ドル円 今夜の重要ポイント「本日も不安定な値動きが続く公算」2023/3/17

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ドル円 今夜の重要ポイント「本日も不安定な値動きが続く公算」2023/3/17

目次

▼東京時間の振り返り
▼今夜のポイント
▼ドル/円午後のFX予想動画

東京時間の振り返り

東京市場のドル/円は弱含みの展開。欧米の金融システムを巡る不安は和らいだものの、楽観ムードは続かず一時132.80円台まで弱含みました。米長期金利の小幅な低下や週末を控えた持ち高調整が影響した模様です。

今夜のポイント

今夜は、米3月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値が発表されます。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、期待インフレ率の結果に注目が集まりそうです。前回2月は1年先の期待インフレ率が4.1%で5-10年は2.9%でした。上振れとなれば利上げ期待が高まりやすい反面、下振れすれば金融システムを巡る市場の疑心暗鬼がくすぶる中で金利据え置き観測が強まる可能性もあるでしょう。ドル/円は、週末のポジション調整も相まって本日も不安定な値動きになる公算が大きいと見ています。

ドル/円午後のFX予想動画

番組紹介

外為どっとコム総合研究所の研究員、小俣 凪子(おまた・なぎこ)が「ざっくり」午後のFX為替予想を解説します。

動画配信期間:2023/3/17~
💬小俣 凪子(おまた・なぎこ):Twitter
https://twitter.com/gaitamesk_N

お知らせ

毎営業日、お昼の12時スタート「ドル円昼ライブ」(YouTube) 
(下記URLからご覧ください)
外為どっとコム 公式FX初心者ch – YouTube

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
小俣 凪子(おまた・なぎこ)
大学卒業後、約2年メガバンクで勤務し個人営業で投資信託や保険販売等を行う。 さまざまな業務に携わっていく中で、外国為替の世界に興味を持ち2021年3月(株)外為どっとコム総合研究所入社。 銀行勤務時代に得た接客スキルを活かしながら、TwitterやYouTubeなどSNSで個人投資家に寄り添った情報発信を精力的に行っている。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル ドル円 今夜の重要ポイント「本日も不安定な値動きが続く公算」2023/3/17

1か月20営業日と考えれば 月7兆ドルのドル円取引が発生します

しかし、目先のドル円は、1月18日の日銀金融政策決定会合の結果次第でしょう。市場は、今後の日銀の金融政策変更で、円金利が上昇すると想定しています。その場合は、円高要因になりやすいです。

年内の円安方向の上限としては、ドル円の200日移動平均線からのかい離率や過去のドル円の年間値幅からみて、133円から135円が一つの目安と考えています。

2022年11月は、ドル安円高が進みました。米ドル円は、1ドル148円台でスタートしましたが、11月末には137円台まで下落して、1ヶ月で11円以上も円高に動きました。12月に入ってもドル安円高トレンドは続いており、12月2日には134円を割りこみました。

ドル高円安のペースが緩やかになると考える理由の一つは、日本政府が実施している円買い介入です。過去を振り返ると、日本単独の為替介入は、ドル円のトレンドを変えられていませんが、円安のスピードを緩やかにすることは可能だと考えます。

当面のドル円は、130円台前半を中心としたレンジで推移すると予想します。しかし、ドル安円高が進むリスクもあります。

今年3月にアメリカが利上げを開始して以降、米政策金利を先読みする、米2年金利の上昇に沿って、ドル円はドル高円安に動いてきました。しかし、円買い介入が入ったとみられる9月22日以降は、米2年金利の上昇幅に対して、ドル高円安の変動幅が小さくなっています。ドル高円安ペースが速くなると、円買い介入への警戒感が高まるためと考えます。

2023年2月から3月初めまでのドル円相場は、128円台から137円台までドル高円安が進みました。2023年2月のドル円の月間値幅(高値と安値の差)は8円を超えています。昨年の1-2月の変動幅が2円台ですから、今のドル円の変動幅は大きいです。

1月の米CPIを受けて、ドル円は130円台前半でのレンジ相場を予想します。

第二に、過去におけるドル円の1年間の値幅です。ドル円の値幅は、最近だと10円程度と狭いですが、2000年以降で確認すると、20円を超えることもあります。仮に、今年のドル円の値幅が20円になれば、安値が113.47円なので、機械的に計算した高値は133.47円となります。年内の円安方向の上限として、133円から135円が一つの目安と考えています。

米金利市場では、12月CPIの発表後に、2月FOMCでの0.25%の利上げ予測が増加しました。アメリカのインフレのピークアウトを再確認できたこと、ハーカーフィラデルフィア連銀総裁が「この先は0.25%の利上げが適切になる」と発言したためでしょう。米10年金利は3.4%台まで低下して、ドル円は一時128円台までドル安円高に動きました。

日銀が金融政策の現状維持を決めたことを受けて、1月18日の円金利は低下して、ドル円は128円台から一時131円台まで円安に動きました。日銀が政策修正を実施して円金利が上昇するとの警戒感があった反動でしょう。

よって、当面は、米10年金利の低下が止まって、ドル円は140円前後までドル高円安に動くと予想します。

一方で、円買い介入が、ドル高円安のトレンドを変えるのは難しいでしょう。最新のBIS調査(2022年)によれば、ドル円のスポット取引高は1日約3,500億ドルと、2019年調査の2,600億ドルから増加しています。1か月20営業日と考えれば、月7兆ドルのドル円取引が発生します。日本の外貨準備高は約1.2兆ドルであり、外貨売り円買いの介入は、この外貨準備高が上限となります。為替市場の取引規模が、日本の外貨準備高に比べて大きいため、日本が単独で円買い介入しても、円安のトレンドは変わらないでしょう。

年初からのドル円は、日米の金利差が拡大するに伴って、ドル高円安に動きました。ロシアのウクライナへの軍事侵攻や中国の一部都市のロックダウンを受けて、5月のアメリカのCPIが前年比+8.6%と上昇ペースが加速したことで、アメリカの中央銀行(FRB)は6月に利上げペースを0.75%に加速させており、下限政策金利は1.5%です。その後も、FRB高官からは、7月の0.75%の利上げを示唆する声が出ています。

2023年2月のドル円は、128円から133円程度のレンジで推移しています。政府は、2月14日に、3月から4月に任期を迎える日銀正副総裁の後任人事案を国会に提示しました。

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