東京市場オープニングコメント
「ドル・円は主に138円台で推移か、米追加利上げを想定してドルは底堅い動きを保つ可能性」
18日のドル・円は、東京市場では137円29銭から137円87銭まで上昇。欧米市場では137円70銭まで売られた後、138円75銭まで上昇し、138円70銭で取引終了。本日19日のドル・円は主に138円台で推移か。米追加利上げの可能性は残されており、ドルは底堅い動きを保つ可能性がある。
18日の米国株式市場では、債務上限問題を巡る合意形成への期待が広がり、主要株価指数は上昇した。報道によると、共和党のマッカーシー下院議長は債務上限引き上げについて「来週中に下院議会で採決する可能性がある」との見方を伝えた。市場参加者の間からは「21日までに米債務上限引き上げに関して合意に達した場合、月内の法案成立が期待できる」との声が聞かれている。金融市場の不確実性はひとまず低下する見込みだが、今回の措置によって債務上限問題が根本的に解決されるわけではないため、将来的には大幅な歳出削減について検討されることになるとの見方も多い。
《午前8時現在》 ドル・円: 138.00円-139.30円 138円近辺でドル買い興味
ユーロ・円: 148.80円-150.00円 148円台後半でユーロ買い興味
豪ドル・円: 91.30円-92.50円 91円台前半で豪ドル買い興味
通貨別分析
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その場合 日本円よりも金利が高い米ドルを買う要因になるでしょう
しかし、目先のドル円は、1月18日の日銀金融政策決定会合の結果次第でしょう。市場は、今後の日銀の金融政策変更で、円金利が上昇すると想定しています。その場合は、円高要因になりやすいです。
また、4月最終週から続いた日銀会合、FOMC、米雇用統計などの大きなイベントを通過して、ドル円の予想変動率は、今後、低下すると予想します。その場合、日本円よりも金利が高い米ドルを買う要因になるでしょう。
2022年7月の市場は、年初からのドル高円安、株安、原油高とは逆方向に大きく動きました。米ドル円は7月14日に1998年以来となる139円台をつけましたが、8月初めには130円台まで押し戻されました。また、米国株式市場では、米国株(S&P500種株価指数)が年初の高値から20%以上も下落した後、6月中旬からは10%以上も反発しました。WTI原油先物価格は、6月の120ドル台から80ドル台まで下落しています。
年初からのドル円は、日米の金利差が拡大するに伴って、ドル高円安に動きました。ロシアのウクライナへの軍事侵攻や中国の一部都市のロックダウンを受けて、5月のアメリカのCPIが前年比+8.6%と上昇ペースが加速したことで、アメリカの中央銀行(FRB)は6月に利上げペースを0.75%に加速させており、下限政策金利は1.5%です。その後も、FRB高官からは、7月の0.75%の利上げを示唆する声が出ています。
また、過去のドル安円高のピークからの動きを振り返ると、円安のピークをつけてから3ヶ月程度は10%以内の円高に収まっています。例外は1998年の世界的な金融危機ですが、今は金融危機などが発生しているわけではありません。
また、各国の中央銀行も利上げを急いでいます。例えば、オーストラリアでは、1-3月のCPIが前年比+5.1%と上昇ペースが加速し、4月の失業率も過去最低となる3.9%まで低下するなか、物価と賃金の上昇が同時に進行する可能性が意識されます。オーストラリアの中央銀行(RBA)は、政策金利を5月に0.25%引き上げて0.35%としましたが、市場は年末までに2.6%までの引き上げを織り込んでいます。豪10年金利は3.5%近辺で推移しており、米10年金利を上回ることは、豪ドルのサポート要因でしょう。当面は、資源国通貨が対ドルや対円で上昇すると予想します。
当面のドル円は、130円台前半のレンジで推移すると予想します。しかし、ドル安円高が進むリスクもあります。
日本円が下落している背景を、日本独自の要因から考えると、当面は円安圧力になりそうです。まず、貿易面では、昨年8月から貿易赤字が続いており、輸入に伴うドル買い圧力が輸出に伴うドル売りを上回っています。資源輸入国である日本にとって、原油など資源高が続くことは、輸入金額の増加を通じて、米ドルの買いが増えやすいことを意味します。
2023年1月のドル円は、128円台から135円の広めのレンジで推移しています。日銀がさらに政策調整をして円金利が上昇することへの警戒感や米金利の低下は、ドル安円高要因です。とくに、1月18日の日銀金融政策決定会合を控えて、円金利が上昇しやすいため、日銀会合までのドル円は130円を挟んだ広めのレンジになりそうです。
米景気後退懸念が強まって商品価格が下落していることは、資源国の通貨の下落要因でしょう。また、新興国の多くは、急ピッチの米利上げと米ドル高によって、ドル建ての債務負担が大きくなるため、景気にマイナスに働くとみられます。
2022年9月は、ドル高円安が進み、内外株価が下落しました。米ドル円は9月22日に1998年以来となる145.90円までドル高円安が進みました。日本政府が1998年以来となるドル売り円買い介入を2.8兆円規模で実施したため、一時的に140円台まで円高に動きました。しかし、ドル高圧力は根強く、ドル高円安トレンドは変わっていません。
ドル高円安が続くと予想しますが、リスクもあります。
ユーロは、対ドルで年初から1割以上も下落し、2002年以来となる1ユーロ=1米ドル割れです(パリティ割れ)。ロシアのウクライナ侵攻で、天然ガスなどエネルギー価格上昇の影響を強く受けるなか、ユーロ圏の消費マインドは低水準であり、個人消費は厳しい状況です。ユーロ圏の景気は、アメリカの景気より厳しいとみられます。
多くの国では、景気の減速と高いインフレ率に悩まされるなか、利上げをしています。各国の金融市場が不安定になれば、ドル安円高要因になる点には注意が必要です。
当面のドル円は、135円を中心とした広めのレンジで推移すると予想します。しかし、ドル安円高が進むリスクもあります。
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