【最新号】
オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
目次
- ▼今日の豪ドル トレードシナリオ
- 昨日から現在までの相場
- 今日のメインシナリオは
- この先の個別相場変動
- 豪ドル/円 最新チャート分析
- 今後の注目経済指標・イベント
- 「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
今日の豪ドル トレードシナリオ
昨日から現在までの相場
・豪4月雇用統計が発表され、雇用者数は市場予想(2.50万人増)に反して0.43万人の減少だった。失業率は3.7%、労働参加率は66.7%となった(5月18日)。
・NY原油先物市場は反落。米追加利上げ観測が強まりドルが全般的に買われた結果、原油に割高感が出た。終値は前日比-0.97ドルの1バレル=71.86ドル(5月18日)。
・5月2日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を3.85%へと0.25%の利上げを実施した。
・4月26日に発表された豪1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%となり、前四半期(+7.8%)からインフレは鈍化した。また同時に発表された3月月次CPIは前年比+6.3%となった。
今日のメインシナリオは
今週は大幅な円安だった 週末を控えた調整に注意!
昨日発表された、豪4月雇用統計は市場予想に反して悪化を示した。
この結果を受けて、市場はRBAが6月に金利を据え置きにするとの見立てを一層強めている。「今回の豪4月雇用統計は集計期間が4月2日~15日であり、豪州のイースター休暇(4月7日~10日)と被っていたことが影響している」との見方もできるが、現状では「とりあえず6月は据え置きで、7月はまたその時に考える」と解釈しているようだ。そのため、豪ドルは上値が重い状況が続くと予想できる。
本日は注目の経済指標は予定されていない。米国をはじめとした株式市場の動向が豪ドル相場のメインドライバーとなりそうだ。
他方で、今週は円が急ピッチで売られた。週末前の本日はポジション調整の円買戻しが持ち込まれる可能性もあることは留意しておきたい。
この先の個別相場変動
■米国株価指数が上昇
⇒豪ドルはリスクマインドに敏感
⇒豪ドルは買われる
豪ドル円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
米国や中国の株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは晴れ。6時に豪ドル/円のRSIで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局「ストックボイス」へのレギュラー。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
最新の豪ドル円為替レート 90.8261円
ただ、豪ドル安・米ドル高トレンドが終了したとしても、一方で豪米2年債利回り差豪ドル劣位が急ピッチで縮小することで、豪ドル高・米ドル安への大幅な動きを正当化するかと言えば、今のところは懐疑的だ。
豪米2年債利回り差豪ドル劣位拡大は、最近にかけて一巡の兆しが出てきた。豪ドル/米ドルは10月の0.61米ドルから、最近にかけて一時0.68米ドルを超えるまで反発したが、これは、豪米の「金融政策の差」を受けた豪ドル安・米ドル高トレンドの転換を試す動きと見ることもできるのではないか。
2027年3月の豪ドル円見通し。当月始値 108.39、最低 103.56、当月最高 108.39。平均 106.37。月末 105.14。変更 -3.0%。
2027年5月の豪ドル円見通し。当月始値 102.84、最低 102.67、当月最高 105.79。平均 103.88。月末 104.23。変更 1.4%。
また、2014年11月に付けた102.84円を戻り高値として、上値を切り下げて来た流れからも、上抜けた位置で推移しており、長期トレンドは“豪ドル高/円安”の流れにあります。
次に豪ドル円を構成するドル円相場を見てみましょうドル円相場は、1990年の160.35の高値から、2011年10月の75.31まで下落後、2022年10月には、160.35の高値と、147.66や125.86の高値を結んだレジスタンスを越えて、151.95まで急反発しました。
そうなると2023年もこの金利差が広がるか、それとも狭まるかで、豪ドル円相場が左右される可能性がありそうです。そこでポイントは、豪州準備銀行が今後も利上げ姿勢を続けるとして、前述の通りペース・ダウンや利上げを一時的に停止する可能性があることは注意です。一方で日銀に関しては、長らく低金利を維持してきたこと、また更に緩和を強化する方策もなく、どちらかというと2023年は、海外中銀に遅れた分、金融正常化に動き出す可能性が高そうです。そうなると豪日金利差は縮小に向かい、豪ドル円相場の上値を抑える可能性には、留意しておいた方が良いでしょう。
2026年12月の豪ドル円予想。当月始値 104.78、最低 102.63、当月最高 105.75。平均 104.34。月末 104.19。変更 -0.6%。
2027年6月の豪ドル円予想。当月始値 104.23、最低 99.58、当月最高 104.23。平均 102.29。月末 101.10。変更 -3.0%。
豪ドル/円は、リーマンショック後の2008年3月に55.57円の大底を付けており、その後2020年3月に付けた59.91円で長期的な二番底を付けて上昇トレンド入りしています。
2027年2月の豪ドル円予想。当月始値 106.24、最低 106.24、当月最高 110.02。平均 107.72。月末 108.39。変更 2.0%。
今回の豪ドル安・米ドル高トレンドをある程度説明できそうなのは、豪米2年債利回り差だ。同金利差は2021年以降、基本的に豪ドル劣位が拡大してきた(図表2参照)。2年債利回りは基本的に金融政策を反映する金利。その意味では、豪州と米国の金融政策、それは2021年以降基本的に金融引き締めに向かう動きだったが、その差が豪ドル安・米ドル高をもたらした大きな要因だったと考えられる。
3日の豪ドル円は、92.00付近で推移。
最新の豪ドル円為替レート 90.8261円。日の範囲の 90.7077 - 90.8764円。前日 90.8021円。前日比 +0.03%。
豪ドル/米ドルは、2021年2月の0.8米ドルから下落トレンドが展開してきた。このレポートを執筆している2022年12月2日の段階では、10月の0.61米ドルを豪ドル安値として、とりあえず0.6米ドル割れは回避されたまま豪ドル下落が終わった可能性も出てきた(図表1参照)。では、はたして豪ドル安・米ドル高は本当に終わったのだろうか。
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