シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング3週連続大きく減少
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットロングほぼ横ばい
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート僅かに増加】
9月12日時点で円のポジションは、ドルに対して9.9万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに小幅に増加したが、ショートの積み増し度合いがやや優勢だったことから、ネットショートは前週から約0.2万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、「ドル先高期待」から一時年初来高値を更新するなど147円台後半で推移していたが、期間後半に入ると日銀による金融政策正常化観測が浮上したことで145.90円前後まで下落する場面も見られた。
円高、ドル高(円安)の双方に思惑が出たことで、投機筋はロング・ショートともにポジションを積み上げたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング3週連続大きく減少】
9月12日時点でユーロのポジションは、ドルに対して11.3枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に取り崩されたため、ネットロングは前週から約2.3万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏の成長見通しが下方修正されたことなどから一時約3カ月ぶり安値となる1.06ドル台後半まで下落した。その後、欧州中銀(ECB)が追加利上げを行うとの見方が広がったことで1.07ドル台半ばまで買い戻されたが上値は重かった。
ECBの利上げ終了が間近に迫る中でユーロ圏の景気減速不安からユーロロングを閉じる投機筋の動きがユーロ売りの一因となったようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロングほぼ横ばい】
9月12日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング、ショートが同程度積み増されたため、ネットロングは前週から変わらず。
期間中のポンド/ドル相場は、ベイリー英中銀(BOE)総裁が利上げサイクルの終了が近いことを示唆したことなどから一時約3ヶ月ぶりとなる1.24ドル台半ばまで下落したが、他の金融政策委員が追加利上げを支持する考えを示したことで下げ渋った。
これまでタカ派だったBOEの政策立案者内で意見が割れ始めていることから、投機筋はポンドポジションを大きく一方に傾けることを避けたようだ。
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IMMポジション
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。
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大口投資家の動向は 円ネットショートは僅かに増加 最新ポジション
サマリー: 今回の記事では、米国CFTCとICE Exchange Europeによる最新の建玉明細(COT)報告(3月15日までの1週間が対象)の中から、コモディティ市場、外為市場、金融先物市場でヘッジファンドが実行した先物のポジションと変化に注目します。この1週間は、ウクライナからの悪材料が相次ぐ中にもかかわらず、リスク選好がやや回復しました。米国債利回りがFOMC会合を前に急上昇した一方、コモディティでは、大半のセクターが売られ、Bloomberg Spot Indexは前週からの11%の上昇分がほぼ解消しました。
IMM [International Monetary Market of Chicago Mercantile Exchange]IMMポジションとはシカゴ・マーカンタイル取引所の国際通貨先物市場に上場されている通貨の建玉明細のことです。各取引所は米商品先物取引委員会(CFTC)に毎週火曜日の取引終了時点の建玉明細を報告します。CFTCは各取引所の建玉明細を集計し、当該週の金曜日の取引終了後にHP上で公表します。建玉明細の大口玉は報告義務があり、投機玉と商業玉に分かれ、特に、市場参加者は投機玉の建玉明細に注目します。建玉明細は買いの建玉-売りの建玉で計算され、プラスであれば、ポジションはロング、マイナスであれば、ポジションはショートとなります。例えば、円の買い建玉が 60,000枚で、円の売り建玉が50,000枚とすると、円ロングの10,000枚となります。(60,000-50,000)=+10,000この例ですと、円のポジションが10,000枚ロングに偏っていると把握できます。多くの市場参加者は、この数字を市場全体における投機筋が保有しているポジションの縮図と推測しています。このポジションの偏りを把握することにより、市場参加者は次の三つの推測をします。
このように、海外生産の拡大と矛盾なく、国内での生産拠点の維持・強化が進んでいる。国内の生産拠点では、最新技術や高付加価値品の生産が行われ、海外では、現地市場向けの生産が行われるという棲み分けが行われており、国内拠点はマザー工場として世界に技術を発信する役割も重要となっている。
【円ネットショート僅かに増加】9月12日時点で円のポジションは、ドルに対して9.9万枚の売り越し(ネットショート)。ロング・ショートともに小幅に増加したが、ショートの積み増し度合いがやや優勢だったことから、ネットショートは前週から約0.2万枚増加した。期間中のドル/円相場は、「ドル先高期待」から一時年初来高値を更新するなど147円台後半で推移していたが、期間後半に入ると日銀による金融政策正常化観測が浮上したことで145.90円前後まで下落する場面も見られた。円高、ドル高(円安)の双方に思惑が出たことで、投機筋はロング・ショートともにポジションを積み上げたようだ。
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