トルコリラの焦点「エルドアン政権、なりふり構わぬ大統領選挙戦で支持率上昇… リラの追い風になりにくい 」FX予想

トルコリラの焦点「エルドアン政権、なりふり構わぬ大統領選挙戦で支持率上昇… リラの追い風になりにくい 」FX予想

f:id:gaitamesk:20210830183255p:plain

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

トルコ大統領府が22日に発表したところによると、エルドアン大統領は大統領選と議会選を約1カ月前倒して5月14日に実施する考えを固めた模様だ。最低賃金の引上げや年金支給対象者の拡大などの影響から、与党連合の支持率は1月の世論調査で33%へと上昇。野党の31%を逆転した。政府による大盤振る舞いの効果があるうちに選挙を行い与党の勝利につなげたい考えだろう。政府主導の賃上げや年金拡大は、物価高による国民の苦痛を和らげる半面、近い将来に物価が再び急騰するおそれもある「諸刃の剣」と見られている。

また、エルドアン政権は国民の懐柔と同時に野党への締め付けを強めている。大統領選における野党側の有力候補であるイマモール・イスタンブール市長は、昨年12月に選挙管理委員会を侮辱した罪で有罪判決を受けたばかりだが(控訴中)、過去の入札談合に関与したとして今月11日にあらためて起訴された。なお、日本経済新聞は「野党にとってイマモール氏の擁立はリスクが高くなった」との見解を示している。

こうした「なりふり構わない」姿勢が奏功して、エルドアン政権は選挙戦を有利にスタートしたようだ。ただ、多くの波乱要素を孕んでいるため、最終的な選挙結果はいうまでもなく不透明だ。通貨リラについては、政局の不安定化が重しになることも考えられる。一方で、市場の信認が低いエルドアン大統領の続投観測が高まっても、リラの追い風になりにくい点には注意が必要だろう。

【トルコリラ/円(TRY/JPY) 日足】TRY/JPY 日足

【ドル/トルコリラ(USD/TRY) 日足】USD/TRY 日足

【ユーロ/トルコリラ(EUR/TRY) 日足】EUR/TRY 日足

【キャンペーン】
大還元キャッシュバックキャンペーン
スワップポイント最大50%増額キャンペーン
人気の複数通貨ペア スプレッド縮小キャンペーン

【トルコリラのチャート】
「為替チャート|トルコリラ/円(TRYJPY)|60分足」はこちら
「為替チャート|米ドル/トルコリラ(USDTRY)|60分足」はこちら
「為替チャート|ユーロ/トルコリラ(EURTRY)|60分足」はこちら

 
kanda.jpg

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル トルコリラの焦点「エルドアン政権、なりふり構わぬ大統領選挙戦で支持率上昇… リラの追い風になりにくい 」FX予想

トルコリラの焦点 エルドアン政権 なりふり構わぬ大統領選挙戦で支持率上昇

BBCのマーク・ローエン・トルコ特派員はツイッターで、「トルコの半分の一方はまたもや無敵を誇っている。ほかの人々は落胆している」とコメントした。

エルドアン大統領の対立候補たちは、エルドアン大統領がトルコ市民の人権を損ない、権威主義的な統治を推し進めてきたと非難した。

また、メトロポールの調査では、エルドアン氏の支持率は6年ぶりの水準に低迷している。各種調査に基づくと、エルドアン氏は、アクシェネル氏のほかイスタンブール市長で野党の共和人民党(CHP)に属するエクレム・イマムオール氏などの候補に大統領選で敗北すると予想されている。

エルドアン大統領は勝利宣言の中で、トルコがテロ集団により一層厳しく対処し、難民が帰国できるため「シリアの国土の解放」に今後も取り組むと語った。

近年珍しく激しい選挙戦となった今回の選挙を制したエルドアン大統領は、施行が予定される新憲法の下で大幅に拡大した権限を得る。

トルコの通貨・リラは動きが激しいことやスワップが多くもらえることで、日本のFXでも人気があり扱っているFX業者は多い。また歴史的にインフレ率が高いため、インフレやリラの暴落でニュースに出てくることも多い。

最大の争点は経済だ。トルコの通貨リラの為替レートは急落し、国内のインフレ率は約11%となっている。

間寧(はざまやすし) アジア経済研究所地域研究センター中東研究グループ。博士(政治学)。最近の著作に、”Conservatives,Nationalists,andIncumbentSupportinTurkey,”TurkishStudies,Volume22,2021-Issue5、『トルコ』(シリーズ・中東政治研究の最前線1)(編著)ミネルヴァ書房(2019年)、「外圧の消滅と内圧への反発――トルコにおける民主主義の後退」(川中豪編『後退する民主主義・強化される権威主義――最良の政治制度とは何か』ミネルヴァ書房、2018年)など。

外国人投資家の間ではインフレ圧力が高いにもかかわらず金利低下を目指すエルドアン氏の政策への不信感が強まり、リラは売りを浴びた。エルドアン氏が先週、大統領選後に金融政策への関与を強める考えを示すとリラは売りが加速。次々と過去最安値を更新し、年初来の下落率は約20%に達した。

また、エルドアン政権は国民の懐柔と同時に野党への締め付けを強めている。大統領選における野党側の有力候補であるイマモール・イスタンブール市長は、昨年12月に選挙管理委員会を侮辱した罪で有罪判決を受けたばかりだが(控訴中)、過去の入札談合に関与したとして今月11日にあらためて起訴された。なお、日本経済新聞は「野党にとってイマモール氏の擁立はリスクが高くなった」との見解を示している。

ただし図3からは、経済措置のエルドアン支持押し上げの効果は3カ月程度続くものの、年末に消滅するかに見える。その場合、エルドアンは2023年初めにもう一度、大幅な最低賃金引き上げなどにより支持率浮揚を狙う可能性が高い。

このような外貨借入れが必要になった原因は、常識に反するエルドアン流経済運営である。エルドアン経済学(エルドアノミックス)によれば、金利を引き下げるとインフレが低下することになっている。しかし実際には、金利引き下げは為替相場下落によりインフレを上昇させる(図5)9。そこで経済専門家ではない大統領顧問たちがエルドアンの面子を保つため、本来必要な金利引き上げではなく、外貨準備を用いた為替介入を継続しているのである。

エルドアン大統領は、新憲法の下で権限を大幅に拡大させる。憲法改正は昨年の国民投票で賛成51%の僅差で承認され、大統領選後に施行される。

こうした「なりふり構わない」姿勢が奏功して、エルドアン政権は選挙戦を有利にスタートしたようだ。ただ、多くの波乱要素を孕んでいるため、最終的な選挙結果はいうまでもなく不透明だ。通貨リラについては、政局の不安定化が重しになることも考えられる。一方で、市場の信認が低いエルドアン大統領の続投観測が高まっても、リラの追い風になりにくい点には注意が必要だろう。

そしてこの選挙の結果はトルコリラのレートにも大いに影響する。エルドアン大統領は以前から金融緩和派で、トルコのインフレ率が上がりリラが暴落しても中銀による利上げではなく利下げを支持してきた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました