中南米通貨全般にドル安に押されるも、レアル安から動き抑えられる=メキシコペソ
30日の中南米通貨は米指標の弱さを受けたドル売りにしっかりの展開となった。しかしブラジルレアルが実質雇用者数の伸び鈍化やIGP-MI物価指数の予想に反したマイナスなどをうけて対ドルでも売りが出たことで、中南米通貨全般の対ドルでの買いが抑えられる形となった。
ドルメキシコペソは16.80前後で推移していた東京市場からロンドン朝にかけての水準から16.72台まで下げたものの、動きはそこまでその後は16.75を挟んでの振幅。
対円ではドル円の上昇に8円74銭台を付けた後、米指標の弱さにドル円が145円50銭台を付ける中で8円68銭台を付けたが、その後8円73銭台まで買い戻しが入っている。
MXNJPY 8.723
(配信:みんかぶFx 2023/8/31(木) 7:22)
ドル人民元は7.28台前半、PMIは強めに出て元買い=中国人民元
10時半に発表された製造業、非製造業購買担当者景気指数(PMI)は、ともに市場予想を上回る強めのものなった。ドル人民元は寄り付きからやや元高、オフショア人民元は朝の7.30台前半から少し下げて発表を迎え、7.2860台までドル安元高。
USDCNY 7.2862 USDCNH 7.2881
(配信:みんかぶFx 2023/8/31(木) 10:40)
一時のクローナ安一服=スウェーデンクローナ
29日のスウェーデン4-6月期GDPのマイナス成長などを受けて、収まらない物価高と合わせてのスタグフレーション懸念が売りを誘ったクローナ。直近のドル安基調に一時のクローナ安が一服している。ドルクローナはGDP後の11.02から昨日10.78を付けた。
USDSEK 10.841
(配信:みんかぶFx 2023/8/31(木) 11:15)
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FX 為替 中南米通貨全般にドル安に押されるも
94年以降のマルクに対する他の欧州主要通貨の動きを見ると,94年中は,ドイツの公定歩合の引下げ( 2月,4月,5月)やヨーロッパ内でのインブレ率の収斂もあって,ほぼ安定した動きを見せていた。しかし,95年に入ると,①メキシコ通貨危機を契機とするドル安,②イギリス,イタリア,スペインの政局やフランス大統領選挙見通しの不透明感,を受けて投資家がマルク買いに動き,欧州の主要通貨はマルクに対し,急落した。この結果,95年3月6日にスペインとポルトガルがERM(為替相場メカニズム)加盟通貨との中心相場をそれぞれ7%,3.5%切り下げた。また,フランス,ベルギー,デンマーク,アイルランドは,自国通貨防衛のために金利を引き上げた。3月末にはドイツが公定歩合を引き下げたため,欧州通貨はマルクに対しても若干上昇し,その後,9月中旬まで安定的に推移した。しかし,ドイツ蔵相の通貨統合に否定的な発言を契機として9月下旬から10月にかけて再び,欧州通貨は対マルクなどで下落した(第1-5-2図)。
95年7月以降のドルの回復については,ファンダメンタルズから離した95年前半のドル安からの「秩序ある反転(orderly reversal)」過程にあると考えられる。この為替相場の流れを後押しした要因として,①日米欧の効果的なドル買い協調介入もあって,市場のドル下落予想が後退したこと,②ドイツ,日本において,マルク高・円高の景気への悪影響の懸念から利下げ観測が台頭したこと,が挙げられる。このほか,③95年5月以降,アメリカにおいて議会が中心となって財政均衡化への取り組みが進展してきたことや,④8月上旬に日本政府が機関投資家などによる海外投融資の促進などを柱とする円高是正策を打ち出したことも,市場のドル買いを促す効果を持ったものと考えられる。
94年末に発生したメキシコ通貨危機の影響は,95年1月中旬にアジア通貨にも及んだが,その影響は軽微で,動揺は短期間のうちに収束した。1月中旬にタイ・バーツ,フィリピン・ペソ,香港ドル,インドネシア・ルピアなどを中心にアジア通貨が売られ,多くのアジア諸国の通貨は,ドルに対し通貨危機発生前と比較して,一時的に0.1~4%程度減価した(ただし,中国,シンガポール,インドの為替レートは全く変化しなかった)。タイやフィリピンなどASEAN諸国では,中央銀行によって,金利の引上げが行われたことに加えて,ドル売り市場介入が行われたものと推測される。にもかかわらず,結局はアジア各国・地域の総合的に見て良好な経済ファンダメンタルズが適切に評価されるようになったため,アジア通貨の売り圧力は短期間のうちに収まった。
この間中南米通貨は,アジア通貨とは対照的に,円に対してもドルに対しても大幅に減価した。
アジア通貨の為替制度は,国によって異なる(第1-5-4表)。しかし,アジア通貨の対円・対ドルでの動向は,通貨当局の政策的意図の他に,物価上昇率の格差,経常収支と資本収支の動向に影響されると考えられる。物価上昇率が相対的に高い国,経常収支が赤字の国の通貨には減価圧力が,資本流入が大幅な国の通貨には増価圧力が働くと考えられるからだ。
円がドルに対して大幅に増価(94年末~95年6月末で17.0%の増価)した95年前半におけるアジア通貨の動向を,中南米のブラジルとメキシコの通貨動向と比較してみよう。ここでは,アジア通貨として,アジアNIEs,ASEAN,中国,インドの通貨をとりあげている(第1-5-3図)。95年前半の半年間にアジア通貨は,円に対して10~20%程度と大幅に減価した。一方,ドルに対しては,減価した通貨(インドネシア,フィリピン)もあるものの,ほぼ横ばい(香港(対ドル・ペッグ),インド)もしくは2~7%程度増価(マレイシア,韓国,シンガポール,中国,台湾,タイ)した通貨が多く,総じてみると対ドルではやや強含みの動きとなった。
日本においては,94年前半は,外国人投資家が大幅に買い越したこと,企業業績の回復が期待されたことなどから,株価は堅調に推移したが,後半は,円高の企業業績に与える影響が懸念されたことなどから,伸び悩んだ。95年に入り,円高とそれに伴う企業業績の悪化懸念及び金融機関の不良債権問題などから下落し,7月には,日経平均株価は,一時92年の最安値を下回った。しかし,その後は,累次の経済対策の取り組みのほか,金利の低下や為替相場の円高是正を背景に株価も上昇に転じ,9月時点までおおむね上昇基調を継続している。10月には,ほぼ横ばいで推移している。
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