。

米金利がこの間大きく上昇したのは、利上げ見通しに反応しただけでなく、最近の英国債急落(利回り急騰)に連れたことで、実態以上の動きになっていた可能性がありました。また、米ドル/円の日足チャートは、10月20日(木)まで何と12営業日連続の米ドル陽線となるなど、さすがにいつ米ドル高が一息つき、米ドル安に転じてもおかしくない状況になっていました。こうした状況だったからこそ、米利上げ見通しの下方修正や米ドル売り介入に、「米金利急低下=米ドル急落」といった具合に大きく反応する結果になったのではないでしょうか。

今後のドル/円相場を展望する上で、国際金融の「トリレンマ理論」が参考になる。トリレンマとは、3つのことが同時には成立しないことを意味する言葉だ。そこから派生した国際金融のトリレンマとは、1)為替相場の安定、2)金融政策の独立性、3)自由な資本移動──の3つを同時に満たすマクロ経済的な枠組みや制度は存在せず、どれか1つを放棄しなければならないことを指す。

ただ、図表3でも確認できるように、米ドル/円は米金利と高い相関関係が続いてきたので、その関係が変わらない限りは、米金利上昇が続く中での米ドル売り介入の効果には自ずと限度があるということでしょう。一方で、米金利が低下した場合は、それに連れて米ドルが下落することから、米ドル売り介入も効果が大きくなる可能性があるでしょう。10月21日の米ドル売り介入は、まさに米金利が低下したタイミングを意識的に狙って動いたことから米ドル急落につながったということではないでしょうか。

これに対し、円は依然として主要通貨の中で最大の対ドル下落率を記録している。改めて言うまでもなく、日銀による異次元緩和の長期化見通しと拡大傾向にある貿易赤字が円安の主因だ。

先週の米ドル/円は、ついに150円の大台も突破、その勢いで一時は152円近くまで米ドル一段高となりました。ただここで、「FED(米連邦準備制度)スポークスマン」とも呼ばれる米ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)記者の報道などをきっかけに米利上げ見通しを下方修正する見方が広がり、米金利も低下しました。こういった中で、日本の通貨当局による米ドル売り・円買い介入が行われたと見られ、米ドル/円は一時146円台まで急落となりました(図表1参照)。

重要なのは、そんな米2年債利回りは、米ドル/円と高い相関関係が続いてきたということです。FFレートの年内の最終到達点(ターミナルレート)が5%なら、米2年債利回りと米ドル/円のこれまでの関係から考えると、米ドル高・円安は155円程度まで一段と進む見通しになります。ただ、FFレートの年内ターミナルレートが4.5%なら、米ドル高・円安は150円程度にとどまるといった見通しになります(図表3参照)。

予想を上回った9月の米雇用統計やCPIに照らせば、政策金利のピークが現在の市場の織り込みを超えて5%台に達する可能性も高まりつつある。もちろん、米経済は徐々に減速に向かうとみられ、いずれインフレの収束とともに利上げ打ち止め観測が台頭しよう。それがリスク選好地合いへと通じれば、ドルの反落も見込まれる。

なお、神田真人財務官は10月22日の日本時間未明、記者団に対して「介入の有無についてはコメントしかねる」と述べ、9月22日の為替介入と異なり、今回は実施を明らかにしませんでした。ただ、10月21日のドル円は、151円を超え、152円の突破も試す勢いがみられたことや、当局が注目するボラティリティ(変動率)も上昇していたことから(図表2)、恐らく為替介入が実施されたものと考えます。

今後についても、投機的かつ急激な円安に対する介入は容認される一方、ドル高主導によるドル/円上昇に対する介入がいつまでも理解を得られるわけではないだろう。こうした見方が市場で強まるに連れて、介入による円安抑止効果も逓減していくおそれが強い。

その後、前述の通り、為替介入と思しき動きから、大幅なドル安・円高が進行しました。また、この日は、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が、米カリフォルニア大学バークレー校で行われた講演で、「利上げペースを緩めることを協議し始める時期に来ている」と発言しています。これらを踏まえると、FRBのなかで利上げ幅の縮小に向けた協議が近々始まる公算が大きいと考えられます。

その一方で、米ドルがここから大きく下がるかと言えばそれも疑問です。既に見てきたように、米国の政策金利のFFレート(上限)は、11月FOMCで4%以上に引き上げられる見通しとなっているわけですから、その意味では米2年債利回りも4%を割れる可能性は当面は考えにくいでしょう。そうであれば、それと連動する米ドル/円も145円を大きく割り込む可能性は低いのではないでしょうか。

この枠組みで考えると、ドル/円上昇に歯止めをかける選択肢の1つは、金融政策の独立性を放棄することだ。このケースでは、米国に倣って利上げに踏み出さなければならない。

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