執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・対ドル対ユーロで最安値更新
・選挙を前に資金流出の可能性も
・対円では売買交錯で不安定
足元のトルコリラ/円は不安定な値動き
リラは対ドルで10日に、対ユーロでも4日にそれぞれ史上最安値を更新するなど軟調に推移。
14日に行われるトルコ大統領選・議会選を前にトルコ株も軟調で同国からの資金流出が起きているようにも見える金融市場の動きです。
もっとも、円安の影響で対円では売買が交錯しており、6.90円を挟んで神経質に上下。
8日には6.804円前後まで下落する場面もありましたが、10日の東京市場では6.938円前後まで持ち直すなど方向感を欠く値動きが続いています。
注目ポイントは大統領選
14日の大統領選では現職エルドアン氏の苦戦が報じられています。
低金利政策を強行してきたエルドアン氏が大統領の座を失えば、金融政策が正常化に向かうとの期待でリラが反発するとの見方もありますが、果たしてそうなるかはきわめて不透明でしょう。
仮に野党統一候補のクルチダルオール氏が勝利すれば政局の混乱は必至で、混乱の度合いによってはリラに一段の下落圧力がかかっても不思議ではありません。
なお、選挙の暫定結果が日本時間15日月曜の早朝5時59分に発表される予定となっています。
日本のFX取引が本格的に始まる直前に暫定結果が伝わることから、リラ/円相場は上下いずれに動くにせよチャート上にはオープン時に大きな「マド」が空く可能性が高いと考えられます。
その後もしばらくは乱高下する公算が大きいことから、できることなら12日金曜の時点でポジションを減らしておくのが得策かもしれません。
来週までのトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
6.350~7.250円
基調
不安定
来週までの注目ポイント
☆5/14 トルコ大統領選・議会選
・主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|トルコリラ/円(TRYJPY)|60分足」はこちら

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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