ドル円危うし…円安の支え、いつまで?ユーロドルがいよいよ『買いの時代』になる可能性 2023/11/20(月)井上義教

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ドル円危うし…円安の支え、いつまで?ユーロドルがいよいよ『買いの時代』になる可能性 2023/11/20(月)井上義教

ドル円は下がったところを買って報われるほど甘くもなさそう【明快!テクニカルレビュー】

動画配信期間:2023/11/20~2024/02/20

大手銀行で為替・債券・スワップ市場のチーフディーラーとして活躍した経験を持つ百戦錬磨のプロトレーダー、井上義教氏が、毎週掲載される「FX ウィークリーテクニカルレポート」のレビューを明快に解説いたします!

時間がない方向け「ポイント要約」

ドル円
・上値の重い展開
・下がったところを買って報われるほど甘くもなさそう
ユーロ円
・U字型を形成して引けている
・下がればまだまだ買いたい人が多そう
ポンド円
・長い下ヒゲを伴ってゴールデンクロスが効いている
・まだまだ下がりにくい
豪ドル円
・先週の水木の行って来いの山形が非常に気になる
・金曜日は何となく戻している状態
ユーロドル
・長期移動平均線が右上がりになれば売りの時代から買いの時代に転じるという過渡期に

トレード戦略
・対円で買うのであればユーロ円
・ユーロドルを買いで攻める

 

目次

0:00 ドル円分析
1:31 ユーロ円分析
2:06 ポンド円分析
2:21 豪ドル円分析
2:47 対円通貨ペア分析まとめ
3:30 対ドル(ユーロ・ポンド・豪ドル)分析
6:03 トレード戦略まとめ
6:20 【PR】口座開設特別キャンペーン

要約

相変わらず難しい相場が続いています。動いてなくはないんですが、そんなに動いてるわけでもないという、そんな感じ。方向感が少し掴みにくい状況が続いていていますが、対円はファンダメンタルズ的にやはり円安傾向だと思うんですね。
ただ、ドル円チャートを見ると、明確に先週の木金の陰線で中期の移動平均線水準を割って引けてしまって、週の安値を更新する形で越週していますので、どう考えても上値の重い展開だと思うんですね。ファンダメンタルズが円安方向だから、押し目買いがすごく入りやすい地合いになっていて、なおのこと買った人は売らないとダメということで、上値が重くなっている展開じゃないかなと思います。MACDも右往左往していましたが、週末にかけてやや下押し傾向ですし、ファンダメンタルズ的に円安だというのが後押しになってますから、なおのこと上値の重い展開になるかなというのがドル円の見立てです。売りではないとは思うんですが、下がったところを買って報われるほど甘くもないんじゃないかなという感じで見ています。ただ、ドル円がそんなに下がらないのは、他の対円の通貨ペアに救われている部分が非常に大きいです。

ユーロ円の日足を見ると、一気に下ヒゲを伴って戻しています。30分足で見ても、夕方から夜にかけて円高が来たんですけど、ものの見事にU字型を形成して何事もなかったかのように戻して引けてる。ということで、ユーロ円は下がればまだまだ買いたい人が多いんだろうなという感じ。

ポンド円も同じですよね。戻りがユーロ円と比較して若干鈍いのは鈍いんですけれども、長い下ヒゲを伴って、ゴールデンクロスが効いていますので、まだまだ下がりにくいかなっていう感じ。

豪ドル円も水木の行って来いの山形が非常に気になるところではありますが、金曜日は何となく戻しています。

対円の中ではやはりユーロ円を中心に円安方向へ向かいたいんだろうなということでしょう。そういう意向があるからこそ、ドルがなんとか支えられてるっていう側面はあるんじゃないかなっていう感じがしますね。
ということで、対円で買うのであれば、やはり強いもの順ということでユーロ円。その次はポンド円という感じですね。ポンド円を買うぐらいなら、やっぱりユーロ円かなという気がしますが。できるだけ高いところを買いたいですね。高く始まって値持ちするようであれば、上値追いの可能性が非常に高くなると思いますので、買いで攻めたいかなっていう感じ。逆に安く寄って下ヒゲを埋めるような形になるのであれば、ダラ~ンとした展開になるのかなという気がします。高い位置で値持ちするようならっていう条件付きで買うとかで、そんな感じがいいようなチャートではないでしょうか。

ユーロドルは見事に木曜日の上ヒゲを完全にカバーしまして高く引けています。これはユーロが強いのかドルが弱いのかっていう話はありますが、ユーロ円はユーロが強い感じがありますし、ユーロドルはドルが弱くてユーロが強い感じで、ドル円が若干下向きだということを考えると、ドルと円を比べるとドルよりも円が強いという感じ。ドルが最弱でユーロが一番強いとなると、ユーロドルを買うっていうのが一番理にかなってるのかなという気がしますね。先週の火水木で値持ちして金曜日に上で引けたっていうのは非常に大きいと思うんですね。実体線が値持ちすれば、中期長期の移動平均線のゴールデンクロスの可能性が高まると思いますし、これがゴールデンクロスするというのは実に半年ぶりぐらいのイベントが起きてるという感じですので、非常に大きなチャートの変化だというふうに思います。長期の移動平均線も下向きから若干横ばい傾向に変わりつつあるんですね。これが右上がりに舵取りを変えてくるようであれば、いよいよ売りの時代から買いの時代に転じるという過渡期にあるんじゃないかなっていう感じがしています。

あまりファンダメンタルズでトレードするのは良くないとは思うんですけれども、アメリカも個人的には金利を下げる方に動き始めるような気がしているんですね。なかなか株も下がりにくくなってますし、今は金利と非常に相関性の高い状況が続いていますので、アメリカの金利が下がるということであれば、ドルが売られるという風に素直に考えた方がいいのではないかなっていうふうに思いますね。

そうするとドルを売って何を買うかという話になるわけですが、チャート的にはユーロドルが圧倒的に強いということで、素直にユーロドルを買いで攻めるというのが今の答えなのかなという気がしています。風向きがどう変わるか読みにくいところではあるんですが、ドル売りのポジションをメインに考えるということで、当面はいいのではないかなと思っております。

「FX ウィークリーテクニカルレポート」
https://www.gaitame.com/media/entry/2023/11/20/074231

 
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井上義教
株式会社チャートリーディング 代表取締役 昭和39年東京都生まれ。 昭和63年大阪大学経済学部卒業、同年大和銀行入行、平成3年よりロンドンの証券現法にてディーリング業務に従事。 平成15年に退社するまで為替・債券・スワップ市場を歴任、チーフディーラーとしてチームを統括。 平成28年 株式会社チャートリーディング設立とともに代表取締役に就任。
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ドル円危うし円安の支え いつまでユーロドルがいよいよ 買いの時代

そして、このまま横ばいになる可能性も十分にありますが、11月以降の米ドル円は、日銀の政策修正の有無によって、円高リスクも警戒しなければならないでしょう。

そもそも、円をドルや外国の通貨に換える際の交換比率が為替相場となります。

一体、どこに注目すれば本質を見極めることができるのでしょうか? 私は、貿易収支を含む経常収支に焦点を当てたいと思います。元来、日本は加工貿易国【株式会社ニッポン】として史上類を見ない経済成長を遂げてきた国です。その構造はとても単純で、材料を輸入してよい製品を作り、それをアメリカに売って利益を得る。アメリカドルで得た利益は、仕入やお給料に充てるために必ず円転しなければなりませんから、必然的に円高になります。

円安とは、他国通貨に対する円の価値が低下することです。日本円はかつて、1ドル=360円という固定相場制でしたが、1973年に変動相場制に移行しました。これにより円に対する各国通貨の価値は、経済成長率やインフレ率などの経済情勢に応じて、そのつど変動するようになりました。外国通貨と円の交換比率を示すのが為替レートで、日々刻々と変化します。その最も代表的なものがドル・円レートで、1ドル=100円という形で表します。「円」の金額が1ドル=110円などと、比較時点よりドルが高くなることを円安といいます。反対に1ドル=90円などとドルが安くなることを円高といいます。日本の経済は輸出産業が支えている割合が多いので、円安になると輸出するときの商品価格が安く抑えられて競争力が上昇し、利益を出しやすくなります。そのため、円安に動くと株が買われる傾向があります。その一方で、輸入コストが上昇し、石油や原材料の価格が上昇するという側面もあります。

そうするとドルを売って何を買うかという話になるわけですが、チャート的にはユーロドルが圧倒的に強いということで、素直にユーロドルを買いで攻めるというのが今の答えなのかなという気がしています。風向きがどう変わるか読みにくいところではあるんですが、ドル売りのポジションをメインに考えるということで、当面はいいのではないかなと思っております。

年明けから127円まで急落していたところ、11月最近になってドル高円安に戻ってきています。

ユーロ円の日足を見ると、一気に下ヒゲを伴って戻しています。30分足で見ても、夕方から夜にかけて円高が来たんですけど、ものの見事にU字型を形成して何事もなかったかのように戻して引けてる。ということで、ユーロ円は下がればまだまだ買いたい人が多いんだろうなという感じ。

通貨としてのユーロの歴史は案外浅く、ドイツやフランス、イタリアなどのEU各国の取り決めにより、単一通貨ユーロが発足したのは1999年1月のことです。発足当時は、チャートが存在しないので、ずいぶんテクニカルアナリストを悩ませたものですが、あれから四半世紀近く経過したことで今ではすっかり定着し、残念ながらイギリスポンド加盟の道は閉ざされているものの、現在では第二の基軸通貨としての地位を着々を築いてきています。もっとも、ユーロの道のりは険しく、発足当時はユーロという通貨が末永く存続できるのかという信任を試すように発足当時には1ユーロ=1.17ドルだったものが、2000年1月には初のパリティ割れを見せ、回復するのに約2年の日々を費やしたのです。その後、順次加盟国が増え、しっかりとした足取りで進んだことで、その信任を得ることができ、2009年からのギリシャ財政問題などを抱えつつも、2003年以降は一度もパリティ割れを起こしたことはありませんでした。しかし、ここにきてユーロ安ドル高傾向が続き、ウクライナ情勢やロシア制裁の影響を大きく受けていることを加味しても、再びパリティ割れが定着してしまったのですから、非常に大きなニュースとして取り上げられるのは想像に易いことでしょう。では、どうしてユーロ安が進行しているのでしょうか? 円安との関連性はあるのでしょうか?

あまりファンダメンタルズでトレードするのは良くないとは思うんですけれども、アメリカも個人的には金利を下げる方に動き始めるような気がしているんですね。なかなか株も下がりにくくなってますし、今は金利と非常に相関性の高い状況が続いていますので、アメリカの金利が下がるということであれば、ドルが売られるという風に素直に考えた方がいいのではないかなっていうふうに思いますね。

ユーロドルは見事に木曜日の上ヒゲを完全にカバーしまして高く引けています。これはユーロが強いのかドルが弱いのかっていう話はありますが、ユーロ円はユーロが強い感じがありますし、ユーロドルはドルが弱くてユーロが強い感じで、ドル円が若干下向きだということを考えると、ドルと円を比べるとドルよりも円が強いという感じ。ドルが最弱でユーロが一番強いとなると、ユーロドルを買うっていうのが一番理にかなってるのかなという気がしますね。先週の火水木で値持ちして金曜日に上で引けたっていうのは非常に大きいと思うんですね。実体線が値持ちすれば、中期長期の移動平均線のゴールデンクロスの可能性が高まると思いますし、これがゴールデンクロスするというのは実に半年ぶりぐらいのイベントが起きてるという感じですので、非常に大きなチャートの変化だというふうに思います。長期の移動平均線も下向きから若干横ばい傾向に変わりつつあるんですね。これが右上がりに舵取りを変えてくるようであれば、いよいよ売りの時代から買いの時代に転じるという過渡期にあるんじゃないかなっていう感じがしています。

もし、ユーロドルとドル円が連動していれば、それは「ドル高」要因を反映した為替市場だと判断することができます。確かに、トレンドは一致しており、ユーロも日本円も下落傾向にあるため、「ドル高」要因が介在していることは間違いないでしょう。しかし、ユーロの下落率は約-12%、対して日本円の下落率は約-18%となっており、その差は歴然です。もちろん、これには地政学的リスクなど少なからず「ユーロ安」要因も存在しますが、ここでは単純化のために、ドルと円のためだけに材料が現在化したと仮定しましょう。この変動率を使うと、-12%分が「ドル高」要因、差の-6%を「円安」要因と分類することができそうです。

2022年末、日銀は実質的な利上げを宣言、この宣言によって急激に円が買われて1ドル=130円台をつけました。黒田総裁が総裁の座を譲らない限りは、利上げされないと思われていたので一部では「黒田サプライズ」と言われています。

対円の中ではやはりユーロ円を中心に円安方向へ向かいたいんだろうなということでしょう。そういう意向があるからこそ、ドルがなんとか支えられてるっていう側面はあるんじゃないかなっていう感じがしますね。ということで、対円で買うのであれば、やはり強いもの順ということでユーロ円。その次はポンド円という感じですね。ポンド円を買うぐらいなら、やっぱりユーロ円かなという気がしますが。できるだけ高いところを買いたいですね。高く始まって値持ちするようであれば、上値追いの可能性が非常に高くなると思いますので、買いで攻めたいかなっていう感じ。逆に安く寄って下ヒゲを埋めるような形になるのであれば、ダラ~ンとした展開になるのかなという気がします。高い位置で値持ちするようならっていう条件付きで買うとかで、そんな感じがいいようなチャートではないでしょうか。

ドル円相場を本格的に検証する前に、ユーロ独自の事情、つまり「ユーロ安」要因が果たして、「円安」要因と被っているか否かを検証しておく必要があります。もし、「ユーロ安」要因と「円安」要因が被っていれば、対ドルの為替レートは連動し、すなわち「ドル高」要因に置き換えられます。そのためにもユーロドルのパリティ割れのニュースには気を配っておく必要があります。現在、主な「ユーロ安」要因はこうです。ユーロ圏もアメリカに匹敵する高いインフレ率に悩まされており、欧州中央銀行ECBはマイナス金利政策から脱却し、利上げの方向性を明確にしていることから、金利差はあるものの、そのスタンスはアメリカと同じ方向性を持っています。しかし、ロシア制裁の影響を大きく受けているユーロ圏では、資源供給制約による景気後退要因がコロナ後の活動再開(つまり雇用の拡大)を阻害しているため、スタグフレーション懸念によるユーロ安ドル高の牽引役になっています。これは程度の差こそあれ、日本でも同じ状況であり、置き換えられた「ドル高」要因と言えるでしょう。そしてアメリカ。いち早くコロナ後の経済活動の再開を果たしたことで有効求人倍率は2倍にまで達しており、また供給制約による資源高に対しては原油や天然ガスの輸出超過国となっています。雇用を守りつつ利上げのできるアメリカには、言わずもがな「ドル高」要因が満載です。あえて「ドル安」要因を探すとすれば、対GDP経常収支が-3%台まで悪化していることくらいでしょう。しかしこれも世界の一大消費大国アメリカにしてみれば、標準的なレベルであり、大きな要因にはなりえません。このように現在のグローバル経済環境は、アメリカとそれ以外の国という構図が明確になっており、その分「ドル高」、「ドル安」要因について見極めていくのは意外と簡単です。「ドル高」要因を材料として為替相場が動いているのであれば、その主たる取引相手であるユーロとの相場が取り上げられることとなり、折しもユーロドル相場がパリティという重要な節目を迎えていることからも、パリティがより注目されることとなっています。グローバル目線で見るなら、私たち日本人もドル円相場のゆくえをうらなうためには、先ずユーロドル相場のゆくえに注目していかなければならないことがおわかりいただけたことと思います。

相変わらず難しい相場が続いています。動いてなくはないんですが、そんなに動いてるわけでもないという、そんな感じ。方向感が少し掴みにくい状況が続いていていますが、対円はファンダメンタルズ的にやはり円安傾向だと思うんですね。ただ、ドル円チャートを見ると、明確に先週の木金の陰線で中期の移動平均線水準を割って引けてしまって、週の安値を更新する形で越週していますので、どう考えても上値の重い展開だと思うんですね。ファンダメンタルズが円安方向だから、押し目買いがすごく入りやすい地合いになっていて、なおのこと買った人は売らないとダメということで、上値が重くなっている展開じゃないかなと思います。MACDも右往左往していましたが、週末にかけてやや下押し傾向ですし、ファンダメンタルズ的に円安だというのが後押しになってますから、なおのこと上値の重い展開になるかなというのがドル円の見立てです。売りではないとは思うんですが、下がったところを買って報われるほど甘くもないんじゃないかなという感じで見ています。ただ、ドル円がそんなに下がらないのは、他の対円の通貨ペアに救われている部分が非常に大きいです。

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