ドル・円は伸び悩みか、ドル買い継続も150円付近の売りで

FXブログ
ドル・円は伸び悩みか、ドル買い継続も150円付近の売りで

f:id:okinawa-support:20190820183959j:plain

欧米市場オープニングコメント

「ドル・円は伸び悩みか、ドル買い継続も150円付近の売りで」
 23日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米金融引き締め政策長期化の観測や中東情勢の不安定化により、ドル選好地合いが続く見通し。ただ、150円台が意識され、大台付近の売りがドルの重石となりそうだ。
 前週末は一段の米金利高は抑制されたものの、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派姿勢を背景としたドル買いが先行。ユーロ・ドルは1.06ドル付近で伸び悩み、ドル・円は150円に迫った。一方、イスラエルとイスラム組織ハマスが地上戦に突入すれば事態の悪化は避けられず、リスクオフの流れに。週明けアジア市場は同様の地合いが続き、アジア株安を背景とした円買いがドルの上値を抑えている。この後の海外市場は米金利にらみの展開。FRBの年内利上げ観測は後退しつつあるものの、タカ派姿勢を堅持しており、長期金利の高止まりならドル買いに振れやすい地合いに。今週発表の7-9月期国内総生産(GDP)は4-6月期を大きく上回る見通しで、引き締め政策を後押しする材料として意識される。半面、日本政府は昨年同時期と同様、150円台で為替介入に踏み切るとの観測からドルは高値圏の売りが重石になるとみる。

通貨別分析

 

重要事項(ディスクレーマー)

■株式会社フィスコ(以下「フィスコ」という)は株価情報および指数情報の利用について東京証券取引所・大阪取引所・日本経済新聞社の承諾のもと提供しています。
■”JASDAQ INDEX” の指数値及び商標は、株式会社東京証券取引所の知的財産であり一切の権利は同社に帰属します。
■掲載される情報はフィスコが信頼できると判断した情報源をもとにフィスコが作成・表示したものですが、その内容および情報の正確性、完全性、適時性について、フィスコは保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
■本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告無く変更する場合があります。
■本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はフィスコに帰属し、事前にフィスコへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。
■フィスコが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
■本資料に掲載される株式、投資信託、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。
■本資料は、本資料により投資された資金がその価値を維持または増大することを保証するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客さまに何らかの損害が発生した場合でも、フィスコは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
■フィスコおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。
■投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようにお願いします。
以上の点をご了承の上、ご利用ください。

株式会社フィスコ

 
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル ドル・円は伸び悩みか、ドル買い継続も150円付近の売りで

これはドル安・円高圧力になる

こうしたなか、日本の財務省高官が足元の円安・ドル高に対して警戒感を示したことを背景に、為替介入が意識される相場展開となっている。

では、どのような場合に当局は警戒度合いを強めるのだろうか。図表3の発言例をみると、当局は「一方的で急速な円安」や「過度の変動」など、為替の変動「スピード」を介入実施要件の1つとしている可能性が高い。2022年の介入時をみると、ドル円相場は介入直前の安値から38日間で+9.5%上昇しており、安値から58日後の+8.2%の水準で介入に踏み切っている。単純に今回の例に当てはめると、直近安値から+8.2%の水準は1ドル=150円前後だ。7月中に1ドル=150円前後をつければ、為替介入に踏み切る可能性がある。

筆者は、今後、為替介入が実施されて、1ドル150円前後の水準から一旦140円を割るところまで円高方向の修正が起こるとみる。問題は、その後で金融緩和の方針に修正が着いてくるかどうかである。9月9日の読売新聞での植田総裁のインタビューは、年内利上げに言及する刺激的なものだった。しかし、9月22日の定例会見ではそれをあっさりと否定する。それもあって、返って円安が進んでしまった。

「スピード」と「水準」を考慮し、7月中に1ドル=150円台に上昇すれば、介入実施への警戒感が一段と高まろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は149円63銭から149円98銭、ユーロ・円は158円33銭から158円86銭、ユーロ・ドルは1.0568ドルから1.0595ドル。

欧州市場でドル・円は節目の150円に接近しながらも伸び悩み、149円90銭付近にやや値を下げた。リスクオフのムードによるドル買いと円買いは一服し、ユーロや豪ドルなど主要通貨はドル、円に対し底堅い。ただ、欧州株安で円売りは抑制されている。

2022年10月に一時1ドル=150円台の高値をつけたドル円相場は、その後2022年末~2023年初にかけて1ドル=120円台まで反落した。しかしその後は、円安・ドル高が再度進行し、足元では1ドル=145円近辺と、2022年の高値を伺う展開となっている。

多くの人は、2022年10月中旬からの変化を思い出して、同じような相場展開になりそうだと、推論をしている。2023年10月から2024年前半までに似たストーリー展開だと暗に思っているだろう。簡単に、2022年10月のドル円の動きを復習してみよう(図表)。政府は、9月22日、10月21・24日の3回に亘って、為替介入を実施した。21・24日は、金曜日と月曜日で、2営業日連続である。累計9.1兆円という巨大介入である。この21・24日で円安はピークアウトした。

国内マネーは、円高になったタイミングで再び円安に戻っていくという予想に基づき、ドル投資に動きやすい。筆者は、「円高になれば外貨投資を増やす」という圧力が非常に強いと感じる。つまり、潜在的な円売り・ドル買いの圧力は強いという見方である。

基本的に、この2つのシナリオが想定される。そのほかの焦点は米経済である。米利上げが長期化すると、2024年中のどこかで景気がスローダウンし、長期金利は低下するだろう。これはドル安・円高圧力になる。こうした景気減速感が鮮明になれば、解散総選挙を意識して日銀が緩和を現状維持していたとしても、円安圧力は後退していく。いずれにしても、1ドル150円台前半は円安のピークになり、解散総選挙の思惑によって日銀の出口戦略も変わっていくというのが今後のストーリー展開になるだろう。

年内総選挙の場合、1ドル150円が円安のピークになり、日銀が2024年初から出口戦略に着手して、1ドル120~130円の円高水準で推移するだろう。筆者は、植田総裁がマイナス金利解除後は利上げを継続せず、0.1%程度をしばらく維持すると説明すると予想するので、いずれにしろ大幅な円高にならないと予想している。

今後、日銀の会合は10月30・31日、12月18・19日の年内2回が残されている。そこで改めて、政策修正を意識させる発言が飛び出せば、ドル円レートは昨年と同じように130円台前半まで修正されるだろう。

仮に為替介入を実施した場合、短期的には円高圧力となるだろうが、円安・ドル高基調を転換する材料にはならないと予想している。為替相場は、金利差などファンダメンタルズによって決定されるものであり、為替介入のような一過性の政策対応は一時的な影響にとどまると考えているためである。2022年の介入後、ドル円相場は円高・ドル安基調に転換したが、これは介入効果によるものではなく、米国のインフレ鈍化やそれに対するFRBの利上げ観測の後退によるものであると判断している。

また、当局は為替の変動「スピード」だけでなく、為替の「水準」にも注目している可能性が高い。図表4をみると、2022年前半にドル円は24日間で+8.0%の上昇を記録した局面がある。これは介入を行う直前の上昇率と比較してもそん色ないドル円の上げ幅だが、当時は為替介入を示唆する発言はなかった。理由の一つとして、高値を警戒するドル円の水準ではなかったことが考えられ、2022年に為替介入を実施した1ドル=140円台後半~150円近辺が介入目途として意識される。

もっとも、為替介入を実施した場合でも、円安基調が継続するとは考えていない。ドル円相場は、為替介入の有無に関わらず、年末にかけて緩やかな円高・ドル安に転じると見込んでいる。①2022年来の米国の利上げが景気を冷やし、米国は景気後退に陥るとみていること、②そうしたなかで、米利上げが一服し、利下げ観測が高まりやすいこと、等が円高・ドル安に転じる要因になると予想している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました