【最新号】
オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・5月2日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.85%へと0.25%の利上げを実施した。
・NY原油先物市場は反発。米4月雇用統計が強い結果となり、米景気減速懸念が後退したことが原油の買い戻し要因となった。終値は前日比+2.78ドルの1バレル=71.34ドル(5月5日)。
・4月26日に発表された豪1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%となり、前四半期(+7.8%)からインフレは鈍化した。また同時に発表された3月月次CPIは前年比+6.3%となった。
・豪3月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2万人増)を上回る5.30万人の増加だった。失業率は3.5%、労働参加率は66.7%となった(4月13日)。
今日のメインシナリオは
リスク心理悪化への警戒が豪ドル/円の上値を抑える?
5日に発表された米4月雇用統計が予想を上回る強い結果となった。この結果を受けて、米景気減速に対する過度の警戒感はひとまず低下しており、資源国通貨である豪ドルを下支えする材料となっている。
一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ余地はほぼないと市場は予想している。そのため、日銀とFRBなどの主要中央銀行との金融政策の方向性の違いが円安を助長するといった展開には繋がりにくくなっている。
米国や欧州などでは高金利と高インフレが景気後退に繋がるとの懸念が根強いため、市場ではリスク心理を悪化させる材料には強く反応しやすい。
本日は豪州や米国において、主要な経済指標の発表が予定されていないため、株価動向が豪ドル相場を主導するものと考えられるが、前述の通り過度のリスクオンには繋がりにくいため、豪ドル/円の上値も限定的になりそうだ。
この先の個別相場変動
■過度の米景気減速警戒は後退
⇒資源国通貨である豪ドルは買われる
⇒高金利、高インフレで景気減速懸念は根強い
⇒ネガティブ材料には強く反応する
⇒豪ドルの上値は限定的
⇒豪ドルの値動きも徐々に先細る
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
米株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。5日の22時に豪ドル/米ドルのRSIで買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局「ストックボイス」へのレギュラー。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
では はたして豪ドル安・米ドル高は本当に終わったのだろうか
次に戦略の前提としては・RBAは、2023年に金融正常化を終了する一方、日銀は金融正常化をスタートする可能性があり、豪日金利は縮小に向かう。・原油価格は、更に上昇するというより、保合気味となると想定して、豪ドル円も底堅い動きが続く。・ただ、豪ドル円やドル円の月足のスロー・ストキャスティクスが、デッド・クロスとなっていることで、上値は重く一定の下値トライが発生する。・ 注意点としては、やはりウクライナ情勢です。もし、プーチン大統領が核の使用などに走った場合、リスクオフの動きに注意ですが、一方で早期に停戦合意となった場合は、リスクオンの動きが強まるので、このようなケースは、相場に動きに逆らわないことが重要となりそうです。
それでは最後に豪ドル円の長期の月足チャートです。 豪ドル円相場は、以前から指摘していましたが、「C」をトップとして「B」と「D」をショルダーとした超長期のH&Sを形成していましたが、これが「E」の59.91の下ヒゲで、アームを形成してこのH&Sを完成。その後反発が、過去の「BD」のネック・ラインを越えて反発しましたが、現状は「F」でトピッシュな形となっています。
豪ドル/米ドルは、2021年2月の0.8米ドルから下落トレンドが展開してきた。このレポートを執筆している2022年12月2日の段階では、10月の0.61米ドルを豪ドル安値として、とりあえず0.6米ドル割れは回避されたまま豪ドル下落が終わった可能性も出てきた(図表1参照)。では、はたして豪ドル安・米ドル高は本当に終わったのだろうか。
2025年1月の豪ドル円見通し。当月始値 98.77、最低 98.77、当月最高 103.26。平均 100.63。月末 101.73。変更 3.0%。
2025年12月の豪ドル円予想。当月始値 106.57、最低 106.57、当月最高 111.42。平均 108.58。月末 109.77。変更 3.0%。
2025年9月の豪ドル円見通し。当月始値 99.93、最低 99.93、当月最高 104.35。平均 101.76。月末 102.81。変更 2.9%。
豪ドル/円は、2021年は80~85円中心に方向感の乏しい展開に終始したものの、2022年は大きく上昇し、一時は100円の大台に迫る豪ドル高・円安となった(図表4参照)。これは、米ドル高・円安が一時150円を超えるなど、1990年以来約32年ぶりとなった歴史的な動きに引っ張られた面が大きかった。
2027年5月の豪ドル円見通し。当月始値 109.06、最低 108.87、当月最高 112.19。平均 110.16。月末 110.53。変更 1.3%。
2026年1月の豪ドル円見通し。当月始値 109.77、最低 105.10、当月最高 109.77。平均 107.84。月末 106.70。変更 -2.8%。
2024年10月の豪ドル円予想。当月始値 101.57、最低 97.37、当月最高 101.57。平均 99.84。月末 98.85。変更 -2.7%。
2026年5月の豪ドル円見通し。当月始値 108.21、最低 108.21、当月最高 113.13。平均 110.25。月末 111.46。変更 3.0%。
2025年3月の豪ドル円見通し。当月始値 101.72、最低 100.13、当月最高 103.17。平均 101.67。月末 101.65。変更 -0.1%。
2025年8月の豪ドル円予想。当月始値 97.74、最低 97.74、当月最高 101.43。平均 99.21。月末 99.93。変更 2.2%。
両国における相場の変動は、そのままAUD/円に影響しており、為替レートも常に変動しています。現在のレートは73.86で、AUDの上昇が低金利の円と対抗する形になっています。2010年末、豪ドル対円相場は、82.96でした。2000年12月31日時点でのAUD/円相場は63.15となっています。
2027年3月の豪ドル円見通し。当月始値 115.40、最低 110.26、当月最高 115.40。平均 113.25。月末 111.94。変更 -3.0%。
コメント