【最新号】
オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・WTI原油価格は反発。欧米の金融システムへの不安が若干和らいだことで原油に買い戻しが入った。終値は前日比+0.74ドルの1バレル=68.35ドル(3月16日)。
・豪2月雇用統計は、雇用者数は市場予想(5万人増)を上回る6.46万人の増加となったほか、前月分も上方修正された。失業率は3.5%、労働参加率は66.6%とともに前月から改善した(3月16日)。
・3月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.60%とした。声明は前月から比べるとタカ派度合いが弱まった。
・3月1日に発表された、豪1月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+7.4%となり、前月(+8.4%)からインフレは鈍化した。
今日のメインシナリオは
ECBは利上げを実施、さてFOMCは…?警戒感が豪ドルの上値を抑える
本日は豪州の経済指標発表は予定されていない。
昨日発表された豪雇用統計は、豪州の経済指標の中では注目度が高かったが、結果に対する市場の反応はほとんどなかった。現在の市場の関心は、欧米金融システム不安であり、それに伴う米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の金融政策の行方となっているためだ。
昨日ECBは0.50%利上げを実施し、インフレ抑制を優先する姿勢を示した。これを受けて市場は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBもこの動きに追随して0.25%利上げを実施するとの見方を強めている。欧米の金融引き締めが続くことによって、金融システムへの不安が燻り続ける。リスクマインドに敏感な豪ドルの上値は重そうだ。
この先の個別相場変動
■FRBの利上げ観測が強まる
⇒米金融システムへの不安が高まる
⇒警戒感からリスクオンにはなれない
⇒豪ドルの上値は限定的
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は晴れ、豪ドル/米ドルは曇り空に雨がぱらつく。3時に豪ドル/円のMACDで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー社へ入社。8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
6時に豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯
豪ドル系の通貨ペアを取引する際に、オーストラリアや中国の経済動向を把握しておくことは大切です。 オーストラリアや中国の経済動向を把握する上で、特に注目しておきたい主要な経済指標を表示しています。
仮にコモディティ市場が上昇していくのであれば豪ドル/日本円の上昇を後押ししますが、下落していくのであれば豪ドル/日本円の下落要因となる可能性もあるかもしれません。 引き続き、インフレ・ウクライナ侵攻・主要国の金融引き締めなどに注視していきたいところです。
以上、資金効率の良さなどの観点から言えば、豪ドルに投資するならFXを検討してみても良いかもしれません。
先週は円高傾向が強い1週間でした。7日(火)に豪州の政策金利が発表され、市場予想通り0.25%引き上げられて3.60%になりました。同時に発表された声明においては、月次ベースでインフレーションがピークに達した模様であると示されました。前回の声明では金利引き上げ期間について「数か月継続する」としていましたが、今回の声明ではこの部分が削除されました。これらを受けて市場では利上げ停止が近いと判断され、豪ドル/円は円高で推移しました。
大きな方向性は似通っており、豪ドル/日本円と「豪10年債利回り-米10年債利回りの差」の相関性が確認できます。 「【特徴4】政策金利を決めるRBA(オーストラリア準備銀行)の動向にも注目」でも述べたように、金利差は為替相場にも影響を与えるので、確認をするようにしましょう。
以下は、豪ドル/日本円の日足チャート(2022年11月7日時点)です。
豪ドルに投資する方法は、主に以下3つあります。
以上、豪ドルの特徴について解説しました。 続いて、豪ドル/日本円は今後どのように価格推移していくのかを様々な観点から分析していきます。
豪ドルか日本円で資産運用する場合、どちらの通貨で運用したいと思うでしょうか? 大半の方は、豪ドルで運用したいと答えるはずです。 そうなると豪ドルを買い、日本円を売ることが多くなり、結果的に豪ドルの価格が上昇し、日本円の価格が下落します。 金利差がさらに開けば、豪ドルの買い、日本円の売りがさらに加速するのです。
OANDA証券では、豪ドル/日本円のリアルタイムチャート以外にも、豪ドル/日本円を取引するのに役立つオリジナルツールを豊富に提供しています。
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは雨。6時に豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯。
鉄鉱石や原油価格が上昇すると、豪ドル/日本円も上昇しており相関関係が見られます。 オーストラリアは輸出の大半をエネルギー・鉱物資源で占めているため、資源の価値が上昇すれば豪ドルにも追い風となるのです。 豪ドルを取引する際は、コモディティ市場にも注目しておくと良いでしょう。
取引量が比較的多い豪ドル/日本円は、値動きが安定しやすく初心者の方でも取り組みやすい通貨ペアです。 ちなみに、マイナー通貨ペアの場合は、需給の偏りによって突発的な変動を起こす場合もあるので注意が必要です。
オリジナルツール以外にも、重要な経済指標の推移や経済指標カレンダー、豪ドル/日本円に関するニュース情報など、様々なコンテンツの提供も行っています。
2022年11月現在では、格付け大手会社の3社(S&P・Moody’s・Fitch)がいずれも最上級の「AAA(トリプルA)」をつけています。 格付けが良く信用リスクが低いオーストラリアの通貨「豪ドル」は、比較的安心して取引を行いやすいといえましょう。
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