ドル/円、ついに円高トレンドへ転換か?148円割れだと下落加速も…(NY市場の見通し)2023/11/20

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ドル/円、ついに円高トレンドへ転換か?148円割れだと下落加速も…(NY市場の見通し)2023/11/20

ドル/円、ついに円高トレンドへ転換か?148円割れだと下落加速も…

東京市場のドル/円は、軟調に推移。日経平均株価が33年ぶりの水準に上昇しましたが、買い材料がなかったほか高値を更新した達成感からその後は反落しました。そうしたことから円買いが強まると5・10日の仲値公示後にじり安となり午後には148.70円前後まで下落しました。

欧州市場に入ると再び円買いが加速。米長期金利の低下も相まって一時10月10日以来となる148.19円前後まで軟化しました。

今夜はドル/円に直接影響しそうな重要イベントが予定されていません。米国の利上げ終了と早期利下げ転換の思惑がくすぶる中、ドルは上値の重い展開が続きそうです。また、週後半の米感謝祭休暇に向けて持ち高調整の円買い戻しが続く可能性もあります。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、151.90円台を高値にダブルトップを形成するとネックラインの149.00円付近を下抜けました。RSIが50ラインを割り込んだことからも売りバイアスが強まっていると分かります。目先は80日移動平均線が位置する148.00円付近が下値支持になるか注目です。

ドル円 日足チャート

この後の経済イベント

11/20(月)
23:00 BOE金融安定報告書
24:00 米10月景気先行指標総合指数
26:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
27:00 米20年債入札(160億ドル)
27:45☆ベイリーBOE総裁講演
28:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁講演
※☆は特に注目の材料

経済指標・イベントの結果について

主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。

経済指標カレンダー

 
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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今夜はドル/円に直接影響しそうな重要イベントが予定されていません

とはいえ、アメリカで高い政策金利を長く続ける必要があるのは、インフレ率が高いためでしょう。9月の米消費者物価指数(CPI)を確認して、今後のドル円を予想します。結論からいえば、当面のドル円は、145-150円のレンジで推移した後、米国景気に減速感が出てくれば、ドル安円高方向に転換すると予想します。

6月の米ドル/円は続伸、140円の大台を超えて2022年11月以来の145円まで上昇しました(図表1参照)。振り返ってみると、米ドル/円は3月の米金融システム不安の浮上を受けて3月末には130円割れまで下落しましたが、そこからほぼ3ヵ月上昇傾向が続いてきたわけです(図表2参照)。6月に米ドル/円が140円を大きく超えて一段高となったきっかけは、FOMC(米連邦公開市場委員会)でしょう。このFOMCが公表したメンバーの経済見通しである「ドット・チャート」では、さらに0.5%の利上げを想定していることが明らかになったのでした(図表3参照)。米2年債利回りなどの短中期金利は、この数ヵ月政策金利のFFレートを下回って推移していました(図表4参照)。その意味では、FFレートが近く引き下げられることを先取りした動きとなっていたわけです。ところが6月FOMCでは、そういった早期の利下げの可能性を否定しただけでなく、逆にさらなる利上げの見通しを示したわけです。さて、米ドル/円は米2年債利回りと一定の相関関係が続いてきました。上述のような6月FOMCを受けて政策金利であるFFレートがさらに0.5%引き上げられるといった見通しになるなら、それと正反対にFFレートの引き下げを先取りしていた米2年債利回りは上昇に転じることになります。そのような米2年債利回り上昇を受けて、米ドル/円も140円を大きく超えて続伸したということでしょう。 それにしても、上述のようにFFレートがさらに0.5%引き上げられ、米2年債利回りもそんなFFレート並みに上昇するなら、これまでの関係からすると米ドル/円は2022年10月に記録したこの間の高値の151円を更新しかねないといった見通しになりますが、果たしてどうでしょうか(図表5参照)。

東京市場のドル/円は、軟調に推移。日経平均株価が33年ぶりの水準に上昇しましたが、買い材料がなかったほか高値を更新した達成感からその後は反落しました。そうしたことから円買いが強まると5・10日の仲値公示後にじり安となり午後には148.70円前後まで下落しました。欧州市場に入ると再び円買いが加速。米長期金利の低下も相まって一時10月10日以来となる148.19円前後まで軟化しました。今夜はドル/円に直接影響しそうな重要イベントが予定されていません。米国の利上げ終了と早期利下げ転換の思惑がくすぶる中、ドルは上値の重い展開が続きそうです。また、週後半の米感謝祭休暇に向けて持ち高調整の円買い戻しが続く可能性もあります。ドル/円をテクニカル分析で見ると、151.90円台を高値にダブルトップを形成するとネックラインの149.00円付近を下抜けました。RSIが50ラインを割り込んだことからも売りバイアスが強まっていると分かります。目先は80日移動平均線が位置する148.00円付近が下値支持になるか注目です。

昨年3月以降のドル円は、米10年金利と同じような動きをしてきましたので、米10年金利は重要です。11月FOMC後の米10年金利は一旦低下しましたが、今後は米国景気次第でしょう。

■チャート的には、この間の米ドル高・円安トレンドをサポートしてきた120日MA割れ含みとなり、米ドル下値正念場となっている。

ドル円は、チャート上の節目となる200日移動平均水準の137円台を上回ったため、円安の流れに拍車がかかったとみられます。 また、米債務上限問題が解決したことで、ドル円の予想変動率が低下すれば、金利の高いドル買い要因になるでしょう。

1ドル145円近辺は政府が昨年に円買い介入した水準であること、6月の米CPIコアの上昇率が明確に鈍化して米金利が低下したこと、などからドル安円高に動いたと考えます。しかし、パウエルFRB議長が7月26日の記者会見で「FRBのスタッフはもはや景気後退を予測していない」と発言するなど、米国景気のソフトランディング期待が高まったことは、円安要因だったとみられます。

2023年8月以降のドル円は、上旬に141円台まで円高に動きましたが、月後半には一時147円台をつけて、円安方向の戻りを試しています。市場参加者は、昨年10月につけた151円台を意識しているでしょう。

米国景気の方向が下向きとなり、米10年金利が低下方向に動けば、ドル安円高のペースは意外と早いと考えます。

当面のドル円は、円安基調で推移し、米利下げ転換が意識されればドル安円高に動くと予想します。 なお、ドル円が大きく高下する要因もあります。

7月の日銀金融政策決定会合の結果などから、今後のドル円の見通しを考えてみます。結論からいえば、ドル円は、日米金利差に伴う円安圧力と来年の米利下げを睨んだドル安円高圧力との綱引きになるでしょう。長期のトレンドはドル安円高と考えます。

仮に、米国景気の減速を示唆する経済指標が増えてくれば、市場は、アメリカの利上げが近いうちに終了することを意識するでしょう。その場合、過去5回の利上げ停止前後の米10年金利の動きを振り返ると、過去の米10年金利は、米利上げ停止前か利上げ停止から1か月程度でピークをつけています。 昨年からのドル円は、米10年金利との相関が高いため、米10年金利が低下すれば、ドル安円高要因でしょう。

当面のドル円は、140円前後で高下すると予想します。 しかし、ドル円が円高方向に大きく振れる要因もあります。

9月FOMC後の米金利市場は、今年の追加利上げの可能性を織り込みつつ、来年の利下げを想定しています。しかし、来年想定されている利下げ幅は、9月FOMCを受けて、さらに縮小しました。米国景気が予想以上に強かったことは、米金利の上昇とドル高円安を促したと考えます。高田日銀審議委員も、9月の記者会見で、為替に関して、米国景気が非常に強い点に言及していました。

しかし、ドル高円安基調は変わっていないようです。アメリカの8月雇用統計は労働需給の緩和を示しましたが、8月のISM非製造業景気指数は上昇して米個人消費が堅調な可能性を示唆しました。米国景気が想定以上に底堅いことを背景に、日米の政策金利差に着目したドル買い円売りが入りやすいとみられます。

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