東京市場オープニングコメント
「ドル・円は主に146円台で推移か、米追加利上げ観測後退でドル買い拡大の可能性低い」
30日のドル・円は、東京市場では145円78銭から146円51銭まで反発。欧米市場では146円54銭から145円56銭まで売られた後、146円29銭まで反発し、146円24銭で取引終了。本日31日のドル・円は主に146円台で推移か。米追加利上げ観測の後退でリスク選好的なドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。30日の米国株式市場では主要株価指数が底堅い動きを見せた。この日発表された複数の米経済指標は市場予想を下回ったが、追加利上げ観測は後退し、長期金利は伸び悩んだことが株価指数の上昇につながった。大半の市場参加者は9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の据え置きが決定されると予想しているが、11月も金利据え置きとの見方が増えている。8月31日発表の7月コアPCE価格指数と9月1日発表の8月雇用統計でインフレ緩和を示す追加材料が提供された場合、利上げ終了観測は一段と広がる可能性がある。為替については主要通貨に対するドル売りがやや強まりそうだが、日本の金融緩和策継続を想定してクロス円レートは円安方向に振れる展開もあり得る。
《午前8時現在》 ドル・円: 145.60円-146.80円 145円台半ば近辺でドル買い興味
ユーロ・円: 159.00円-160.50円 159円近辺でユーロ買い興味
豪ドル・円: 94.00円-95.30円 94円近辺で豪ドル買い興味
通貨別分析
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ドル 円は主に146円台で推移か 米追加利上げ観測後退でドル買い拡大の可能性低い
8/28の93円78銭を下値に、8/29の米7月求人件数の下振れなどを受けた米長期金利の低下や中国の景気対策を受けた株高によるリスク選好が下値支援につながりました。また、8/30発表の豪7月CPIが前年比+4.9%と市場予想を下回ったものの、米4‐6月期GDP(改定値)が速報値から下方修正されたことなどを受け対ドルでの上昇とともに95円06銭まで上昇。しかし、中国の長引く不動産不況による景気減速懸念に加え、現状4.1%の豪政策金利について、金利先物市場は9/5の政策理事会での据え置きを確実視していることから95円台での戻り売りにつながり9/1の米8月雇用統計を受けてドル円が144円45銭へ下落したことから93円台後半へ反落。その後、米8月ISM製造業景気指数が予想を上回ったことを受けてドル円の上昇にサポートされた一方、対ドルでの下落とともに94円台前半までの反発に留まる上値の重い値動きを続け94円35銭で取引を終えました。日足・雲の下限/上限(93円97銭/94円06銭)を中心に日足・基準線(93円80銭)を下値支持線として再び8/30の高値(95円06銭)を回復できるか、あるいは基準線を上値抵抗線として8/23の安値(93円23銭)、さらに8/18の安値(92円80銭)まで一段と下落するか下値メドとして注目されます。そのため、現状維持が見込まれる9/5のロウ総裁の下、最後の豪中銀政策理事会で利上げサイクルの終了を明確にするか、引き続きデータ次第として年内再利上げの可能性に言及するか焦点となります。そのほか、9/6に発表される豪4-6月期GDPや9/7発表の豪7月貿易収支に加え、同日発表の中国8月貿易収支の輸出入が7月の下振れから改善するか、中国経済に対する警戒が緩和されるか合わせて注目されます。
8/28のロンドン市場が休場の中、1.2566ドルを下値に1.2600ドルまでの小幅な値動きに留まったものの、8/29の米7月求人件数や米8月消費者信頼感指数の下振れに続き、8/30の米4-6月期GDP(改定値)が速報値から下方修正したことを受けて1.2746ドルまで上昇。しかし、日足・雲の下限(1.2724ドル)が上値抵抗線として意識される中、8/31のロンドンフィキシングに向けたドル売りとともにドル円の145円台半ばまでの下落を受けてポンド円が8/30の186円06銭から184円08銭まで下落したことに伴い1.2653ドルへ反落。さらに、9/1の米8月雇用統計の下振れにも1.2713ドルまでの反発に留まるなど、ポンド円がドル円の下落とともに183円55銭まで下落したことも上値抑制につながりました。その後発表された米8月ISM製造業景気指数が上振れたことから1.2577ドルへ反落し1.2588ドルで取引を終えたほか、ポンド円も対ドルでの上値の重さが足かせとなり184円台前半までの反発に留まり184円06銭で取引を終えました。今週も引き続き日足・雲の下限(1.2724ドル)が上値抵抗線として意識される可能性があり、8/25に付けた6/13以来の安値(1.2548ドル)を下抜けた場合、200日移動平均線(1.2415ドル)を目指して一段と調整が進む可能性に注意が必要です。今週は主な英経済指標もないことから来週9/12の英雇用統計での7月賃金上昇率や9/13発表の英7月の月次GDPや鉱工業生産を受けて英中銀の利上げ継続観測が維持されるか見極めたいとして1.2500ドルから1.2800ドルをコアレンジとして戻り売り優勢の値動きが継続されると見込まれます。また、ポンド円は8/22に付けた2015年11月以来の高値(186円77銭)から伸び悩んでおり、日足・転換線(185円06銭)を回復し186円77銭を目指して上昇に転じることが出来るか注目されます。一方、8/25の安値(183円36銭)を下抜けた場合、日足・基準線(181円54銭)を目指して一段と調整売りが続く可能性に注意が必要です。
8/28の7円82銭を下値に中国政府による市場活性化策の発表を受けて上海株の反発を好感し南ア全株指数も反発したことに加え、8/29には米長期金利の低下とともに対ドルでの上昇とともに7円94銭まで上昇。しかし、8/30発表の南ア7月の民間部門信用供与が前年比+5.87%と6月(+6.25%)から鈍化し、市場予想を下回ったことに加え、7月の財政収支が-1,437.6億ランドの赤字と、6月(366.0億ランドの黒字)から悪化したことなどを受け7円82銭へ下落。さらに、8/31発表の7月貿易収支が159.6億ランドと6月(-35.4億ランド)から黒字を回復したものの、9/1の米8月雇用統計を前に対ドルで8/22以来の18.94ランドまで下落したことから7円68銭へ下落。その後、9/1の米8月雇用統計が下振れた一方、米8月ISM製造業景気指数が予想を上回ったことを受けたドル円の146円台への反発とともに7円77銭へ反発し7円76銭で取引を終えました。FRBの年内利上げ観測の後退、あるいは少なくともあと1回利上げに留まるとの観測を背景に新興国からの資金流出懸念が緩和。加えて、中国の景気対策への期待継続や南アの期待インフレ率の低下を背景にして実質金利の上昇が下値支援につながる中、日足・基準線(7円78銭)や雲の上限(7円80銭)を回復し8/29の高値(7円94銭)を回復出来るか上値メドとして注目されます。一方、雲の上限や基準線が上値抵抗線として8月15日の安値(7円55銭)を目指すことになるか下値メドとして注目されます。そのため、9/5発表の南ア4-6月期GDPや9/6発表の7-9月期企業信頼感指数、9/7の7-9月期消費者信頼感指数や4‐6月期経常収支に加え、9/7に発表される南ア最大の貿易相手国である中国8月貿易収支を受けて景気減速懸念が緩和されるか合わせて注目されます。
中国経済の減速懸念に対する欧州経済への悪影響が上値を抑制したものの、米7月求人件数や米8月消費者信頼感指数、さらに米8月ADP雇用統計が市場予想を下回ったほか、米4‐6月期GDP(改定値)が速報値から下方修正。一方、ドイツ最大のノルトライン・ウェストファーレン州の8月消費者物価指数(CPI)が7月から上昇したほか、ドイツCPIも市場予想を上回ったことから8/30には1.0945ドルまで上昇したほか、ユーロ円も2008年8月以来の159円76銭まで上昇。また、8/31発表のユーロ圏8月CPIもサービス価格やエネルギー及び食料品を除くコア指数(前年比)が7月から鈍化したことを受けて9月ECB理事会での利上げ継続に懐疑的な見方が台頭。また、9/1の米8月雇用統計を受けてドル円の下落とともにユーロ円も157円06銭まで下落したほか、対ドルでの反発も1.0882ドルまでに留まる上値の重い値動きを継続。その後の米8月ISM製造業景気指数が予想を上回ったことを受けたドル買い戻しとともに1.0772ドルへ下落し1.0778ドルで取引を終えたほか、ユーロ円も157円59銭で取引を終えました。週足は7週連続で陰線引けとなったほか、週足・基準線(1.0896ドル)を3週連続で下回る軟調な値動きを継続。さらに、200日移動平均線(1.0816ドル)を下回ったことから8/25の安値(1.0766ドル)を下抜けると、5/31の安値(1.0635ドル)を目指して一段安となる可能性に注意が必要です。そのため、9/5発表のユーロ圏7月卸売物価指数や9/7発表の小売売上高などの指標に加え、9/4のラガルドECB総裁の発言を受けて来週9/14のECB理事会での利上げ見送り観測が高まるかユーロの方向性を左右する要因として注目されます。また、ユーロ円は8/30の159円76銭から9/1の157円06銭まで急落した影響のほか、日足・転換線(158円32銭)を下回って先週末の取引を終えたことからこの水準を回復出来るか上値メドとして注目されます。また、8/10以降から続く158円50銭を中心に概ね1円50銭程度の上下動を繰り返しており、こうした水準から上下いずれに放れるか注目されます。対ドルで一段と下振れ、8/23の安値(156円87銭)を下抜けた場合、8/3の安値(155円54銭)までの調整の可能性に注意が必要です。
「ドル・円は主に146円台で推移か、米追加利上げ観測後退でドル買い拡大の可能性低い」
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