午前の為替予想は… ドル/円、月初来安値133.50が視野 米CPI鈍化でPPIにも注目
作成日時 :2023年5月11日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
ドル円予想レンジ
133.200-134.800円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は米4月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けて134円台へと反落した。米4月CPIは前年比+4.9%と市場予想(+5.0%)を下回り10カ月連続で伸びが鈍化。一部で上振れが警戒されていたコアCPIは前年比+5.5%で予想通りだった。これを受けて米長期金利が低下する中、134.12円前後まで下落。米4月CPIの発表前は135円台前半で推移していた。
本日のNY市場で発表される米4月生産者物価指数(PPI)にも注目が集まりそうだ。市場予想によれば前年比+2.5%へ鈍化が進む見通しとなっている。米4月PPIの発表後に連邦準備制度理事会(FRB)の6月利上げ停止観測が一段と強まれば、ドル/円は4日に付けた月初来安値の133.50円前後を試す流れとなりそうだ。米4月PPIと同時に発表される米新規失業保険申請件数の結果にも注目したい。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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ドル円午前の為替予想 FRBの6月利上げ停止観測を強めるかPPIに注目 2023
もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(9)米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果4.5、予想▲5.8、前回▲9.1)の良好な結果や、(10)米10月小売売上高(結果+1.3%、予想+1.0%、前回±0.0%)の市場予想を上回る結果、(11)対英ポンドでのドル買い圧力(ハント英財務相が中期財政計画の中で2023年のGDP予測を+1.8%から▲1.4%へ大幅下方修正→英ポンド急落→ドル買い再開)、(12)セントルイス連銀ブラード総裁による「インフレ抑制を目的にさらに金利を引き上げる必要がある」「十分抑制的な政策金利は5ー7%レンジになる可能性がある」とのタカ派的な発言、(13)短期筋のショートカバーが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間11/19午前2時25分現在)では、140.20前後まで持ち直す動きとなっております。
<ユーロドル相場>今週のユーロドル相場(EURUSD)は、週初1.0366で寄り付いた後、(1)ウォラーFRB理事によるタカ派的な発言や、(2)米民主党の上院過半数確定報道(レッドウェーブ回避に伴うドルショートの巻き戻し)、(3)パネッタECB専務理事による「過度な引き締めは生産能力を破壊しリセッションを深刻化させる恐れがあるため避ける必要性がある」「決定的な根拠がない前提で積極的な引き締めを行うのは見当違い」とのハト派的な発言、(4)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、週明け早々に週間安値1.0271まで下落しました。
<ドル円相場>今週のドル円相場(USDJPY)は、週初138.54で寄り付いた後、(1)先週後半に活発化したドル円大暴落(146.61→138.46)の反動や、(2)ウォラーFRB理事による「利上げを停止するまでにはまだ道のりは長い」とのタカ派的な発言、(3)米中間選挙における民主党の上院過半数確定(共和党のレッドウェーブが阻まれたことに伴うドル売り観測後退)、(4)黒田日銀総裁による「現在は金融緩和の継続で経済活動しっかり支えていくべき局面」とのハト派的な発言、(5)本邦個人投資家による日米金融政策格差に着目したキャリートレードの再開観測が支援材料となり、週明け早々に、週間高値140.80まで急伸しました。
昨日のドル/円は米4月消費者物価指数(CPI)の鈍化を受けて134円台へと反落した。米4月CPIは前年比+4.9%と市場予想(+5.0%)を下回り10カ月連続で伸びが鈍化。一部で上振れが警戒されていたコアCPIは前年比+5.5%で予想通りだった。これを受けて米長期金利が低下する中、134.12円前後まで下落。米4月CPIの発表前は135円台前半で推移していた。
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、135円台前半での小動きとなった。
18日の東京市場はドルが小安い。ただ、基本的には140円を挟んだレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。
(11)スペイン中銀デコス総裁による「金利が到達しなければならない具体的な水準は経済データに完全依存」「時間とともに変化する可能性があるため不確実」とのハト派的な発言、(12)英ポンドの大幅下落(ハント英財務相が2023年の英国GDP予測を+1.8%から▲1.4%まで大幅下方修正→英ポンド急落→ユーロ連れ安)、(13)セントルイス連銀ブラード総裁によるタカ派的な発言などが重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/19午前2時25分現在)では、1.0335前後まで値を崩す展開となっております。尚、今週はポーランド外務省によるロシアのロケット弾がポーランド国内に着弾したとの正式発表を受けて地政学的リスクが一時的に高まる局面が見られましたが、バイデン米大統領が「ポーランドへの着弾は軌道を見る限りロシアから発射された可能性は低い」と発言したこと等を受けて、ひとまず落ち着きを取り戻す形となりました。
しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(6)ブレイナードFRB副議長による「利上げペース減速に移行するのに適切となる時期は近い」「急激な引き締めは経済に波及効果を生み出す」とのハト派的な発言や、(7)米10月生産者物価指数(結果8.0%、予想8.3%、前回8.4%)および、米10月生産者物価コア指数(結果6.7%、予想7.1%、前回7.1%)の市場予想を下回る結果、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、週央にかけて、週間安値137.68(8/29以来、約2ヵ月半ぶり安値圏)まで急落しました。
本日のNY市場で発表される米4月生産者物価指数(PPI)にも注目が集まりそうだ。市場予想によれば前年比+2.5%へ鈍化が進む見通しとなっている。米4月PPIの発表後に連邦準備制度理事会(FRB)の6月利上げ停止観測が一段と強まれば、ドル/円は4日に付けた月初来安値の133.50円前後を試す流れとなりそうだ。米4月PPIと同時に発表される米新規失業保険申請件数の結果にも注目したい。
10日(水)のドル円相場は急反落。
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