サーモン かつては築地で門前払い

サーモン かつては築地で門前払い
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すしネタとして 今やマグロをしのぐほど人気の魚・サーモン

豊洲のマグロ専門仲卸社長が経営する銀座の名所「GINZA SIX」最上階の高級すし店「つきじ鈴富」でも、「外国人をはじめあまりに注文が多いため、昨年秋からノルウェーサーモンを扱うようになった」と話す。

回転寿司で断トツ人気の「サーモン」は、かつて築地のプロから門前払いだった 知られざる「ノルウェーサーモン誕生秘話」

ノルウェーでは現在、西岸の河口付近のいけすでサーモンを養殖しているが、「今後は岸から数キロ沖での養殖も視野に入れ、技術開発を進めている」(NSC)という。自然生育環境により近づけることで、さらなる質の向上が期待される。刺し身のほか、ムニエルなど焼きものでもおいしいサーモンは、今後もますます日本で存在感を増すことになりそうだ。

すしネタとして、今やマグロをしのぐほど人気の魚・サーモン。6月中旬に北京の食料品市場で、輸入サーモンをカットしたまな板から新型コロナウイルスが検出されたと報じられ、中国での流通が一時ストップしたが、魚は感染源にはならず根拠がないという説が有力だ。

それだけではない。これまでなぜか味わえなかった「サーモンイクラ」も、ノルウェーでの生産をスタートさせたようだ。ある養殖業者は、先行き大規模な出荷も視野に試行錯誤の段階という。オルセン氏のサーモン寿司の可能性を信じた頑なな姿勢は、しっかりと日本に根付いている。イクラ生産が軌道に乗って今後、ノルウェーサーモンの親子丼が食べられるようになるのも、そう遠くはないはずだ。

日本のサーモン人気は?

ところが今では、全ての水産卸が取り扱うようになり「年末などの需要期には、対応できないほど発注が増える」(オーシャン貿易)と明かす。市場関係者は「マグロをはじめとする世界的な水産資源の減少に加え、養殖環境やえさの改良、鮮度保持技術の進歩などにより、サーモンの質的向上が日本への流入のきっかけになった」と言う。

今、ノルウェーでは年間、150万トンほどのサーモンが養殖生産されている。南西部の沿岸だけでなく、北極圏で育つブランド魚「オーロラサーモン」の人気も浸透。さらに近年は、漁場環境の保全を視野に、沖合域での養殖も増えたほか、陸上養殖も進められている。

豊洲の人気すし店の職人によると、築地時代はサーモンを扱わかなかった店がメニューに加えたり、以前から扱っていた場合もさらにPRしたりと、料理店の品ぞろえには欠かせないネタになっている。人気店の一つ「岩佐寿し」では、「築地時代、サーモンを握るとは考えもしなかった」(同店職人)といい、かつては客からのリクエストにも応じなかった。ところが、身質が良くなってますます注文が増えたことなどから、ついに今年から握りのほか、丼ぶりもメニューに加えるようになった。

ノルウェー当局の調べによると、日本へのサーモン輸出量は2019年が約3万4000トンで10年前の09年に比べ4割ほど増加。関東などの都市部から、近年は全国各地の料理店や鮮魚店へ広く浸透した。

そうした市場業者のこだわりから、一昔前までサーモンは今では想像できないほど存在感がなかった。輸入商社「オーシャン貿易」(本社:京都市中京区)によると、15年ほど前に築地市場へサーモンを売り込みに行った際、鮮魚を扱うほとんどの卸会社が消極的で、仕入れを拒まれたという。「輸入・養殖魚は築地で売れない」という固定観念があったようだ。

すし店や魚介のどんぶり専門店のほか、市場内の揚げもの店「とんかつ 八千代」でも「サーモンのフライに加えて、豊洲へ来てから刺し身も出すようにした」と人気は急騰。国産・天然志向に風穴を開ける存在となった。

コロナ禍で思わぬ憂き目にあったが、日本での人気はまったく衰えていない。「国産・天然魚」にこだわりが強かった旧築地市場(中央区)の時代とは打って変わり、新たに日本の台所となった東京・豊洲市場(江東区)ではサーモン人気が浸透してきたほか、中央区・銀座の高級すし店でも新たにメニューに加わるなど、今や不動の人気を確立している。

ノルウェーサーモンは、日本だけでなく、欧米や中国でも大量に消費している。多くが頭や中骨、皮もが取り除いた身だけがパックされて流通。廃棄する「あら」も少なくないため、オーシャン貿易は有効利用に向け、今春からサーモンの皮をさくっと揚げたチップスを発売した。日本のサケではなく、サーモンを原料にしたチップスは国内で珍しく、国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」にもつながると注目されている。

明治20年に創業、130年余り続く東京・中央区日本橋のすし店「都寿司」の4代目店主で、全国すし商生活衛生同業組合連合会の会長を務める山縣正さんは、「江戸前ずしは国産や天然物へのこだわりが強いが、今は世界中の人たちがすしを食べる時代。天然ものにだけこだわっていたら、魚はいなくなってしまう。ノルウェーサーモンは、身が締まっていて脂が乗っているのにくどくなく、すしにもよく合う。養殖もので供給面でも安定しているため、今後江戸前ずしにとっても欠かせないネタになっていくのではないか」とみている。

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