午前の為替予想は… 下ヒゲ陽線が底入れを示唆
作成日時 :2023年11月22日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
ドル円予想レンジ
147.700-148.900円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は2カ月ぶり安値から反発。米感謝祭を控えた持ち高調整と見られるドル売り・円買いが先行すると9月14日以来の安値となる147.15円前後まで下落した。しかし、一巡後は自律的に148円台を回復。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が早期の利下げ転換に否定的な見方を示すと148.60円前後まで持ち直した。日足は長い下ヒゲが目立つ小陽線となり、ひとまず底入れした可能性を示唆。
本日は戻りを試す展開となってもおかしくなさそうだ。ただ、明日23日は日本が勤労感謝の日で祝日となり、米国は週末にかけて感謝祭休暇に入る。このため、市場の動意は高まりにくいだろう。148.80円台を通る日足一目均衡表の雲上限などが上値を抑えると見られ、149円台への反発は難しいと見ておきたい。なお、本日のNY市場では米新規失業保険申請件数が発表される。先週の急落の一因となった指標だけに本日も注目したい。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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ドル円午前の為替予想 ひとまず底入れも上値は重いか 2023
28日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、政府・日銀による介入警戒感が市場に広がって上値が重く、1ドル=144円近辺でもみ合う展開となっている。午後3時現在は、143円95~96銭と前日(午後5時、143円51~52銭)比44銭のドル高・円安。 きょうの東京時間は、財務省の神田財務官の円安けん制発言を受けて、朝方は143円台後半で上値重く推移した。午前10時半に発表された5月の豪消費者物価指数(CPI)のインフレ指標はやや弱い内容となり、豪中銀による追加利上げ期待が後退。豪ドル円が売り優勢となると、ドル円にも波及しやや下押した。ただすぐに買い戻しが入り、内外金利差を意識した買いに弾みがついて正午前には144円04銭前後まで値位置を切り上げた。 正午すぎには143円80銭台まで軟化したが、「下値では買い戻しが入りやすい」(FX業者)こともあり、また144円台へ浮上した。その後は、新規の材料不足に加え、「東京時間は介入警戒感が広がりやすく、上値も重い」(国内証券)ため、144円近辺でもみ合った。 日本時間の今夜予定されているECB(欧州中央銀行)フォーラムでは、植田日銀総裁がパネル討論に参加するが「円買い材料となる発言がなければ、ドル買いの勢いが増すだろう」(先のFX業者)といった予測も聞かれた。 ユーロは午前に比べ対円、対ドルともに横ばい圏。午後3時現在は、1ユーロ=157円69~70銭(前日午後5時、156円98~157円00銭)、対ドルでは1.0954~0954ドル(同1.0938~0938ドル)。
米国経済の減速が明確になり、より大幅なFRBの利下げ期待が生じることと、日本銀行のマイナス金利政策の解除が重なれば、来年末には1ドル130円台まで円安の修正が進むのではないか。
23日の東京外国為替市場で、ドル・円は1ドル=149円台で上値の重い展開とみる。前週末の米国時間も150円ちょうどに急接近する場面があったが、為替介入への警戒感から上値が重くなった。米長期金利の上昇が一服しているほか、前週末の米株安を受けて日経平均株価も軟調推移となれば、週明けのドル・円も弱含みで推移する場面がありそう。もっとも米金融引き締めの長期化観測は根強く、下値も限定的か。きょうは注目したい経済指標の発表やイベントが少ないことから、引き続き150円ちょうどを意識しながら神経質な展開が続きそうだ。
しかしながら、FRBの利上げが最終局面という見方が揺らがない中、米国の長期国債利回りの上昇余地は限られ、その結果、ドル高円安の余地も限られるだろう。最悪のケースでは1ドル155円までの円安を見ておきたいが、実際には150-155円のレンジ内でピークをつける可能性が高いと思われる。
以上の点から、昨年来の歴史的な円安は最終局面にあると見ておきたい。ドル円レートの中長期の均衡水準は1ドル110円~115円程度と考えられ、向う数年かけてその水準まで行き過ぎた円安が修正される可能性があるだろう。
その場合には、かなりのドル安円高となるのではないか。このように米国側の状況を見ると、歴史的な円安は最終局面にあると見える。
昨日のドル/円は2カ月ぶり安値から反発。米感謝祭を控えた持ち高調整と見られるドル売り・円買いが先行すると9月14日以来の安値となる147.15円前後まで下落した。しかし、一巡後は自律的に148円台を回復。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が早期の利下げ転換に否定的な見方を示すと148.60円前後まで持ち直した。日足は長い下ヒゲが目立つ小陽線となり、ひとまず底入れした可能性を示唆。本日は戻りを試す展開となってもおかしくなさそうだ。ただ、明日23日は日本が勤労感謝の日で祝日となり、米国は週末にかけて感謝祭休暇に入る。このため、市場の動意は高まりにくいだろう。148.80円台を通る日足一目均衡表の雲上限などが上値を抑えると見られ、149円台への反発は難しいと見ておきたい。なお、本日のNY市場では米新規失業保険申請件数が発表される。先週の急落の一因となった指標だけに本日も注目したい。
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