新横浜線が開業 効果は関西にも
首都圏で久しぶりの“大物”となる新路線「相鉄・東急新横浜線」。相模鉄道(相鉄)と東急電鉄東横線・目黒線を新横浜駅経由で結び、相互乗り入れによって神奈川県央から東京都心部へ、そして都心から新横浜へのアクセスを改善すると期待される同線が、3月18日に開業した。
東京圏で鉄道新線が開業するのはひさしぶりである。2010年に成田スカイアクセス線が開業した後は、相鉄・JR直通線(新横浜線)2.7kmだけ。都内に限ると、2008年の日暮里・舎人ライナーと東京メトロ副都心線が最後だ。大阪圏でも、2009年の阪神なんば線開業後、貨物線改良のJR西日本おおさか東線1例のみである。
今回は新綱島駅までの試乗会だったが、この先、日吉駅方面には1356.51mの「綱島トンネル」が延びている。このトンネル内で気になることがあった。列車の接近時、下り新横浜方面線では一定間隔で設けられた青いライトが点滅し、上り日吉方面線では、こちらも一定間隔で設置された黄色いライトが点滅する。このライトが暗いトンネル内で〝一筋の光明〟のように鮮やかに感じられた。
実現させたいのなら、国の補助金をもらわねばならないが、条件をクリアするのが本当に難しい。さいたま市や埼玉県は、埼玉高速鉄道の岩槻延伸を求めて報告書を何度も作成しているが、費用対効果と事業性が基準に達せず具体化できていない。相模原市は小田急多摩線の相模原駅・上溝駅延伸を要請しているが、小田急は収支採算性に課題ありと判断して距離を置いている。
筆者は昨年の11月24日にも建設中の新横浜駅を訪れたが、このときは諸施設が設置間もない状況で、地上と地下4階にあるホームへの上り下りは階段を使わざるをえない状況だった。しかし、今回はエスカレーターが作動していてスムーズに下りていくことができた。開業のほぼ2週間前ということもあって、自動改札機などの防護カバーも外され、開業に向けてあとは利用者を待つばかりとなっていた。
新線・新駅開発に携わる鉄道・運輸機構、相鉄、東急電鉄が作成しているホームページによると、完成後にはさまざまな効果が期待されます。相鉄線二俣川駅からJR新宿駅へは15分ほど所要時間が短縮され、同様に東急目黒線目黒駅へは16分ほどの短縮に。乗り換えも少なくなり、相鉄線・JR横浜駅の混雑が緩和されそうです。
次に新横浜駅は新幹線を介した関西・中京圏への玄関口であり、ここに直結できる期待は大きい。また、駅周辺には既にオフィス需要もある他、日産スタジアムや横浜アリーナがあり、エンターテインメントの集客も期待できる。
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2023年3月18日に開業する東急新横浜線の運行計画の概要などを冊子PDFからご覧いただけます。
駅の案内ボードには東急の新しい路線図も掲示された。東急東横線の日吉駅までつながる目黒線の延長線上に「東急新横浜線」として紫色のラインが加えられていた。また東急新横浜線からも東急東横線に向けて細いラインも入る。
この相鉄・東急新横浜線は「神奈川東部方面線」の一部区間として計画された。「神奈川東部方面線」のこれまでの経緯に関して触れておこう。
同じく開業する相鉄新横浜線とは新横浜駅でつながり、神奈川県央部および横浜市西部と東京都心部が直結し、広域鉄道ネットワークの形成と機能の高度化がなされ、所要時間の短縮や乗換回数の減少など、鉄道の利便性向上となるとともに、新幹線へのアクセスが向上します。
新横浜駅の地下3階のフロアで「相鉄・東急直通線 しゅん功開業式典」が開かれた。相模鉄道・東急電鉄の関係者だけでなく、相互乗り入れを行う鉄道事業者の代表、横浜市長と横浜18区の区長、神奈川県知事、また国からも斉藤鉄夫国土交通大臣、菅義偉前内閣総理大臣といった錚々たる錚々たる来賓が参加。祝辞の後に、紅白のテープカット、くす玉割りが行われた。
新横浜駅付近に新駅ができることから、東海道新幹線へのアクセスも向上します。相鉄線経由で大和駅からなら約23分、東急東横線渋谷駅からなら約11分程度新横浜駅への所要時間が短縮され、JR・東急東横線横浜駅、菊名駅での乗り換えも不要に。荷物を持って出かける時に乗り換えがなくなるのは助かります。
幸いにも、JR・相鉄直通線は新横浜駅より相模鉄道寄りの羽沢横浜国大駅で相互直通している。だから相模鉄道側が調整すれば良い話で、東急線系統の影響は少ない。新横浜駅は島式プラットホームが2面、線路は3本あり、中央の線路を使って双方に折り返し運転ができる。東急側、相鉄側で直通列車の折り合いがつかなければ、新横浜で折り返せばいい。
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