来週の為替予想(米ドル/円)「米利下げ議論は行き過ぎ、本邦CPIが日銀の金融正常化を後押しするか注目」ハロンズ FX 2023/11/18

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来週の為替予想(米ドル/円)「米利下げ議論は行き過ぎ、本邦CPIが日銀の金融正常化を後押しするか注目」ハロンズ FX 2023/11/18

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年11月17日 13時40分

米利下げ議論は行き過ぎ、本邦CPIが日銀の金融正常化を後押しするか注目

11月13日週の米ドル/円は高値圏で経済指標に一喜一憂

1週前のドル高の流れを引き継ぎ、米ドル/円は151.910円まで買いが先行したものの、オプション関連のフローで151.20円付近へ反落。その後、151円後半まで切り返していた米ドル/円は、米インフレ圧力の緩和を示す消費者物価指数や卸売物価指数の結果をうけ、150.051円まで下げ幅を拡大しました。もっとも、米国の消費活動の底堅さを確認すると、瞬く間に151円半ばへ反発。その後、雇用市場の軟化が示唆された新規失業保険申請件数のデータで今度は150円前半へ後退するなど、方向性が定まりませんでした。(各レート水準は執筆時点のもの)

FX ライブ配信、今年最大のドル売り場到来か (2023年11月16日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

市場はタカ派な議論への興味が低下

米国のインフレ鈍化を受けて、米国の追加利上げ期待は消失し、米ドルの下押し圧力が少し強まっています。一方、FRBが目立った傷口もなく物価抑制に成功するとの観測が市場のリスクセンチメントを改善させたことで、クロス円中心に円の売り圧力も観測されるなど、米ドル安と円安が混在しています。目先の米ドル/円は、直近レンジでの振幅が見込まれそうです。ただし、感謝祭の休暇に伴うポジション調整の動きには一応、警戒したいです。

来週は、10月31日-11月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されます。米長期金利の上昇がインフレや経済成長に及ぼす影響について、どのような議論がなされたのか注目されるものの、投資家は既にタカ派な議論への興味を失いつつあるため、ハト派な部分がどの程度見られるかがポイントになるのではないでしょうか。もっとも、個人的にはインフレに対する勝利宣言はまだ先で、なおさら利下げの議論はずっと先の話と考えられるため、市場が期待するような材料は出にくいと思われます。また、本邦の全国消費者物価指数(CPI)の結果が、日銀の金融正常化期待にどのような影響を及ぼすかも注目されます。インフレ圧力の根強さが改めて示されれば、円買い戻しが進む危険もありそうです。

米ドル/円、レンジでの推移

ローソク足のパターンは、連日のかぶせ線出現で方向性の見定めづらい展開が見通せるものの、13日に151.910円まで高値を塗り替えた後、徐々に上値を切り下げている点は気になります。下値支持線である21日移動平均線(150.40-50円近辺)を明確に割り込んでくれば、期間21日のボリンジャーバンドの-3σ(148.202円)までの下落もありそうです。もっとも、多くの時間帯はボリンジャーバンドの-2σ(148.967円)から+2σ(152.025円)での振幅となりそうです。(※各レート水準は執筆時点のもの)

【米ドル/円チャート 日足】

ドル円 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:148.500-152.500

11/20 週のイベント:

11/20(月) 24:00 米国 10月景気先行指標総合指数
11/21(火) 24:00 米国 10月中古住宅販売件数
11/21(火) 28:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
11/22(水) 22:30 米国 新規失業保険申請件数
11/22(水) 22:30 米国 10月耐久財受注
11/22(水) 24:00 米国 11月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
11/24(金) – 米国 ブラックフライデー
11/24(金) 8:30 日本 10月全国消費者物価指数(CPI)
11/24(金) 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
11/24(金) 23:45 米国 11月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
11/24(金) 23:45 米国 11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
11/24(金) 23:45 米国 11月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)

一言コメント

11月22日で、米ケネディ大統領が暗殺されてから60年が経過するそうです。ケネディ家と言えば、甥のロバート・ケネディ・ジュニア氏が無所属で来年の大統領選挙に出馬すると発表しており、バイデン大統領VSトランプ氏の構図ではなく、バイデン大統領VSトランプ氏VSケネディ氏となれば、相当、盛り上がりそうですね。

 
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来週の為替予想 米ドル 円

2026年10月のドル円予想。当月始値 196.34、最低 196.34、当月最高 202.35。平均 198.60。月末 199.36。変更 1.5%。

アメリカの10年金利は、8月末の4%台から4.9%近辺まで上昇し、米ドル高をけん引しています。ドル高円安が続くかは、アメリカの金利上昇が続くか次第だと考えます。9月の米雇用統計などから、ドル円の見通しを考えてみましょう。結論からいえば、当面のドル円は米国景気の強さを反映して円安基調が続くと想定しますが、今後、米国景気の減速感が確認されれば、ドル安円高方向に変わっていくと予想します。

しかし、米10年金利は3.8%程度であり、現行の政策金利レンジの中央値である5.125%を1.3%程度も下回っています。過去30年を振り返ると、10年金利が政策金利を下回る逆イールドは何度も発生していますが、利下げ直前に1.5%程度下回るのが限界でした。アメリカの中央銀行の見通し通り、年内の利下げがない場合、米10年金利の低下余地は小さいでしょう。 逆に、米追加利上げがあれば、米10年金利が上昇する可能性もあります。よって、大幅なドル安円高は、当面想定していません。

ただし、ドル円と相関の高い日米10年金利差は、長い目でみれば、アメリカの10年金利の上下の影響の方が大きいでしょう。10年金利の変動幅は、アメリカの方が日本よりも大きいと考えます。今はアメリカの10年金利が上昇トレンドであり、ドル高円安要因になっているでしょう。

2023年のドル円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融政策の行方が、カギを握ると考えます。まず、FRBの金融政策について、弊社はFRBが2023年1月31日、2月1日と、3月21日、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、それぞれ25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを行い、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が4.75%~5.00%に達したところで、2023年いっぱい据え置くと予想します。

今年10-12月には、ドル安円高に転換すると予想しています。市場は、アメリカの利上げは、9月か11月で最後になると想定しています。

もう1つの注目は、株価の動向です。FOMCのタカ派姿勢への警戒などから、先週は米国を中心に、世界的に株価が大きく下落しました。このような株安、リスクオフが続くようなら、円売りに大きく傾斜したポジションのさらなる拡大には自ずと限度があり、むしろ円売りポジションの圧縮に伴う円買い戻しが進む可能性もあるでしょう。

先週末は円安に調整が入ったものの、週前半はドル円が昨年10月21日につけた1990年7月以来の高値に接近し、スイスフラン(CHF)円は史上最高値、ユーロ円は15年ぶり、豪ドル円は9年ぶり、ポンド円は8年ぶりの高値をつけた。11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)、10月の米雇用統計とインフレデータの結果などを背景にドル高の動きは後退したが、円安の流れは変わっていない。植田日銀総裁の発言は総じてハト派寄りとの見方が強く、為替市場では日銀の金融政策正常化期待は後ずれしている。先週発表された本邦7-9月期GDPが前期比年率-2.1%に沈んだことも金融政策正常化先送り観測を強めている。近く日銀金融政策を巡る思惑に変化が出る可能性は低く、円安の地合いは継続しそうでドルの重い局面でもドル円の下押しは限られそうだ。

2027年7月のドル円見通し。当月始値 192.13、最低 188.51、当月最高 194.25。平均 191.57。月末 191.38。変更 -0.4%。

とはいえ、アメリカで高い政策金利を長く続ける必要があるのは、インフレ率が高いためでしょう。9月の米消費者物価指数(CPI)を確認して、今後のドル円を予想します。結論からいえば、当面のドル円は、145-150円のレンジで推移した後、米国景気に減速感が出てくれば、ドル安円高方向に転換すると予想します。

投機筋が円売りポジションを圧縮するきっかけとして、2つの点に注目しています。第一に、日銀が10年金利目標の枠組みを修正する可能性です。植田日銀は金融引き締めに慎重な姿勢を示していますが、それは短い年限の金利を低く維持することを意味すると解釈しています。10年金利目標は、副作用を伴う政策であるうえ、修正する際にはサプライズにならざるを得ません。 6月16日の日銀会合で、10年金利目標が修正される可能性を否定できません。

2023年8月以降のドル円は、上旬に141円台まで円高に動きましたが、月後半には一時147円台をつけて、円安方向の戻りを試しています。市場参加者は、昨年10月につけた151円台を意識しているでしょう。

第一週 11月27日(月曜日)のドル円見通し: 為替レート 147.69、 最高 149.91、最低 145.47。 11月28日(火曜日)のドル円予想: 為替レート 147.85、 最高 150.07、最低 145.63。 11月29日(水曜日)のドル円見通し: 為替レート 148.29、 最高 150.51、最低 146.07。 11月30日(木曜日)のドル円予想: 為替レート 148.79、 最高 151.02、最低 146.56。 12月1日(金曜日)のドル円見通し: 為替レート 149.13、 最高 151.37、最低 146.89。

ただし、米10年金利は、4%台から3.8%台まで低下しました。アメリカの政策金利(中央値)が現行の5.125%から5.375%までの上昇にとどまった場合でも、アメリカの10年金利は、政策金利を約1.5%下回る計算です。過去30年程度で、米10年金利が米政策金利を下回る逆イールドは何度も発生していますが、1.5%程度の逆イールドが限界であり、米利下げ直前にみられる大きさです。米10年金利が更に低下する余地は小さいと想定します。米10年金利低下に伴って、さらにドル安円高が進むとは考えていません。

2026年9月のドル円見通し。当月始値 193.04、最低 193.04、当月最高 199.29。平均 195.43。月末 196.34。変更 1.7%。

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