ドル円 金融不安で大荒れの展開
今週初めのドル円は先週末の米2月雇用統計の弱い結果や米銀行の経営破綻を受けてドル売りが進む中、133円台半ばへと続落してスタートしました。
13日(月)にはシリコンバレー銀行(SVB)に続いてシグネチャー銀行の破綻が報じられ、相次ぐ米銀行の破綻を受けてドルを売る動きが強まり、同日夜には一時132円台前半までドル安が進みました。
その後、米当局が預金保護などを含む措置を迅速に打ち出したことで金融不安への警戒感が和らぎ、ドルの買い戻しが進みました。14日(火)に米2月消費者物価指数(CPI)が発表されると、ほぼ予想通りでインフレ高止まりを示す結果となったことからドル買いが加速し、15日(水)夕方には一時135円台前半まで持ち直しました。
しかしスイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」について、筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが追加支援の可能性を否定したとの報道が伝わると、金融不安が再燃しドル円は15日夜に一時132円台前半まで急落しました。16日(木)には金融不安が広がる中で欧州中央銀行(ECB)が0.50%の利上げを決定したことでリスク回避の円買いも加速し、同日夜には131.71円前後までドル安が進みました。
その後、経営難に直面していた米ファースト・リパブリック銀行の支援策が発表されたことなどで警戒感が後退すると、17日(金)未明にかけて133円台後半へと反発しました。
今週は米銀行の破綻に続きスイスの大手金融グループの経営不安も報じられたことで金融不安が欧州にも波及し、大荒れの相場となりました。来週は米FOMCが予定されており、金融不安がくすぶり利上げの副作用が意識される中、米FRBの金融政策の行方に注目が集まります。
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ドル円相場3 13週振り返り 金融不安で大荒れの展開
そして、日銀が本来目指しているインフレ率2%は一向に達成できていません。景気拡大は、いつの時代も消費が強いことが条件ですが、政府が示す嵩上げされた経済指標よりも実体経済は強くなく、消費は弱い状態が続いています。上場企業は最高益を更新しEPSも増大していますが、内需関連の企業業績は外需関連企業ほど強くないことも前号で指摘しました。ドル高を容認しないトランプ氏の発言もあり、インフレ期待によって進んできた円安は終焉しかけているかに見えます。
仮にこの先、米国で物価の伸びの高止まりが続き、12月のFOMCで大幅利上げの継続が示唆された場合、米長期金利のさらなる上昇や、150円を大きく超えるドル高・円安の進行も想定されます。ただ、この場合でも、相場の過度な変動時には、本邦当局の為替介入も予想され、また、大幅利上げの継続で米景気が冷え込むリスクも高まることから、一本調子のドル高・円安の進行は見込みにくくなると思われます。
今週初めのドル円は先週末の米2月雇用統計の弱い結果や米銀行の経営破綻を受けてドル売りが進む中、133円台半ばへと続落してスタートしました。 13日(月)にはシリコンバレー銀行(SVB)に続いてシグネチャー銀行の破綻が報じられ、相次ぐ米銀行の破綻を受けてドルを売る動きが強まり、同日夜には一時132円台前半までドル安が進みました。 その後、米当局が預金保護などを含む措置を迅速に打ち出したことで金融不安への警戒感が和らぎ、ドルの買い戻しが進みました。14日(火)に米2月消費者物価指数(CPI)が発表されると、ほぼ予想通りでインフレ高止まりを示す結果となったことからドル買いが加速し、15日(水)夕方には一時135円台前半まで持ち直しました。 しかしスイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」について、筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが追加支援の可能性を否定したとの報道が伝わると、金融不安が再燃しドル円は15日夜に一時132円台前半まで急落しました。16日(木)には金融不安が広がる中で欧州中央銀行(ECB)が0.50%の利上げを決定したことでリスク回避の円買いも加速し、同日夜には131.71円前後までドル安が進みました。 その後、経営難に直面していた米ファースト・リパブリック銀行の支援策が発表されたことなどで警戒感が後退すると、17日(金)未明にかけて133円台後半へと反発しました。 今週は米銀行の破綻に続きスイスの大手金融グループの経営不安も報じられたことで金融不安が欧州にも波及し、大荒れの相場となりました。来週は米FOMCが予定されており、金融不安がくすぶり利上げの副作用が意識される中、米FRBの金融政策の行方に注目が集まります。
●ドル円は年末150円を予想、来年3月に利上げ終了の想定のもと、ドル高・円安はピークアウトへ。
貿易赤字と財政赤字の双子の赤字を抱えるアメリカは、資本収支が黒字であるからこそ維持できていることは以前に解説しました。アメリカの要人がドル安を望む発言をして、その後に強いドルはアメリカの国益と言い直すケースはしばしば起きているのはその為です。基軸通貨であるアメリカのドルは世界中に流通していますが、これは影響力が大きいことの裏返しでもあります。ドルは世界各地で広く使われているので、それだけドルの信任は重要なわけです。
アベノミクスには黒田日銀の金融政策は不可欠です。文字どおり「異次元」の金融緩和やマイナス金利で、円安・株高を展開してきました。今のところ市場は、黒田氏の続投を金融緩和継続のメッセージと受け取っています。仮にそうであれば、今後も異次元緩和を継続することは、出口戦略をますます難しくするとともに、ソフトランディングできなかった場合の日本経済が、壊滅的なダメージを受ける可能性があることは繰り返し記してきたところです。
先々週の世界的な株価の暴落は、アメリカの長期金利が上昇したことが震源とされていますが、もう少し詳しく見ておきましょう。 VIX指数インバースETNというデリバティブ商品(金融派生商品)があります。(恐怖指数の空売りのようなものと理解してください。)ここ数年VIX指数は12~15で推移していましたが、直近の1年ほどは8~9まで下がっていました。VIX指数インバースETNはVIX指数が下がれば利益になるデリバティブ商品で、VIX指数インバースETNに投じられている資金は30兆円とも100兆円とも云われており実態は判りません。
2つ目の内容は、「住宅ローンの貸し手(金融機関)の裏事情」を中心に解説しました。 資金計画の立て方や、賢い住宅ローンの借り方や返し方についてです。
今回、10月21日から11月8日までの期間で考えた場合、12営業日で6円64銭ほどドル安・円高に振れたことになります(図表2)。過去2回の傾向を踏まえると、ドル円の値幅調整は、まずまず進んだと考えられます。また、前述の通り、米長期金利は、10月下旬にみられた低下の動きは一時的なものにとどまっており、ドル円の底堅さは一定程度、保たれると思われます。
●米長期金利低下はドル円の調整要因だが、再び上昇の動きにあるためドル円の底堅さは継続か。
さて、改めて年初からのドル円相場の推移をみると、今回のようにドル高・円安の動きが一服した局面は2回ありました(図表1)。いわゆる値幅調整で、1回目は、5月9日から24日までの11営業日で、4円99銭ほどドル安・円高に振れました。2回目は7月14日から8月2日までの13営業日で、8円98銭ほどドル安・円高に振れました。いずれも、米長期金利が低下していた時期であり、米国の金利動向が影響したと推測されます。
注意すべきは、今回の長期金利上昇で幾多の矛盾が生じたことです。一番わかり易い例を記しますと、アメリカの長期金利が上昇すればセオリー的にはドル高になりますが、実際にはドル安が進んでいることです。つい先日まで113円台、アメリカの長期金利が上がるまでは108円前後でしたが、先週は一時105円台をつけました。ドル安が正しいのであればアメリカの長期金利は下がるはずですし、アメリカの金利上昇が正しければドル高になるはずで、どちらかが嘘の数字を示した状態になっています。このような矛盾を複数抱えている状態は、どこかで逆バネが働くと想像を超える動きになる可能性があります。
一応時期を決めてシナリオをたてましたが、この通りとなるほど、相場は簡単ではありません。あくまで私個人の30年来の経験則から想定したイメージ的なものです。 ただ、年間を通して、FOMCが利下げに踏み切る可能性は低く、もし、利下げスタンスに入ったとして、現在のインフレの状況から過去のようなゼロ金利政策まで実施する可能性は低いでしょう。一方日銀が、金融スタンスを若干タカ派に変えたとしても、日本の財政赤字から政策金利を大幅に引き上げる可能性は低く、前述の国際収支の状況や日米金利差の面からも、110円や100円を割れるリスクは低いでしょう。
高値異常値上限で売りを仕掛けることがセオリーです。日経平均の先高感は根強く、長期金利や為替の状況さえ落ち着けば、まだまだ上昇する可能性がありますので、買いで利益を狙う戦略もアリと思います。しかし、相場というのは、なかなか狙いどおりにいかないのが常です。先週も金融政策の転換に関する思惑が浮上して、相場を攪乱することになりましたが、こうした予測不能の事態は常に発生します。 一定以上に高く(安く)なり過ぎれば、ほぼ自動的に調整をするものです。不確実な可能性に賭けるよりも確実に起きる調整局面を狙う方が、より安心、安全、堅実であると思います。
1月22、23日には日銀の決定会合があります。金融政策自体は現状維持になるとされていますが(今のところ現状維持しかできません)、注目すべきは黒田総裁が出口戦略に関して何を語るかです。出口については時期尚早と従来からの見解を今回も続けるようであれば良いですが、残りの任期も少なくなっていますし出口戦略の条件が整う可能性も出てきたところです。(もっとも重要な条件とは2%の物価上昇です。)黒田総裁が出口ついて何らか示唆することを言えば、相場が過剰に反応して大荒れとなる恐れも十分にありますので注意が必要な局面といえます。
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