ドル/円 今日の見通し「152円を突破すれば、続伸期待と円買い介入への警戒から神経質な展開か…」2023/11/13

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ドル/円 今日の見通し「152円を突破すれば、続伸期待と円買い介入への警戒から神経質な展開か…」2023/11/13

「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha

目次

 

今日のドル円 トレードシナリオ

テクニカル分析で環境認識

①週足:陽線で切り返す・・・2週間前に上ヒゲ陰線が出現しましたが、切り返して151.60円台へと上伸しています。13・26・52週線が上向きを維持しつつ、乖離幅も収縮していないためトレンドの強さは継続しています。目先の年初来高値(151.71円前後)や昨年高値(151.94円前後)を突破できるかが焦点となります。突破すれば153円を視野に入れた展開となりそうです。

ドル/円 週足チャート

トレード方針:買い取引

②相場展開の予想・・・上昇トレンドが続いていますので買い目線は継続です。明日に米10月消費者物価指数(CPI)の発表を控えて年初来高値や昨年高値付近が上値抵抗として伸び悩むことも考えられます。ただ、いずれも突破するようだと青空天井で上値模索の展開となる可能性もあります。

③トレードタイミング・・・押し目買いポイントは、150.20円-150.40円、150.80円付近と見ます。また、引き続き152円突破後に同高値を下値支持に反発の局面があれば買い場になる可能性もあります。

ドル/円 60分足 ネオチャート(図1)

ドル/円 外為注文情報(図2)
https://www.gaitame.com/markets/order/

注目経済指標・イベント

④ポイント解説・・・ 市場では、明日の米10月消費者物価指数(CPI)に関心が向いています。また、年初来高値(151.71円前後)や昨年の33年ぶりの高値(151.94円前後)が上値抵抗として意識されていることから高値圏でもみ合う可能性があります。ただ、高値を突破する動きを見せた場合は、152円台への続伸期待と日本政府・日銀による円買い介入への警戒から神経質な展開となりそうです。

11/13(月)
16:00 トルコ9月経常収支
17:15 デギンドスECB副総裁講演
20:55 ブリーデンBOE副総裁講演
22:50 クックFRB理事講演
25:05 マン英MPC委員講演
28:00 米10月財政収支

経済指標・イベントの結果について

主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。

経済指標カレンダー

 
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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また 米ドル/円には東京時間の値動きにも特徴があります

今年後半に入ってからも、円安はおさまっていません。8月には1ドル145円前後となり、一時は147円台に到達しました。9月に入ってからも、同水準の為替相場が続いています。

ドル円は6月30日の外国為替市場で、一時1ドル=145円07銭水準をつけ、2022年11月以来、およそ7カ月ぶりのドル高・円安水準に達しました。しかしながら、その後はドル高・円安の流れが一巡し、ドル円は数営業日にわたっておおむね144円台での取引が続きましたが、7月7日にドル安・円高方向へ急速に転じ、日本時間7月11日正午には140円台後半をつけています。

なお、2022年10月25日時点における投機筋の円ポジションは、102,618枚の売り越しでした。また、ドル円が152円台に迫ったのは2022年10月21日で、政府・日銀がドル売り・円買いの為替介入を実施したのは10月21日と24日でした。つまり、足元の投機筋の円売りポジションは、大幅な円安が進み、介入が実施された昨年10月時点よりも、大幅に積み上がっていることが分かります。

ここまで述べたように、米国のFRBはインフレ対処のため、積極的な利上げ姿勢を継続しています。米国が利上げを開始した2022年3月以降、日米の金融政策差・金利差に着目したトレードが活発化したことで、歴史的な円安トレンドが形成されました。ただ、11月からはマーケットが新たなステージへの移行を予期させています。ここまでの円安トレンドは落ち着きを見せ、米ドル/円もこれまでのように上昇一辺倒とはいかないでしょう。その背景には、FRBの対応が功を奏し、消費者物価化指数(CPI)は7月以降から鈍化傾向であること、11月のFOMCにて、パウエルFRB議長からも今後の利上げペース減速が望ましいことが示唆されている点が挙げられます。当面は米国の利上げ軌道への思惑に振らされる展開となりそうですが、急速に上昇した反動を考慮すると、ドル売り調整で一段下落する局面も想定されます。とりわけFRBの金融政策の見通し面にアンテナを高くして臨みたいです。一方で、パウエル議長はインフレ圧力次第で、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)が従来の想定を上回る可能性も示唆しています。そのため、利上げのスピードが緩められても最終的な金利見通しが引き上げられれば、利上げ局面が長期化する可能性もあります。こういった状況において対円でドルが売られ続ける展開は考えにくいともみれますので、FOMCやインフレ指標を丁寧に読み解いていきたいです。引き続き経済・景気の底堅さが意識されればドル優勢の地合いとなり、米ドル/円の下値は限定的で、再び140円半ばにかけて上値を伸ばす可能性も想定されます。景気・雇用関連指標の内容にも気を配りつつ、テーマの切り替わりに応じた売・買メリハリのあるトレードを心掛けたいです。

円安になると円の価値が下がるため、円建てで保有している預貯金は目減りしてしまいます。一方、外貨預金の場合には、為替差益が得られます。1ドル110円のときにドルに換えて預け入れ、1ドル140円のときに円にして引き出せば、1ドルあたり30円お金が増えます。

※前回変動幅...前回の発表時から10分間でドル円が何pips変動したか。

市場では、ドル安・円高の要因として、主に次の諸点が指摘されています(図表1)。具体的には、①6月米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回ったこと、②6月米消費者物価指数(CPI)の伸びの鈍化が予想されていること、③日銀の内田真一副総裁の発言や、5月の毎月勤労統計で賃金の伸びが市場予想を上回ったことで、日銀の政策変更の可能性が市場で意識された、などです。

アフターコロナでは、景気回復とそれに伴うインフレ進行がメインテーマとなりました。ロシアの軍事侵攻によるウクライナ情勢の緊迫化も各国のインフレに拍車をかけ、2022年は景気過熱や物価高抑制への対応として、米国は大規模な金融引き締め政策を推し進めました。利上げ局面を迎えたことによる米ドル需要の高まりはすさまじく、日米の金融政策差を背景に、米ドル/円は年初の115円付近から約32%にも及ぶドル高トレンドを形成し、10月に一時151.94円まで上昇しました。この急激な値動きに対応するため、政府・日銀は9月~10月にアジア通貨危機以来24年ぶりとなるドル売り・円買い介入を実施、為替介入額としては過去最大規模となる9兆1,881億円となりました。11月に入ると、米国のインフレ率のピークアウトや利上げペース減速を織り込む動きから、米ドル/円は140円割れ水準まで下落しています。

なお、今月13日の高値151.91レベルを起点に短期レジスタンスラインが形成されつつある。上で述べた2つのチャートポイントをトライすることなく、このラインでドル円の反発が止められる場合は、地合いの強さがひとまず後退しているシグナルと想定しておきたい。

ドル円が145円台をつけた後、しばらく横ばい推移が続いたなかで、これらの材料が重なった結果、ドル売り・円買いが加速したと推測されます。参考までに、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の1部門であるインターナショナル・マネー・マーケット(IMM)に上場されている通貨先物の動きをみると、投機筋(非商業部門)の円ポジション(持ち高)は、7月4日時点で約117,920枚の売り越しとなっています(図表2)。

米ドル/円は国内のFX取引で圧倒的な人気を誇り、通貨ペア別の取引量は10年近くNo.1となっています。この人気に支えられた豊富な取引による非常に高い流動性と、経済指標などの関連情報を入手しやすい点が最大の特徴であり、国内の投資家から支持される所以でしょう。また、米ドル/円には東京時間の値動きにも特徴があります。日本時間9時55分に国内金融機関がその日に提示する仲値(対顧客の基準レート、TTM)が決定するため、この時間に向けて取引が活発になる傾向があります。この基準レートは輸出入業者等のいわゆる実需筋で利用され、特に毎月5・10日の五十日(ゴトウビ)には輸入業者の決済(ドル買い需要)が多いことから、仲値に向けて円安ドル高が進みやすく、仲値が決まり10時を過ぎると比較的穏やかな推移になりやすいといわれています。

2023年4月に日銀の黒田総裁が任期満了を迎えます。市場では総裁交代による日銀の政策軌道修正の有無に注目が集まっています。次期総裁の有力候補としては、雨宮副総裁と前副総裁である中曽氏の2人です。雨宮副総裁は日銀一筋で、黒田総裁の下で大規模な金融緩和を推進してきました。一方の中曽氏は国際派として知られ、国際決済銀行(BIS)市場委員会で議長を務めた経験があります。今のところ、黒田路線を引き継ぐとみられる雨宮副総裁を予想する声が多いです。注意したいのが、中曽氏が総裁候補として有力視された場合は金融緩和の副作用への対応が意識される点です。仮に長らく続いた異次元金融緩和政策が修正される思惑が強まるようであれば、歴史的なドル高・円安トレンドからの転換を迎える可能性もあります。そうなれば、米ドル/円は下目線で時間をかけながら2022年の上昇幅を戻していくかもことも想定されます。

一方、ドル円が151.40台の突破に成功する場合、次の焦点は151.75レベルのトライとなろう。この水準も新たなレジスタンスポイントとなる可能性がある。

2023年(令和5年)に入ってからも、円安は続いています。1月には一時1ドル127円台と円高に動きましたが、その後は再び円安が進んでいる状況です。5月末には1ドル140円台となり、それ以降ほぼ1ドル140円台で推移しています。

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