【豪ドル/円】押し目買い。
豪ドル/円は小反落。上値を切り下げる流れから上抜けきれていないので買いも慎重に。買いは90.60-70で押し目買い。損切りは90.40で浅めに一旦撤退です。売りは様子見です。上値抵抗は90.90-00,91.50-60,91.70-80に、下値抵抗は90.60-70,90.40-50,90.20-30,89.90-00にあります。89円を割り込んで終えた場合は“弱気”に変化します。
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追加 豪ドル 円
今月RBAが実施した利下げは海外経済の悪化リスクに配慮し、景気拡大を長持ちさせるための保険的な意味合いが強い。現在米国の金融市場で発生している年内2─3回程度の利下げ観測は行き過ぎの可能性があり、米FRBのハト派傾斜を起点に始まった先進国中銀の「緩和ドミノ」が一巡すれば、RBAに対する追加利下げ観測も後退、豪ドル/円の失地回復を促すのではなかろうか。
その後、米国が対中制裁第1弾として340億ドル(約3.7兆円)分の中国製品に対し25%の追加関税に踏み切り、中国が同額同率で反撃したのが昨年7月6日、160億ドル分の輸入増税で張り合った第2弾が同年8月23日だった。米国が2000億ドル分の中国製品に10%、中国が600億ドル分の米国製品に5─10%の関税をかけた第3弾は同年9月24日に実施されているので、今年10月にはこれらの輸入増税による「前年比効果」も剥落する。
最近の豪州経済指標をみる限り、物価の伸びこそ政策目標に達していないが、実質経済成長率は1991年第2・四半期を最後に2四半期連続の前期比マイナス成長を回避、前年比では109四半期連続のプラス成長を記録している。「インフレなき経済成長の持続」は、中央銀行が目指す理想に近く、「奇跡の長命景気」を維持するため矢継ぎ早の追加利下げが必要になっているとは思えない。
豪ドル/円の為替相場は引き続き米国の通商政策などの国外要因の影響を受ける場面も予想されるものの、相対的に堅調な経済成長率や高水準の貿易黒字、所得税減税などの景気刺激策の実現により、豪ドルは再評価される可能性があるものと考えられます。オーストラリアでは、実質GDP成長率が2019年2.1%、2020年2.8%、2021年2.8%と、米国や日本と比べても相対的に高い経済成長が予測されており、今後も緩やかな成長が続く見込みです(IMFによる2019年4月公表値)。政策金利は2019年7月に2ヵ月連続となる利下げにより過去最低の1.00%へ引き下げとなりました。市場では2019年末までにあと1回の追加利下げが予想されていますが、現状の豪ドル相場には概ね織り込まれていると考えられます。
金利情勢に目を転じても、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は4日の理事会で政策金利を2年10カ月ぶりに引き下げ、過去最低の1.25%に誘導した。18日に公表されたRBA議事録で追加緩和の可能性が示唆されていたこともあり、金利先物市場では年内2回の追加利下げを6割近い確率で織り込んでいる。
豪州準備銀行(RBA)は2019年7月に、2ヵ月連続となる0.25%の利下げを決定しました(政策金利は過去最低の1.00%へ引き下げ)。RBA総裁は先行きの金融政策に関して、労働市場の動向を注視しながら、景気支援のために追加利下げを実施する可能性にも含みを持たせました。
あとに残るのは今年の5月10日に米国が第3弾の追加制裁として行った2000億ドル分の中国製品に対する関税率の10%から25%への引き上げと、それに対する反撃として中国が6月1日から実施した600億ドル分の米国製品に対する最大25%までの税率アップの影響だけだ。両国の経済規模で吸収できない金額ではないのではないか。
11月会合で豪中銀が政策金利を0.10%に引き下げるなど追加緩和に踏み切った場合の豪ドル相場の見通しはどうなるか。あおぞら銀行の諸我晃氏は、1豪ドル=74円ちょうど近辺まで下落余地があるとみている。
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