
下影同事線引け。下ひげをともなう足型を形成して下げ渋る展開が続いている。まだ上昇余地がある転換線付近の底堅さが続くか。ただ、同線は、現状からすれば来週早々にも97.73円で頭打ちとなる公算。上向きの流れを継続するためには、同線のピークアウト前にレンジを切り上げ始める必要がある。
レジスタンス1 97.73(11/20高値)
前日終値 97.29
サポート1 96.84(11/21安値)
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
テクニカル 日足テクニカル 豪ドル円転換線ピークアウト前にレンジ切り上げたい
日経225先物(12月限)は前日比740円高の3万2640円で取引を終了。寄り付きは3万2150円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1990円)を上回り、買い先行で始まった。直後に付けた3万2130円を安値に強いトレンドを継続し、現物の寄り付き時には心理的な抵抗線として意識されていた25日、75日移動平均線を明確に上放れた。これによりヘッジ対応の動きが強まり、前場終盤にかけて3万2400円を回復。後場は小動きながらもじり高で推移。終盤にかけて一気に上げ幅を広げ、一時3万2660円まで買われた。 日経225先物は、米長期金利の低下を受けた米株高の流れを引き継ぐ格好となった。昨日同様、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが日経平均株価を牽引しており、バリュー株からグロース株へのリバランスの動きが一段と強まった格好だ。この日経平均型優位の需給によって、NT倍率は先物中心限月で13.92倍に上昇した。14.05倍近辺に75日、200日線が位置しており、まずは14.00倍台を想定したNTロングによるスプレッド狙いに向かわせているようだ。 また、NT倍率は6月半ばに付けた14.69倍をピークに、TOPIX型優位の展開により9月下旬には13.55倍まで低下した。このところのリバランスによってNTショートの巻き戻しが入っているものの、14.00倍辺りを明確に上放れてくると、一段とリバランスが強まる可能性があろう。 そのきっかけだが、9月の米消費者物価指数(CPI)がポイントになりそうだ。予想を大きく上回るようだと、米金融引き締め長期化への懸念が再び高まる可能性はあるものの、米高官らのハト派発言、これを受けた米長期金利の低下によって、ショートポジションを圧縮しておきたいところである。CPIの結果を受けた今晩の米国市場が下げに転じたとしても、底堅さがみられるようであれば日経平均型優位での一段の上昇が見込まれる。 明日の特別清算指数算出(SQ)に向けて大きくレンジを切り上げたこともあり、オプション権利行使価格の3万2500円処で底堅さがみられると、節目の3万3000円、9月半ばにつけた3万3450円が射程に入ってきそうだ。急ピッチの上昇に対する反動で25日、75日線辺りまで調整を見せてくるようであれば、まずは押し目狙いのロング対応に向かわせよう。 手口面では、日経225先物はバークレイズ証券が2637枚、ゴールドマン証券が1938枚、ビーオブエー証券が1747枚、モルガンMUFG証券が1497枚、ドイツ証券が1223枚の買い越しに対して、ABNクリアリン証券が2514枚、ソシエテジェネラル証券が1733枚、シティグループ証券が1541枚、SBI証券が1203枚、野村証券が982枚の売り越しだった。 TOPIX先物は、JPモルガン証券が3344枚、ドイツ証券が1115枚、ソシエテジェネラル証券が844枚、野村証券が648枚、ゴールドマン証券が254枚の買い越しに対して、バークレイズ証券が2999枚、BNPパリバ証券が1219枚、シティグループ証券が1044枚、UBS証券が627枚、ビーオブエー証券が369枚の売り越しだった。
東証プライムの値上がり率上位10傑は(1)FPパートナ 、(2)ローツェ 、(3)サイゼリヤ 、(4)大阪ソーダ 、(5)テクノスJ 、(6)野村マイクロ 、(7)トリケミカル 、(8)吉野家HD 、(9)アイル 、(10)エンプラス 。
■NY株式:NYダウは65ドル高、ハイテクが支援 米国株式市場は続伸。ダウ平均は65.57ドル高の33,804.87ドル、ナスダックは96.83ポイント高の13,659.68で取引を終了した。 連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了期待を受けた買いが続き、寄り付き後、上昇。ただ、9月生産者物価指数(PPI)の伸びが予想を上回ったほか、FRBのボウマン理事がインフレ抑制で追加利上げの必要性を指摘しタカ派姿勢を維持するなど高官の見解が分かれ、下落に転じた。FRB公表の9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録ではインフレ抑制で高金利を当面維持していく必要性が強調され、政策を慎重に進める姿勢が示されたため下値も限定的となった。金利の低下を受けてハイテクが買われ相場を押し上げ。終盤にかけダウもプラスに回復し終了した。セクター別では不動産が上昇した一方で、ヘルスケア機器・サービスが下落。 独立系の石油・ガス探鉱生産会社のパイオニア・ナチュラル・リソーシズ(PXD)は、石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)と同社買収で合意したと発表し、上昇。エクソンモービル(XOM)は売られた。また、カジノなどリゾート施設運営会社のシーザーズ・エンターテインメント(CZR)は世界ゲームエクスポ最中のラスベガスで投資家説明会を催し、アナリストに地域の需要の強さを強調、アナリストの投資判断引上げなどに買われた。 自動車関連融資を手掛けるアライ・ファイナンシャル(ALLY)はブラウン氏が最高経営責任者(CEO)・取締り役員を来年初めに辞任すると発表、サプライズととらえられ、下落。人工透析治療サービスを提供するダビーダ(DVA)やバクスターインターナショナル(BAX)は、医薬品メーカーのノボ・ノルディクス(NVO)が主力製品、成人2型糖尿病の治療薬オゼンピックの腎不全治療を巡る治験でその有効性が見られたと発表したため、それぞれ大幅下落した。 サンダルメーカーのビルケンシュトック(BIRK)はNY証券取引所に上場。初値は上場価格を11%下回った。
11日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。9月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.5%上昇と、予想を上回ったことが重荷となる場面も見られた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、年内あと1回追加で金利を引き上げ、その後は高水準の金利を当面維持すべきと判断していることが明らかになった。ただし、政策を慎重に進める姿勢が示されたため、次回FOMCでは政策金利を据え置くと受け止められた。これを受けて米長期金利が連日で低下し、ハイテク株などを買い直す動きが継続した。S&P500業種別指数は自動車・同部品、銀行、公益事業が上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器、保険、ソフトウエア・サービスが下落。 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比90円高の3万1990円だった。日経225先物(12月限)は日中比70円高の3万1970円で始まり、直後に3万1870円と下げに転じたものの、売り一巡後はリバウンド基調を継続し、米国市場の取引開始直後には3万2080円まで買われた。中盤に利食い優勢となり3万1860円と下げに転じたものの、終盤にかけて再び強含み、3万2020円でナイトセッションの取引を終えた。 シカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まりそうだ。米PPIは予想を上回る上昇となったが、このところ米金融当局の高官らが追加利上げに慎重な姿勢を示しているほか、米長期金利が連日で低下していることが材料視されよう。ただし、ナスダックは25日移動平均線を突破し75日線に接近してきたが、NYダウは200日線水準での上値の重さが意識されている。9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、やや神経質にさせそうだ。 そのため、日経225先物は3万2000円を挟んだ膠着感が強まりやすいとみられ、底堅さを見極めつつ、25日、75日線が位置する3万2200円前後を狙った押し目狙いのスタンスになろう。昨日は日経平均型優位の展開となったが、リバランス中心のなか本日も同様の展開を想定しておきたい。また、10月の特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、3万2200円水準を捉えてくるようだと、ヘッジ対応に伴うロングが強まる可能性もあろう。 米CPIが市場予想から大幅に上振れすれば、米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げを決める可能性もあるため、積極的にロングに傾けるトレードは限られる。これまで積み上がっていたバリュー株のリバランスのほか、SQを控えたヘッジ対応の動きであることは意識しておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万2000円を中心とした3万1875円から3万2250円のレンジを想定し、25日、75日線を捉える局面では権利行使価格の3万2375円に上限を引き上げる。 VIX指数は16.09(前日は17.03)に低下した。前日に支持線として意識されていた200日線を下回っていたが、一段の低下で25日線を割り込んできた。VIX指数の上昇を狙ったポジションのカバーも意識されやすく、リスク選好に傾きやすいだろう。 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.84倍に上昇した。上値抵抗線として機能していた25日線を明確に上放れてきた。NTショートの巻き戻しが強まりやすく、前日の反動がみられたとしても、押し目ではNTロングによるスプレッド狙いに向かわせよう。目先的には200日線が位置する14.04倍辺りが意識されてきそうだ。
■東京市場概況 前日の米国市場では、NYダウは前日比65ドル高と4日続伸した。米卸売物価指数(PPI)の伸び率鈍化を受け、長期金利が低下し買いが優勢となった。 東京市場では、主力株をはじめ広範囲にリスクを取る動きが優勢となり、日経平均株価は大幅高で3連騰、結局この日の高値で引けている。 12日の東京市場は、日経平均が朝方高く始まった後も先物主導で一貫して下値を切り上げる展開で、3万2000円台半ばで高値引けとなる終始リスク選好ムードの強い地合いだった。前日の米国株市場では、物価指標の発表を受けて金融引き締め長期化への警戒感が後退、米長期金利の低下を背景にハイテク株を中心として買いが優勢となり、これを引き継いで東京市場でも半導体関連株を主軸に全体相場が押し上げられる形となった。明日のオプションSQ算出を前に損失確定目的の空売り買い戻しを誘発、後場の取引では、先物に引っ張られる格好で日経平均は一貫して水準を切り上げる動きとなった。プライム市場の値上がり銘柄数は全体の7割強を占めた。また、売買代金は5営業日ぶりに4兆円台に乗せている。 個別では、6000億円を超える記録的な売買代金をこなしたレーザーテックが連日の急伸となったほか、売買代金2位の東京エレクトロンや、ディスコ、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクストといった半導体主力株が軒並み高。トヨタ自動車が活況高、三菱商事も高い。三菱重工業が買い人気を集め、日立製作所も大きく買われた。FPパートナーが急騰、ローツェ、サイゼリヤはストップ高に買われた。 半面、日本製鉄、日本郵船が利食いに押され、INPEXも冴えない。セブン&アイ・ホールディングス、テルモも軟調。リズムが急反落で値下がり率トップに。コスモス薬品、コシダカホールディングス、トレジャー・ファクトリー、エービーシー・マートなども大きく値を下げた。 日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄は東エレク 、アドテスト 、ファストリ 、TDK 、信越化 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約197円。 日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はテルモ 、KDDI 、オリンパス 、エムスリー 、花王 。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約27円。 東証33業種のうち上昇は28業種。上昇率の上位5業種は(1)電気機器、(2)機械、(3)輸送用機器、(4)石油石炭製品、(5)ガラス土石製品。一方、下落率の上位5業種は(1)鉱業、(2)パルプ・紙、(3)海運業、(4)空運業、(5)陸運業。
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