執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
執筆日時 2023年1月13日 16時30分
円高地合いで下げ幅拡大を警戒
1月9日週のユーロ/円、ポンド/円は後半失速
前半こそ、米国の利上げペースダウンを囃した米ドル安から、ユーロ/円は142.850円、ポンド/円は161.231円まで切り返しました。しかし、後半は日銀による金融政策修正期待から売りが優勢となり、ユーロ/円は139.324円、ポンド/円は156.750円まで急落しました。(各レート水準は執筆時点のもの)
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が、平日21時より配信するFXライブ番組
FX ライブ配信、日銀は市場機能回復を放棄?YCC撤廃ならドル円下落幅は、米CPI Live インフレ指標の攻略なるか (2023年1月12日)- YouTube
ユーロ、要人発言で底堅さ増すか
依然として高い水準に留まっているインフレ率を鑑みれば、ECBの利上げスタンスには変化はありません。ただ、直近ではインフレ率が頭打ち傾向を示していることで、先行きに明かりが見え始めています。また、心配されていたエネルギー問題も、価格が安定しつつあるほか、中国の経済再開がユーロ圏経済への追い風になるとの期待感もあり、好材料は少しずつ増えています。ラガルドECB総裁の発言や12月ECB理事会議事要旨で、タカ派姿勢の緩和が見られるようならユーロ圏経済への期待感から、ユーロの底堅さが増しそうです。もっとも、中国経済については、先行き不安が燻っていますので楽観的になり切るのは難しいでしょう。一方、ユーロ/円にとっては試練の時期かもしれません。日銀の大規模緩和策に対する修正期待に伴う円高バイアスで、せっかくのユーロ高効果が半減しています。このような状態がしばらくは続きそうなため、上値追いは禁物で、引き付けて押し目を買い拾うか、戻り売り狙いと考えています。
ポンド、他力本願
英経済への逆風が弱まっている様子は見られず、引き続き経済に対する不透明感が強い状況です。また、EUと離脱後の通商関係を巡る事態打開に向けた交渉が、すんなり妥結できるかどうか判断が難しいことも、英経済の重しとなっています。家計の実質購買力低下など問題は山積みで、英国に対して前向きにはなりづらい状況です。来週は、1/16(月)にベイリー英中銀総裁の議会証言、1/17(火)に12月失業率、1/18(水)に12月消費者物価指数(CPI)、1/20(金)に12月小売売上高が予定されています。これらの結果の強弱を受けてポンドは振幅しそうですが、金融政策と経済成長が相反する関係であるため、明確な方向性は出づらいかもしれません。
ユーロ/円、反発幅の倍返しまで目線下がるか
ユーロ/円の日足チャートでは、142.94円を頂点としたダブルトップ形成が視界に入り、ネックラインとなる137.386円をキープできるか目先、注目されます。この水準を維持できれば、142.000円台までの戻りは期待できそうですが、下回るようだと、1月3日安値(137.386円)からの上昇幅の倍返しとなる、131.922円付近まで視線が低下していきそうな雰囲気です。
【ユーロ/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:132.000-142.000
ポンド/円、週足でも三役逆転か
ポンド/円は、日足に続いて週足でも一目均衡表で三役逆転点灯が濃厚な展開です。2020年安値(124.025円)を起点とするフィボナッチファンの38.2%ライン(155.900-156.100円)はサポートラインとして期待されるものの、そこを抜けると次は150.000円付近まで支持線は見られません。週足での三役逆転が点灯するようなら、売りを検討したいと考えます。
【ポンド/円チャート 週足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:150.000-163.000
1/16 週のイベント
1/16(月)-20(金) スイス 世界経済フォーラム(ダボス会議)
1/16(月) 24:00 イギリス ベイリー英中銀総裁、議会証言
1/17(火) 16:00 イギリス 12月失業率
1/17(火) 19:00 ユーロ 1月ZEW景況感調査
1/18(水) 16:00 イギリス 12月消費者物価指数(CPI)
1/18(水) 19:00 ユーロ 12月消費者物価指数(HICP、改定値)
1/19(木) 9:01 イギリス 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
1/19(木) 18:00 ユーロ 11月経常収支
1/19(木) 19:30 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
1/19(木) 21:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
1/20(金) 9:01 イギリス 1月GFK消費者信頼感調査
1/20(金) 19:00 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
1/20(金) 16:00 イギリス 12月小売売上高
一言コメント
外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が平日毎日21時よりライブ配信しています。番組では、注目材料の紹介、テクニカル分析でエントリーポイントや利食い・損切りポイントを解説し、実際にリアルトレードも行っています。ご興味のある方は、一度、こちらにアクセスしてみてください。
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来週の為替予想 ポンド 円
結論から言うと、ポンド円は今後緩やかに上昇する予想。理由として、2022年はコロナショックが収束の傾向にあり、景気回復が期待されていることや、日本円が想定よりも強くないことが挙げられます。
・豪ドル/円が100円に到達する可能性は?・豪ドルにはどんな特徴があるの?
ドル 円 予想 2023、2024、2025-2027。
日本円関連の通貨ペアでも、11月の月足データでは目立ったアノマリーはありませんでしたが、日足のデータを見てみると、月初と月末に「陽線」の出現確率が高い日があり、円安になりやすい傾向があるようです。特に11月3日、17日、29~30日派の複数の通貨ペアで陽線の出現確率が70~88%と高くなっており、円安方向の動きに注意が必要かもしれません。
200万円以上の運用資金で5年ほどかけて資金を2倍にしたい…そんな投資を目指している人に向いています。
豪ドル/円は大きなレンジ相場と見ている人が多く、100円のラインも多くの相場参加者に意識されているんだワン!
この記事では、豪ドル(豪ドル/円)の見通しや豪ドルの相場変動要因などについて解説しました。
下のデータはポンド関連の通貨ペアの、過去20年間の日足の「陽線」と「陰線」の出現回数を日別に数えたものです。11月3日を見てみると、陽線の出現確率が英ポンド/円で88%、英ポンド/米ドルと英ポンド/スイスフランは83%と高くなっていて、英ポンドに買われやすいアノマリーがあることがわかります。
2026年10月のポンド円予想。当月始値 166.37、最低 158.96、当月最高 166.37。平均 163.27。月末 161.38。変更 -3.0%。
2026年8月のポンド円予想。当月始値 170.58、最低 162.98、当月最高 170.58。平均 167.40。月末 165.46。変更 -3.0%。
米ドル/円、ポンド/円に次いで人気の高い通貨ペアと言えますね。
米ドル/円、ユーロ/米ドル、メキシコペソ/円に次いで低スプレッドの印象です。
となっており、金利政策が主なポンド円の価格変動の原因になるとの予想が大筋。経済指標を強く反映する株の値動きが為替市場にも影響する事が多く、現在株価は下落しているのでドルやポンドも下落していく予想が大筋です。
2022年(1〜7月)の調査によると、FXの通貨ペア別取引金額のシェアで豪ドル/円は3位です。
2026年12月のポンド円予想。当月始値 162.13、最低 156.34、当月最高 162.13。平均 159.83。月末 158.72。変更 -2.1%。
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