
今週のNY市場はエヌビディアの決算やFOMC議事要旨に注目。先週はダウ平均が1.94%高、S&P500が2.24%高、ナスダック総合が2.37%高とそろって3週続伸した。注目された米10月消費者物価指数(CPI)や米10月生産者物価指数(PPI)が予想以上に鈍化したことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの終了期待が一段と高まったことや、これを受けた米10年債利回りの低下が株式相場の支援となった。3週間ではダウ平均が7.80%高、S&P500が9.63%高、ナスダック総合が11.73%高となり、S&P500が2022年11月以来、ナスダック総合が2020年4月以来の大幅高を記録した。
今週は木曜日が感謝祭の祝日で休場、週末金曜日が短縮取引となるが、人工知能(AI)ラリーの持続性を巡り火曜日引け後に発表されるエヌビディアの決算やガイダンスが注目される。ほか、金融政策の行方を巡っては火曜日午後に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31日-11月1日分)に注目が集まりそうだ。
エヌビディアの株価は年初から3.4倍に急騰し、予想PERは100倍を超えているため、決算やガイダンスが弱いものとなれば、買われ過ぎが意識されるか。このほかの決算発表はアナログ・デバイセズ、ロウズ・カンパニーズ、ベストバイ、メドトロニック、HP(以上火曜日)、ディア(水曜日)など。
米経済指標・イベントではFOMC議事要旨のほか、10月中古住宅販売件数(火曜日)、MBA住宅ローン申請指数、10月耐久財受注、新規失業保険申請件数(以上水曜日)11月ミシガン大消費者信頼感指数確報値、同 1年先・5年先期待インフレ率確報値(水曜日)など。
今晩の米経済指標・イベントは10月景気先行指数、米20年債入札など。企業決算は引け後にキーサイト・テクノロジー、アジレント・テクノロジーなどが発表予定。
(執筆:11月20日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
当社の実績・見通しが注目されます
先週のターゲット、ウォルマートに続き、今週もベストバイ、ロウズ、ダラーツリー、クローガーなど、小売企業の8-10月期決算発表が続きます。各社の見通しコメントで消費減速に関する証拠に厚みがでてくると、長期金利のピークアウトがより確固なものとなりそうです。また、今週後半から年末商戦に突入します。全米小売業協会は11月、12月の合計売上を前年比3~4%増と予想、例年に比べ低めの伸びが見込まれています。
米国では11月23日のサンクスギビングデーから年末商戦がスタートしますが、米・ウォルマート(WMT)が慎重な見通しを出したことで、小売企業に関してはいったん利益確定の流れに向かう可能性があります。そのため、ハイテク株の動向が市場全体の動向にカギを握りそうです。
NYダウ30指数構成銘柄で数少ないソフトウェア銘柄です。セグメントとしてソフトウェアを持つNYダウ採用銘柄としては、マイクロソフト(MSFT)、IBM(IBM)、シスコ・システムズ(CSCO)が挙げられ、いずれもひと月前に実績ベースでは堅調な決算を発表しています。当社の実績・見通しが注目されます。
「雲」を下抜けるためには、ファンダメンタルズの変化が必要と考えられます。これらに当たるものとして、小売企業による慎重な売上見通しが重なる、週末のブラックフライデーなど年末商戦が予想よりも低調となる、などが実現すると長期金利は低下しやすく、株価を支える要因になると期待されます。
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