【見通し】NY株見通しー8月生産者物価指数などの経済指標に注目

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【見通し】NY株見通しー8月生産者物価指数などの経済指標に注目

今晩は経済指標に注目。昨日は米8月消費者物価指数(CPI)とコアCPIがほぼ市場予想通りの結果となり、無難にCPIを通過したとの見方からダウ平均は序盤買い優勢となった。ただ3Mなど景気敏感株が売られ、70.46ドル安(-0.20%)で取引を終了した。一方、米長期金利の低下を好感し、アルファベットなど主力ハイテク株に買いが入り、S&P500が0.12%高、ナスダック総合は0.29%高となった。

 今晩の取引ではインフレの動向を確認する上で、寄り前に発表される8月生産者物価指数(PPI)に注目が集まる。8月PPIの市場予想は前年同月比+1.2%と7月分の+0.8%から伸びが加速する一方、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIは前年比+2.2%と7月の+2.4%から鈍化が見込まれている。PPIとコアPPI、さらに8月小売売上高が市場予想(前月比+0.2%)を下回れば、利上げ打ち止めへの期待が高まりそうだ。米長期金利の低下を背景にリスク選好ムードが強まり、ハイテク株を中心に買いが広がると予想する。

 今晩の米経済指標・イベントは8月生産者物価指数(PPI)のほか、8月小売売上高、新規失業保険申請件数など。主要な企業の決算発表は、引け後にレナー、アドビなどが発表予定。

(執筆:9月14日、14:00)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

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ただし 4~6月期の見通しは不透明だ

2022年の直近1~3月期の実質GDP成長率は年率換算で前期比マイナス1.6%と、2021年10~12月期のプラス6.9%から一転し、7四半期ぶりのマイナス成長となった。ただし、国内需要を賄うための輸入急増(18.9%増)によるマイナス寄与が最も大きく、消費は1.8%増、民間設備投資10.0%増と主要項目は堅調で、見た目ほど悪くない内容だった。ただし、4~6月期の見通しは不透明だ。個別の統計を見ると、5月の小売売上高は前月比マイナス0.3%、鉱工業生産はほぼ横ばいと弱さが見られ、先行する経済指標を基に独自に予測値を公表しているアトランタ連邦準備銀行のGDPナウによると、4~6月期の成長率は前期比マイナス2.1%と2期連続のマイナス成長を予測している。米国では、景気判断について民間非営利機関の全米経済研究所(NBER)が各種の指標から事後的に判断しているが、2期連続のマイナス成長は簡便かつ即時的に「テクニカル・リセッション」と一般に見なされ、事後的にも景気後退に陥ったと認定されることが多い。7月以降の先行きを見ても、代表的な景気先行指標である、企業の購買担当者らの景況感を集計した総合PMI(Purchasing Manager's Index)は6月に52.3ポイントと、2020年から続く新型コロナ禍からの回復期で2番目に低い水準となっており、好不況の分かれ目となる50ポイントの水準に近付いている。また、米国ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスの世論調査によると、回答者の64%が「経済状況が悪化している」とするなど、実際の生活でも人々は景気悪化を感じ始めているようだ。

物価高抑制を急ぐFRBだが、今後の見通しには不透明な部分が大きい。エネルギーや食料価格の高騰は総じて、ウクライナ情勢の長期化という世界的な地政学要因が大きいことに加え、自動車部品や半導体などの供給網混乱にはFRBの金融政策が影響を及ぼし得るところは少ない。住宅価格など資産価格については、金利水準のコントロールによって直接的に金融政策が影響を及ぼし得る部分であり、前述の住宅ローン金利の急上昇で住宅販売件数などが顕著に減少してきている。しかし、住宅価格については、材料費高などを背景にいまだ上昇しており、5月の新築住宅平均価格は前年同月比で15%上昇した。消費者物価の構成の約3割を占める賃料など住宅費は、こうした新築住宅平均価格にタイムラグを伴って連動する傾向が強いが、新築住宅平均価格高騰が続く現在、賃料など住宅費の上昇基調もしばらく続く可能性が高い。

また、今回のCPIがFRBの政策金利見通しに大きく影響するような内容ではないとの見方が強いため、2年債利回りや10年債利回りも低下した。

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