
東京市場は堅調か。米国株は上昇。ダウ平均は489ドル高の34827ドルで取引を終えた。市場予想を下回る10月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、10年債利回りが4.4%台まで低下。金融引き締め長期化に対する過度な警戒が後退し、リスクオンの様相が強まった。ハイテクグロース株の動きが良く、ナスダックが2.4%高と大きく上昇した。為替は米金利低下を受けてドル安・円高に振れており、ドル円は足元150円40銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて500円高の33210円、ドル建てが510円高の33220円で取引を終えた。
注目の経済指標を確認して米国の長期金利が大きく低下し、米国株にも非常に強い動きが見られた。CME225先物は33000円超えからのスタートを示唆しており、日本株も大きく水準を切り上げる展開を予想する。半導体株などグロース株買いが盛り上がるだろう。銀行株など米金利低下がネガティブに作用する業種の動向には目配せしておく必要がある。ただ、きのう決算を発表した三菱UFJや三井住友は株主還元強化の発表もあったことでADRでは大きく上昇している。きょうはバリュー株もそこまで敬遠されない可能性が高い。全体では米金利の低下を素直に好感する流れとなり、売り方の買い戻しを巻き込んで場中も強い動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは32900円-33500円。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
9月の米雇用統計などから ドル円の見通しを考えてみましょう
しかし、債券市場サーベイで示された、市場参加者の10年金利見通しの中央値は、2023年9月で0.60%と、日銀が許容する10年金利の上限である0.5%を上回っています。多くの市場参加者は、日銀が10年金利目標を7-9月期に修正する可能性を意識していることが分かります。日銀の10年金利目標の修正は、事前に市場に織り込ませることが難しく、サプライズにならざるをえません。6月16日の日銀会合が近づくにつれて、10年金利目標の修正への警戒感が高まり、円高要因になると予想します。
日銀は、長短金利操作の運用を柔軟化することで、経済・物価の「上下双方向のリスクに機動的に対応していく」としています。日銀が発表した展望レポート(3ヶ月毎に発表)の経済・物価見通しから、市場が上下どちらのリスクを警戒するかを考えてみました。
FOMC声明文は、今後の金融政策見通しについて「インフレ率を時間とともに2%に戻すために適切となり得る追加的な政策引き締めの程度を決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する」と前回の文言を維持しました。
先週は景気見通しの改善による相場へのプラスと金利上昇による相場へのマイナスが相殺して、週を通じてはもみ合いとなりました。今週の株価材料として、FOMC議事要旨、大手小売の決算発表、米10-12月期実質GDPの改定値、などが注目されます。 ...
日銀は、2023年度から2025年度のCPIコア見通しの中央値をそれぞれ+2.5%、+1.9%、+1.6%と示しました。2023年度のCPIコア見通しを+1.8%から+2.5%に上方修正していますが、数字上は、安定的な2%インフレ目標を2024年度以降も達成できるとは想定していません。よって、粘り強く金融緩和を継続する必要があることを示唆しています。
米10年金利が節目となる5%に近い水準まで上昇したのは、米国景気の強さが来年まで続くリスクが意識されているためでしょう。それが実現した場合、景気を熱しも冷ましもしない中立金利が上昇したとの見方が再び強まる可能性があります。その場合、来年後半以降に織り込まれている利下げ見通しが後退することで、米金利がさらに上昇するリスクがあります。
5月の米雇用統計などから、ドル円の見通しを考えてみましょう。結論からいえば、当面のドル円は、140円台前後で高下すると予想します。6月中旬には、日米欧の金融政策決定会合が控えています。アメリカの中央銀行が7月までには追加利上げするとの見方がドルの上昇要因になる一方で、日銀が10年金利目標を修正することへの警戒感が円高要因となり、綱引きになると考えるためです。
ニューヨーク原油先物相場は横ばい。強弱まちまちの需給見通しが意識され、CPI発表後の上昇分を失う展開となった。
ただし、パウエル議長は、記者会見で、「次回の会合や今後のことについては何も決定していない」「7月の会合はライブであり、データを見て判断する」と、今後の金融政策は、会合毎に経済指標を確認しながら決定する点を強調しました。また、年内の利下げの可能性について、インフレ率に言及しつつ、「FOMC参加者のだれ一人として23年以内の利下げを予想しなかった」と発言しました。アメリカの中央銀行が失業率見通しを引き下げ、インフレ率見通しを引き上げたため、雇用やインフレ関連の経済指標がより注目されるでしょう。
アメリカの10年金利は、8月末の4%台から4.9%近辺まで上昇し、米ドル高をけん引しています。ドル高円安が続くかは、アメリカの金利上昇が続くか次第だと考えます。9月の米雇用統計などから、ドル円の見通しを考えてみましょう。結論からいえば、当面のドル円は米国景気の強さを反映して円安基調が続くと想定しますが、今後、米国景気の減速感が確認されれば、ドル安円高方向に変わっていくと予想します。
直近では、植田日銀総裁のインタビュー記事を受けて、日銀の金融政策に注目が集まり、円金利も上昇しています。しかし、日銀のマイナス金利解除の観測が高まっても、一方向的な円安に歯止めをかける程度だと考えます。日本の政策金利の上昇幅が0.1%から0.2%に過ぎないとみられる一方で、アメリカの政策金利見通しの変化幅の方が大きいためです。ドル円にとっては、アメリカ要因の方が重要でしょう。
とはいえ、植田日銀総裁は、記者会見で、物価安定の目標の達成について、「見通し実現の確度が少し高まってきていることは事実」と述べました。日銀は、展望レポートの概要の最後で、「賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要である」としています。物価は2%を上回って上昇しているので、持続的な賃金の上昇が、マイナス金利解除のカギになるでしょう。植田日銀総裁も「来期の春季労使交渉は重要なポイント」と述べています。2024年春闘などで持続的な賃金上昇が確認されて、それがサービス価格などに反映される循環が明確になれば、日銀は、2024年前半にマイナス金利を解除すると予想します。
日銀は、2023年度から2025年度のCPIコア見通しの中央値をそれぞれ+2.8%、+2.8%、+1.7%と7月から上方修正しました。数字上は、安定的な2%インフレ目標を2025年度も達成できるとは想定していません。よって、日銀は、粘り強く金融緩和を継続する方針です。
7月の日銀金融政策決定会合の結果などから、今後のドル円の見通しを考えてみます。結論からいえば、ドル円は、日米金利差に伴う円安圧力と来年の米利下げを睨んだドル安円高圧力との綱引きになるでしょう。長期のトレンドはドル安円高と考えます。
しかし、6月以降の米経済指標は底堅く、高めの政策金利を長く続けたいと考えるFOMCメンバーが増える可能性があります。その場合、2024年末の政策金利見通しの中央値が上方修正されて、米金利が上昇すると考えます。ドル高円安要因でしょう。
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