
金融政策の見通しを巡りFOMC議事要旨に注目 引け後にエヌビディアが決算発表
今晩はFOMC議事要旨に注目。昨日は米国債利回りの低下が支援となる中、エヌビディアやマイクロソフトなどが上昇し、主要3指数がそろって上昇。ダウ平均が203.76ドル高(+0.58%)と2日続伸し、3カ月ぶりに35000ドル台を回復。S&P500とナスダック総合はそれぞれ0.74%高、1.13%高となり、ともに5日続伸となった。11月月初来では、ダウ平均が6.35%高、S&P500が8.43%高となり、ナスダック総合は11.15%高と2桁高となった。S&P500は年初来高値まで2.02%に迫り、個別銘柄ではマイクロソフトやエヌビディアなどが上場来高値を更新した。
今晩の取引では金融政策の見通しを巡り、取引時間午後に公表される10月31日-11月1日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目が集まる。11月FOMCでは政策金利が据え置かれたが、議事要旨はタカ派的な内容も予想され、議事要旨を受けた米10年債利回りの動向が注目される。決算発表では引け後にエヌビディアの発表が予定されており、発表を控えた株価動向にも要注目か。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC議事要旨のほか、10月中古住宅販売件数など。企業決算は寄り前にアナログ・デバイセズ、ロウズ、ベストバイ、メドトロニック、引け後にエヌビディア、HP、オートデスクなどが発表予定。
(執筆:11月21日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通しは予告なく変更されることがあります
ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン氏は、25日に予定されているパウエルFRB議長の講演について「よりバランスの取れたトーン」になると予想。「政策金利を高い水準に長期間とどめる必要性を強調しつつ、引き締めサイクルの終了を示唆する」との見通しを示した。
他方、景気減速にもかかわらず、労働市場は依然として著しく引き締まっているとの認識が示された。ヘルスケア、対面型サービス業(飲食・宿泊)、建設業などの人手不足は依然として深刻で賃金上昇圧力が強く残存しているとの指摘があったが、一方で多くの参加者の意見として最近は離職率の上昇、名目賃金の伸び率鈍化など、労働市場の需給改善を示す兆候がみられているとの言及があった。その上で失業率は現在の極めて低い水準から小幅に上昇し、人手不足感は緩和していくとの見通しが示された。
ダウ平均構成銘柄以外では、投資ファンドが法的拘束力のある買収提案を準備していると伝わった百貨店のコールズ(KSS)が12%近く上げています。百貨店のノードストローム(JWN)も決算で売上高が市場予想を上回り最終黒字となったことで14%高となっています。住宅建設大手のトール・ブラザーズ(TOL)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで8%近く上昇しました。また、主力ハイテク株が堅調で電気自動車のテスラ(TSLA)が5%近く上げ、動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%以上上昇しました。取引終了後に決算を発表した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は5-7月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。
個別株ではネットワーク用セキュリティーソリューションを提供する米パロアルト・ネットワークスは、ウォール街の予想を上回る年間請求額を見通したことから、株価が急伸した。英競争当局は半導体メーカー、ブロードコムによるクラウドコンピューティング企業ヴイエムウェアの610億ドル(約8兆9000億円)規模の買収計画を承認した。電気自動車(EV)のニコラが急落。最近起きたバッテリー火災が影響し、年間納入台数の目標を達成できない可能性があると警告した。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘等を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針等と常に整合的であるとは限りません。
コメント