ガソリン価格調査 効果不明と指摘

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ガソリン価格調査 効果不明と指摘
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ガソリン価格調査 効果不明と指摘

既存の物価高対策の延長については、前述したように足元の原油価格・円安進展等を踏まえれば(少なくとも短期的には)避けられない面があるもの、前述したように高所得者まで恩恵が及ぶ格好となっており、政策としての費用対効果は低いと言わざるを得ない。生活必需品を中心とした価格上昇で特に生活がひっ迫しているのは低所得者であり、そこに的を絞って重点的に支援を行うのが本来望ましいと筆者は考えている。兆円単位でエネルギー価格抑制のための補助金をいつまでも投入し続けることは現実的ではなく、(低所得者に対する手当ては別途に行った上で)ガソリン補助金は徐々に縮小させ、消費需要をガソリンからEV・省エネ製品にシフトさせる方がグリーン化の推進にもつながり、それこそが本来あるべき「出口戦略」であろう。政府も今回の経済対策において企業や家庭における省エネの促進、再エネ支援、原子力の活用等を通じた「エネルギーコスト上昇に対する経済社会の耐性の強化」を掲げており、これらの取組みの着実な推進に期待したい。

さらに、2023年1月〜5月までは上限額をゆるやかに調整し、35円から25円まで毎月2円ずつ引き下げ。その後、2023年6月からも段階的な縮減を実施し、本来であれば2023年9月末に終了する予定だった。なお、この時期のガソリン価格高騰は、こうした補助金の縮小も影響しているといわれている。

なかなか出口が見えないガソリン価格の問題だが、いずれにしろ、バイクやクルマに乗る多くのユーザーへ大きな影響を与えるだけに、一日でも早い解決策や、我々が納得できる値段への沈静化を望みたい。

今回の物価高対応策により、(政策の是非自体は別にして)相応の消費者物価の下押し効果と、家計の支出負担軽減効果が見込まれる。

以上が、ガソリン補助金の概要だが、問題点も指摘されている。それは、例えば、「財政の負担増」だ。国からの補助金だといっても、結局は税金から出されているため、そのコストを最終的に負担するのは、我々ユーザー。つまり、本当の意味で助かっていないということだ。

これまでに実施されてきた激変緩和措置による効果も含めて通年でみた効果を試算すると、2023年度のコアCPIは燃料油価格抑制で▲0.43%Pt程度、電気・ガス価格抑制で▲0.78%Pt程度、あわせて▲1.21%Pt程度の押し下げ効果がある計算だ(図表7)。後述のとおり政策自体の是非については議論の余地があるものの、物価の押し下げ効果としては相応に大きいものとなる。

特に関心が集まっているのが①物価高対策であり、図表1のとおり財政支出・事業規模いずれでみてもウェイトが大きく、今回の経済対策の柱の中心と言えるだろう。物価高を受けて実質賃金は17カ月連続で前年比マイナスとなっており(8月確報時点で前年比▲2.8%)、生活防衛意識・節約志向の高まりが個人消費を下押しする構図が続いている。日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」における家計の暮らし向き判断DIは▲54.3と2009年10~12月期以来の水準まで悪化しており(図表2)、景気拡大局面では異例の低水準と言える。さらに、足元の原油高・円安は年末以降の電気・ガス代の押し上げ要因になることが見込まれる(図表3)。仮に2024年の春闘賃上げ率が2023年並の高水準になったとしても、実質賃金の前年比マイナスは2024年度前半までは続く可能性が高く、引き続き物価高が個人消費の重石になることは避けられない。今回の経済対策においてガソリンなど燃料油価格や電気・ガス価格の激変緩和措置が来年4月末まで延長される方針だが、後述するようにこれらの施策自体の是非には議論の余地があるものの、目先の物価高に迅速に対応する観点からは(政治的にも)やむを得ない面があるだろう(例えばガソリン価格については、WTI原油価格が1バレル=90ドル程度、為替が1ドル=150円程度で推移する場合、補助金を打ち切ってしまうとレギュラーガソリン価格が1リットル当たり210円程度まで上昇してしまう計算となり、自動車利用が必須である地方の家計を中心に大きな影響が生じてしまう)。

確かに、これも先述の通り、2023年9月19日時点のレギュラーガソリン全国平均価格は182.0円/Lとなり、9月4日時点の186.5円/Lと比べると、徐々に価格は落ちてきている。なお、政府では、2023年10月中には175円/L程度の水準になることを目指す方針だ。

そのほか、国土強靭化、防災・減災関連等の公共事業が2024年度GDPを+0.5%程度、国内投資支援を受けた設備投資増加が2024年度GDPを+0.1%押し上げると見込んだ。公共事業の進捗や設備投資の実行に関するタイムラグを踏まえると、2024年半ば頃に本格的な効果発現が見込まれるだろう(ただし、建設現場における人手不足で公共事業の進捗が後ずれした場合等には経済効果が本稿の試算を下回る可能性がある点には留意が必要だ)。

制度内容はちょっと複雑だが、要するに、前述の通り、やめるはずだった補助金を延長するだけでなく、支給額を拡充することで、ガソリン価格の高騰に歯止めをかけようとしているのだ。

そもそもガソリンの小売り価格には、ガソリン税(揮発油税と地方揮発油税)53.8円/Lが課税されているが、本来の税率(本則税率)は28.7円/L。ところが、現在は、暫定税率として25.1円/Lが上乗せされている。

今回の経済対策の経済効果はどの程度だろうか。事業規模は37.4兆円と巨額であるが、図表4のとおり、「真水」(国・地方の歳出)は、そのうちの一部(財政投融資を除いて20.9兆円)に限られる。さらに、真水の中でも予算計上額がそのまま新規需要につながるわけではなく、消費性向・投資性向などを勘案すればGDPを押し上げる効果は一部にとどまる。現時点では、金額ベースで6兆円程度(GDP比0.9%程度)の経済効果が2023~24年度に発現するとみている。

こうしたガソリンの税制度については、疑問視する声は長年多かったが、ガソリン価格がかなりの高騰ぶりを見せていることで、最近は特に見直しを求める声も多い。ただし、現行の税制度を見直すことで、税収が減れば、やはり「結局は別の税金が増えるのでは」といった声もある。そう考えると、一概に暫定税率や二重課税を廃止すればいいともいえないことも確かだ。

ガソリン価格の高騰に対しては、税金の見直しを求める声も多い。特に、問題視されているのが、まず「暫定税率」だ。

ガソリンスタンドとしては、輸送コストを含めた仕入れコストが違ったり、また周囲のライバルスタンドとの競争をどう捉えるのかという各社の経営判断があるからだ。その結果、都道府県や各地域でガソリン価格に違いがあるのが実状だ。

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