相次ぐ訴訟 研究者の大量雇い止め

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相次ぐ訴訟 研究者の大量雇い止め
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 相次ぐ訴訟 研究者の大量雇い止め

相次ぐ訴訟 研究者の大量雇い止め

こう憤るのは、当時奈良学園大学の教授だった川本正知氏。川本氏は京都大学大学院文学研究科博士後期課程を単位取得退学し、複数の大学や短大で非常勤講師を務めたあと、1989年に奈良学園大学の前身、奈良産業大学に講師として着任した。1999年から教授の立場にあった。

大学や研究機関で長年働く非正規職員らが2022年度末での労働契約の打ち切りを告げられる事例が出ている。同じ職場で通算10年働いた有期雇用契約の職員が23年4月以降、「無期雇用」への転換を申し込む権利を得ることが背景にある。一部の大学や研究機関では期限を前に「雇い止め」が相次ぐ可能性があり、「研究力の低下につながる」との指摘もある。

そんな中、国内に11カ所の研究拠点を持ち、約2300名の研究者が所属する「国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)」が、すべての研究者を無期雇用に切り替えたことが分かった。現在、無期雇用の新たな研究者も募集している。これも、日本政府の危機感の表れだろう。

ただ、理研も理研労が訴えているような有期雇用による弊害を認識していないわけではないようだ。理研が2018年に、2024年度までに任期なしの無期雇用研究者の割合を現状の1割から4割に高める方針を打ち出しているのがその証左だ。

遅まきながら、日本でもようやく研究者の価値が見直されようとしつつあるのだろうか。まずは、600人に上る理研の雇い止め研究者が、どのような処遇となるのかを注目したい。

令和5年3月末で大学教員らが大量に雇い止めになる-。かねて懸念されていたそんな事態が現実化しつつある。今からちょうど10年前、平成25年4月施行の改正労働契約法により、契約社員らの契約期間が5年を超えると、無期に転換できるようになった。しかし一部研究職では「10年超」とする特例が設けられ、今年3月末が最初の「満期」に。そこで契約を打ち切られ、訴訟に発展するケースが相次いでいる。

「私たちは大学の研究者であり、教育者です。大学における研究・教育において失われた4年間という時間は取り返しがつきません。裁判に勝ったとはいえ、学問的な面においても、精神的な面においても、リハビリテーションが必要な状況に置かれています」

この時点までに多数の研究者が理研を既に去っており、雇い止めの危機にある研究者の数は約380人に減っていた。これに対し、公募するAPのポストは400を超すという。一見すれば、誰でも実力さえあれば理研に残って研究を続けられる、フェアな制度のように映る。

また、この4月から東京大学元総長の五神真氏が理研の新理事長に就任した。五神氏は、若手教員の「無期雇用化促進制度」や「卓越研究員制度」などを打ち出し、総長就任前8年間で16ポイントも増えていた東大の有期雇用教員割合を減少に転じさせるなど、卓越した手腕を発揮した。五神氏を新理事長に据えたのも理研、ひいては日本政府の危機感の表れだと見ることができる。

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