ドル円 高値圏でのもみ合い続く
今週初めのドル円は日本政府・日銀による為替介入への警戒感がくすぶる中、149円台半ばでスタートしました。
16日(月)は149.50円を挟んだ水準で方向感に乏しい動きとなりました。
17日(火)に日銀が物価見通しを上方修正する見込みとの報道が伝わると円を買う動きが強まり、ドル円は148円台後半まで急落しましたが、円買いは一時的なものとなりすぐに円が売り戻されました。
その後、米9月小売売上高が発表されると予想を大幅に上回る結果を受けてドル買いが強まり、ドル円は149円台後半へと持ち直しましたが、為替介入への警戒感から150円手前で伸び悩みました。
18日(水)以降は一時ドル売りが強まって下押しする場面がありながらも、方向感に乏しい動きが続きました。
19日(木)深夜にはパウエルFRB議長の「追加の引き締めが正当化される可能性がある」との発言が伝わりましたが、政策決定について「不確実性やリスクを踏まえ慎重に進んでいる」との発言もあり、市場では年内の利上げ観測が後退しました。
今週のドル円は日銀が物価見通しを上方修正する見込みとの報道を受けて一時急落する場面もありましたが、米利上げ観測と日本政府・日銀による為替介入への警戒感が交錯し、方向感を見出しづらい展開となりました。
9月米小売売上高が予想を大きく上回るなど、米指標は好調な結果が目立ちましたが、市場ではFRBの利上げに慎重な姿勢を受けて年内の利上げ観測が後退しています。
来週はインフレ指標として注目される米9月個人消費支出(PCE)などが発表されます。
再来週に米FOMCを控えて来週はFRB関係者が金融政策に関する発言を禁じられるブラックアウト期間となり、米指標への注目度が一段と高まることが予想されます。
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ドル円相場10 16週振り返り 高値圏でのもみ合い続く
仮に、米国景気の減速を示唆する経済指標が増えてくれば、市場は、アメリカの利上げが近いうちに終了することを意識するでしょう。その場合、過去5回の利上げ停止前後の米10年金利の動きを振り返ると、過去の米10年金利は、米利上げ停止前か利上げ停止から1か月程度でピークをつけています。 昨年からのドル円は、米10年金利との相関が高いため、米10年金利が低下すれば、ドル安円高要因でしょう。
5月の米雇用統計などから、ドル円の見通しを考えてみましょう。結論からいえば、当面のドル円は、140円台前後で高下すると予想します。6月中旬には、日米欧の金融政策決定会合が控えています。アメリカの中央銀行が7月までには追加利上げするとの見方がドルの上昇要因になる一方で、日銀が10年金利目標を修正することへの警戒感が円高要因となり、綱引きになると考えるためです。
6月の米雇用統計などから、ドル円の見通しを考えてみましょう。結論からいえば、当面のドル円は、円安方向の上限を試した後、7月26日から28日に集中する米欧日の金融政策次第となるでしょう。市場は、アメリカの中央銀行と欧州中央銀行が0.25%の追加利上げを実施することをほぼ織り込んでいます。一方で、円10年国債金利は0.4%台であり、日銀が10年金利目標を修正することは、市場コンセンサスではないでしょう。日銀が10年金利目標を修正するか否かが、8月以降のドル円を左右すると考えており、日銀の政策修正があった場合の円高リスクを警戒します。
ただし、過去の米利下げ局面では、利下げ開始の前に投機筋の米ドル買い円売りポジションは解消される(米ドル売り、円買いが起きる)傾向があります。タイミング的には、利下げの3ヶ月から半年程度前から本格化しました。
また、ドル円は、チャート上の節目となる200日移動平均水準の137円台を上回ったため、円安の流れに拍車がかかったとみられます。200日移動平均線は、ドル円の当面の下値サポートラインになるでしょう。
ただし、今後さらに円安が進めば、日本政府が円買い介入を実施する可能性は高いと考えます。神田財務官は、4日に、為替介入の有無にノーコメントとしたうえ、「年初来からだとドル円は20円以上の値幅がある。そういったことも一つの要素だ」、「一方的な動きが積み重なって一定期間に非常に大きな動きがあった場合は過度な変動にあたりうる」と述べました。これまで、日本政府高官は、一方向的で、過度な値動きがあれば、為替介入を検討するとコメントしていました。もっとも、神田財務官の発言は、過度な変動を判断する時間軸は、短期間だけでなく、半年から1年程度の長期的な観点も含まれると受け止められます。
8月の米雇用統計などから、ドル円の見通しを考えてみましょう。結論からいえば、当面のドル円は円安基調が続くと想定しますが、米国景気の減速感が確認されれば、ドル安円高方向に変わっていくと予想します。
ドル円相場について、市場では為替介入が実施されたとの思惑もみられますが、鈴木俊一財務相が為替介入の判断として10月3日に言及したボラティリティ(変動率)は、昨日それほど上昇していませんでした(図表2)。また、神田真人財務官は4日、「介入の有無はコメントを控える」と述べており、為替介入が行われたか否かの確認は、今月末に財務省が発表する「外国為替平衡操作の実施状況」を待つことになります。
その7月27・28日の日銀金融政策決定会合は、長短金利操作目標を柔軟に運用することを決定しました。7月28日のドル円相場は、日銀会合の結果発表後に、138円程度から141円程度まで3円程度乱高下しました。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、投機筋のドル買い円売りのポジションは、95億ドル程度にじりじりと拡大しています。2007年の円売りポジションの最大額は、191億ドルであり、円売りの拡大余地はありそうです。
とはいえ、今後のドル円は、5月FOMC後の、米金利の上下に左右されると考えます。米金利市場は、アメリカの中央銀行が5月にも利上げを停止した後、今年後半には利下げに転換するとの見方を変えていません。
2023年6月以降のドル円は、138円台から一時145円台まで円安に動きました。しかし、7月に入ると、1ドル145円近辺は政府が昨年に円買い介入した水準であること、7月日銀会合での政策修正観測が高まったこと、などから、138円台まで円高方向に押し戻されています。ドル円は、チャート上の節目である200日移動平均水準の137円台前半を割り込むかが重要なポイントになるでしょう。
投機筋のポジションは、ユーロ買い、米ドル売りに傾いています。今後、利益確定の反対売買があると想定すれば、ユーロ売り要因となるため、注意が必要です。
当面のドル円は、140円前後で高下すると予想します。 しかし、ドル円が円高方向に大きく振れる要因もあります。
また、4月最終週から続いた日銀会合、FOMC、米雇用統計などの大きなイベントを通過して、ドル円の予想変動率は、今後、低下すると予想します。その場合、日本円よりも金利が高い米ドルを買う要因になるでしょう。
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