ドル/円いずれ下落するが今はそのときじゃない!?ドル/円相場と今後の展望を語る!【酒匂隆雄の週刊独り言】
動画配信期間
2023/5/15~
目次
0:00 オープニング
0:40 先週の振り返り
1:19 米ミシガン大消費者信頼感 予想外の結果
2:16 中長期的にドル/円下落だが今じゃない
4:03 引き続きショート戦略
概要
現在の為替相場について、市場で注目されている材料を交えながら”塾長”酒匂氏が独自の視点から解説します。
酒匂隆雄 氏
酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表 1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で敏腕ディーラーとして外国為替業務に従事。その後1992年、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長に就任。 その一方で2000年には日経アナリストランキング・為替部門にて第1位を受賞するなど、コメンテーターとしても高い評価を得ている。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
2022年11月は ドル安円高が進みました
よって、当面は、米10年金利の低下が止まって、ドル円は140円前後までドル高円安に動くと予想します。
日銀が大規模緩和を修正する前提は、米国景気の堅調さや世界の金融市場の安定だと考えます。よって、円金利が上昇する際には、米国金利も上昇しやすいと予想します。日銀が大規模緩和の修正に動くことは、日米金利差からみて、ドル安円高要因になるとは限りません。
円安方向におけるドル円の目途は2002年に記録した135円でしょう。他に2つの視点から、円安進行の目途を考えてみます。
2022年11月は、ドル安円高が進みました。米ドル円は、1ドル148円台でスタートしましたが、11月末には137円台まで下落して、1ヶ月で11円以上も円高に動きました。12月に入ってもドル安円高トレンドは続いており、12月2日には134円を割りこみました。
日本政府が実施した円買い介入後も、ドル高円安は続いています。過去も、日本単独の為替介入は、ドル円のトレンドを変えられていません。
既往の米利上げによる米国景気悪化懸念がドル売り材料視される中、師走の日銀会合で予想外の緩和修正が発表されると1日で約7円もの円高ショックを招き、一時130円58銭と4カ月半ぶりの安値圏まで差し込んだ。
米景気後退懸念が強まって商品価格が下落していることは、資源国の通貨の下落要因でしょう。また、新興国の多くは、急ピッチの米利上げと米ドル高によって、ドル建ての債務負担が大きくなるため、景気にマイナスに働くとみられます。
植田新総裁のもとで初めての金融政策決定会合を通過して、ドル円は円安に動きました。また、日銀会合というイベント通過で、ドル円の予想変動率も低下しています。日米政策金利差が約5%もあるなかで、ドル円の予想変動率の低下は、当面のドル高円安要因でしょう。
市場予想通りならば、アメリカの中央銀行との政策金利差は今後縮小し、ユーロ高ドル安要因になると予想します。
しかし、目先のドル円は、1月18日の日銀金融政策決定会合の結果次第でしょう。市場は、今後の日銀の金融政策変更で、円金利が上昇すると想定しています。その場合は、円高要因になりやすいです。
4月雇用統計からみると、アメリカの中央銀行は、長期的な中立金利(3月予測では2.375%)に早く近づくため、6月と7月も0.5%の利上げを実施する可能性が高そうです。市場は、米政策金利(現行0.75-1.00%)が年末には2.8%程度まで上がることを既に織り込んでいますが、日米金利差が大きいことは、ドル高円安トレンドが続きやすい要因でしょう。
2023年2月のドル円は、128円から133円程度のレンジで推移しています。政府は、2月14日に、3月から4月に任期を迎える日銀正副総裁の後任人事案を国会に提示しました。
ドル/円相場を動かす最大要因は米金利です。本来なら、ドル/円は米日金利差で読むべきものですが、もう20年も日本の金利は底ばっており、金利差を計算する手間をかけなくても、米国金利だけでドル/円相場を評価できます。
一方、来年の米国経済が意外な粘り腰を発揮して賃金や物価が下がらず、米国の利上げの最終到着点が、現在市場が織り込んでいる5%前後ではなく、6%をはるかに超える水準に引き上げられた場合は、ドル高トレンドの復活もあり得るだろう。ただ、いずれも現時点では可能性が非常に低いリスク・シナリオだと考えている。
ブラジルレアルや南アランドなど、新興国でかつ資源国の通貨にとっては、米インフレ率が早期に低下して、世界景気が軟着陸するのが望ましいです。新興国の多くにとって、急ピッチの米利上げと米ドル高で、ドル建ての債務負担が大きくなっており、景気にマイナスに働くでしょう。
コメント