「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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目次
今日のドル円 トレードシナリオ
テクニカル分析で環境認識
①日足:ダブルトップのネックライン下抜け・・・151.90円台を高値にダブルトップを形成するとネックライン149.00円付近を終値で下抜けました。また、RSIが30ラインに向けて下落し売りバイアスが強まっています。仮に147円を割り込んだ際は100日移動平均線やダブルトップの高値からネックラインへの値幅を再下落した場合の146.40-50円付近も視野に入ってきそうです。
ドル/円 日足チャート
トレード方針:売り目線
②相場展開の予想・・・日足チャートを見ると10・20・80日移動平均線を下抜けたこともあり短期下落トレンドは継続です。そのため、売り目線で考えて行きたい場面です。
③トレードタイミング・・・戻り売りポイントは、148.00円‐148.20円や148.50円付近と見ます。ただ、下落ペースから148円台へ戻さない可能性も考えられますので、場面をしっかり見極めて売り場を探っていきましょう。
ドル/円 60分足 ネオチャート(図1)
ドル/円 外為注文情報(図2)
https://www.gaitame.com/markets/order/
注目経済指標・イベント
④ポイント解説・・・ 今夜は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に注目が集まります。11月FOMCでは9月に続き政策金利を据え置きました。消費者物価指数(CPI)が鈍化傾向にあることなどから市場では利上げ終了観測が強まっています。仮に議事録の内容から利上げ終了の可能性が読み取れた場合は一段のドル安となりそうです。
11/21(火)
19:15☆ベイリーBOE総裁講演
22:30 カナダ10月消費者物価指数
24:00 米10月中古住宅販売件数
25:00☆ラガルドECB総裁講演
26:00 シュナーベルECB専務理事講演
28:00☆FOMC議事録
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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米ドル(USD)は世界最大の取引量を誇る「基軸通貨」です
アフターコロナでは、景気回復とそれに伴うインフレ進行がメインテーマとなりました。ロシアの軍事侵攻によるウクライナ情勢の緊迫化も各国のインフレに拍車をかけ、2022年は景気過熱や物価高抑制への対応として、米国は大規模な金融引き締め政策を推し進めました。利上げ局面を迎えたことによる米ドル需要の高まりはすさまじく、日米の金融政策差を背景に、米ドル/円は年初の115円付近から約32%にも及ぶドル高トレンドを形成し、10月に一時151.94円まで上昇しました。この急激な値動きに対応するため、政府・日銀は9月~10月にアジア通貨危機以来24年ぶりとなるドル売り・円買い介入を実施、為替介入額としては過去最大規模となる9兆1,881億円となりました。11月に入ると、米国のインフレ率のピークアウトや利上げペース減速を織り込む動きから、米ドル/円は140円割れ水準まで下落しています。
円安はその後も進み、10月には一時1ドル152円近くまで上がりました。その後多少円高方向に戻したものの、2022年(令和4年)年末時点でも130円台で、円安の状況は変わりませんでした。
一方、ドル円が151.40台の突破に成功する場合、次の焦点は151.75レベルのトライとなろう。この水準も新たなレジスタンスポイントとなる可能性がある。
※前回変動幅...前回の発表時から10分間でドル円が何pips変動したか。
2023年前半にかけての米ドル/円は、米国の金融政策と、日銀の金融政策修正への思惑に絡んだ相場が予想されます。例年より高いボラティリティが続きそうなため、活発な値動きを味方につけられれば、トレードチャンスは多いと言えそうです。
米金利の低下幅拡大する場合は、米ドル高の圧力をさらに後退させる要因となろう。
反発の局面では151.40台の突破が焦点に 一方、上で述べたサポートの水準が意識され、ドル円(USD/JPY)が反発する場合(150円台の維持に成功する場合)は、新たなレジスタンスの水準として意識され始めている151.40台の攻防が焦点となろう。
米ドル(USD)は世界最大の取引量を誇る「基軸通貨」です。「アメリカドル」、「USドル」とも呼ばれ、世界中で貿易や金融取引に広く使われている決済通貨であり、流動性が非常に高く安定しています。その影響力は大きく、米国が利上げ局面を迎えるとドル高を背景にした新興国不安が強まるほどです。報道などから伝わる情報も豊富にあり、FX取引をする際にも多くの判断材料を簡単に得ることができるでしょう。また、戦争や災害、世界的な経済危機などが発生した際に、流動性の高い米ドルの需要が高まることがあります。これを「有事のドル買い」と呼びます。もっとも、米国の地政学リスクが意識されるような場面ではドルが売られるケースもあり、常に「有事のドル買い」が起きるわけではないですが、通貨として米ドルの影響力は非常に大きいと言えます。
現在続いている円安は、2022年(令和4年)3月中旬頃から始まりました。3月上旬まで1ドル115円前後で推移していた為替相場が、円安方向に大きく動いたのです。4月下旬には約20年ぶりに、1ドル131円台となりました。
長きにわたりFX取引の中心的な存在である米ドル/円、2022年9月には国内の店頭FXにおける売買額が1,000兆円を超えるなど取引が活発になっています。みんなのFXでは取引コストにあたるスプレッドを業界最低水準に引き下げ、お取引しやすい環境をご提供しています。また金利差にあたるスワップポイントも、常に高水準を提供できるよう、カバー取引先との交渉を重ねています。米国の金利が上昇している中、米ドル円を買いで保有することで受け取ることができるスワップポイントも上昇しており、長期保有も一つの戦略になります。もちろん、みんなのFXでは1,000通貨から取引が可能で、約5,600円の証拠金を預けることで取引を始められます。(1米ドル=140円で計算した場合)FX取引を初めたばかり方も、少ない資金から取引が始められます。ぜひ、みんなのFXで米ドル/円の取引をご検討ください!
ここまで述べたように、米国のFRBはインフレ対処のため、積極的な利上げ姿勢を継続しています。米国が利上げを開始した2022年3月以降、日米の金融政策差・金利差に着目したトレードが活発化したことで、歴史的な円安トレンドが形成されました。ただ、11月からはマーケットが新たなステージへの移行を予期させています。ここまでの円安トレンドは落ち着きを見せ、米ドル/円もこれまでのように上昇一辺倒とはいかないでしょう。その背景には、FRBの対応が功を奏し、消費者物価化指数(CPI)は7月以降から鈍化傾向であること、11月のFOMCにて、パウエルFRB議長からも今後の利上げペース減速が望ましいことが示唆されている点が挙げられます。当面は米国の利上げ軌道への思惑に振らされる展開となりそうですが、急速に上昇した反動を考慮すると、ドル売り調整で一段下落する局面も想定されます。とりわけFRBの金融政策の見通し面にアンテナを高くして臨みたいです。一方で、パウエル議長はインフレ圧力次第で、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)が従来の想定を上回る可能性も示唆しています。そのため、利上げのスピードが緩められても最終的な金利見通しが引き上げられれば、利上げ局面が長期化する可能性もあります。こういった状況において対円でドルが売られ続ける展開は考えにくいともみれますので、FOMCやインフレ指標を丁寧に読み解いていきたいです。引き続き経済・景気の底堅さが意識されればドル優勢の地合いとなり、米ドル/円の下値は限定的で、再び140円半ばにかけて上値を伸ばす可能性も想定されます。景気・雇用関連指標の内容にも気を配りつつ、テーマの切り替わりに応じた売・買メリハリのあるトレードを心掛けたいです。
商務省国勢調査局(USCB)が毎月発表する住宅関連の指標です。実際に建設が開始された住宅件数の年率換算データで、景気関連の先行指標として広く知られています。住宅投資が盛んな米国では、住宅指標にドル相場が敏感に反応することも多く、米国の金利が上昇する局面では注目度が高くなります。
今年後半に入ってからも、円安はおさまっていません。8月には1ドル145円前後となり、一時は147円台に到達しました。9月に入ってからも、同水準の為替相場が続いています。
2023年(令和5年)に入ってからも、円安は続いています。1月には一時1ドル127円台と円高に動きましたが、その後は再び円安が進んでいる状況です。5月末には1ドル140円台となり、それ以降ほぼ1ドル140円台で推移しています。
ドル円が50日線をも下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準149.06レベルの攻防が焦点として浮上しよう。
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