日銀マイナス金利解除でも円安止まらない!?FX個人投資家が大予想【外為短観 第178回】

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日銀マイナス金利解除でも円安止まらない!?FX個人投資家が大予想【外為短観 第178回】

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<第178回調査>2024年3月30日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2024年3月22日(金)13:00~2024年3月26日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は647件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:日銀のマイナス金利解除により、今後の円相場の流れはどうなると思いますか
問8:年内に日銀の追加利上げはあると思いますか。また、いつ頃の実施になると思
いますか

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が50.7%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は23.5%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△27.2%ポイントと前月の△28.7%ポイントからややプラス幅が縮小した。
調査期間前後の米ドル/円相場は、日銀がマイナス金利を解除したにもかかわらず円安が進み、27日には1990年以来となる151.97円前まで上昇した。日銀は、緩和的な金融環境を当面維持すると表明しており、日米金利差はすぐに縮小しそうにないことから、個人投資家は米ドル高・円安の見通しを維持しているようだ。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が165.00円、最安値が139.50円となり、高値の平均値は152.84円、安値の平均値は147.41円であった。高値の中央値は152.23円、安値の中央値は148.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から1.5円程度切り上がったのに対して、高値と安値の予想中央値は前月調査時から0.7~1円程度、ドル高・円安にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、39.7%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は22.4%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△17.3%ポイントとなり、前月の△17.5%ポイントとほぼ同水準だった。
調査期間前後のユーロ/円相場は、19日に日銀がマイナス金利解除などを決定したものの、追加利上げは遠いとの見方などから円売りが強まると、20日には165.35円前後まで上伸して2008年8月以来の高値を更新した。個人投資家は日銀の政策転換が円安基調の転換につながるとは見ていないようだ。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が140.00円となり、高値の平均値は165.03円、安値の平均値は159.66円であった。高値の中央値は165.00円、安値の中央値は160.00円であった。前月調査時(最終日)から実勢レートが2円程度切り上がったのに合わせて安値の予想中央値が2~3円程度、ユーロ高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、41.6%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は21.5%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△20.1%ポイントとなり、前月の△19.0%ポイントからプラス幅がやや増加した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、21日の豪2月雇用統計が予想を上回る結果になると豪中銀(RBA)による早期切り下げ観測が後退。円売りが進む中で豪ドル買いも強まると2014年12月以来となる100円台へ一時上昇した。中国経済を巡る不透明感はくすぶり続けるものの、円安主導による豪ドル高・円安基調が続くとの見方が優勢のようだ。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が130.00円、最安値が85.00円となり、高値の平均値は99.92円、安値の平均値は95.77円であった。高値の中央値は100.00円、安値の中央値は96.00円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが1円程度切り上がったのに合わせて、予想中央値は0.7~1.5円程度、豪ドル高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、40.8%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は21.9%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△18.9%ポイントとなり、前月の△18.4%ポイントから僅かに上昇した。
調査期間前後の英ポンド/円相場は、20日に193.53円前後まで上伸して2015年8月以来の高値を付けたがその後反落。21日の英中銀(BOE)金融政策委員会(MPC)で、前回利上げを主張した2人が据え置き支持に回ったほか、1人が利下げを主張したことから、英ポンド/円は伸び悩む展開となった。BOEはインフレ鈍化を受けて利下げの検討を始めた模様だが、それでも個人投資家は英ポンド高・円安の流れに変化はないと見ているようだ。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が199.00円、最安値が175.00円となり、高値の平均値は192.76円、安値の平均値は186.92円であった。高値の中央値は192.53円、安値の中央値は187.58円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが2円程度切り上がったのに合わせて予想中央値は前回から2~2.5円程度の上方シフトとなった。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が43.6%で最も多かった。次いで「円」が24.6%、さらに「メキシコペソ(11.1%)」、「豪ドル(4.9%)」、「トルコリラ(4.8%)」、「英ポンド(3.7%)」、「ユーロ(3.1%)」と続いた。「米ドル」と「円」はそれぞれ前回より回答割合がやや低下したが順位に変動はなかった。一方、3位のメキシコペソは前回の8.8%から回答割合を伸ばした。なお、「米ドル」が最も強くなると答えた向きの多くは、その理由として「米経済は堅調」、「FRBの利下げが遅れると思う」などと回答した。FRBの金融引き締めにもかかわらず、米経済が他の国や地域よりも強く見えることが個人投資家の米ドル強気姿勢を支援していると考えられる。そのほか、「大統領選でトランプ氏が優位だから」との意見も散見された。トランプ氏の上げ潮政策が米経済をさらに拡大させると見る向きが少なくないようだ。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が43.7%と最も多かった。次いで「米ドル」が21.0%、さらに「中国人民元(7.4%)」、「ユーロ(6.6%)」、「トルコリラ(5.9%)」、「スイスフラン(3.7%)」、「英ポンド(3.2%)」と続いた。今回も「円」が大差を付けてトップの座を維持しており、日銀が17年ぶりに利上げを行なったものの、個人投資家の円弱気見通しを改善させるには至らなかったようだ。なお、「円」が最も弱くなると答えた向きからは「追加利上げは難しい」、「マイナス金利を解除しても依然として低金利」などと、金利面のビハインドを理由に挙げる声が多かった。また、「マイナス金利の解除で円高材料が出尽くした」との意見もあった。そのほか、「リスクオンの円売りが続く」との見方や「介入があっても円安は止まらない」との声もあった。

問7:日銀のマイナス金利解除により、今後の円相場の流れはどうなると思いますか

今回の特別質問として「日銀のマイナス金利解除により、今後の円相場の流れはどうなると思いますか」と尋ねたところ「今と変わらず円安が進行」との回答が41.3%と最も多かった。次いで「緩やかに円高が進行」が34.0%、「円高進行も一時的」が21.3%、「大きく円高が進行」が3.4%だった。日銀がマイナス金利を解除した3月19日以降、調査期間にかけて円安が進行した市場の動きに回答が引きずられた面もありそうだが、それを差し引いても日銀の政策転換が円安を止める切り札にはならないと見ている投資家が多いことがわかった。回答の理由を自由記述形式で尋ねたところ、「今と変わらず円安が進行」とした向きからは「0.1%程度の利上げでは金利差が縮まらない」、「マイナス金利解除は織り込み済み」、「今後、追加利上げはありそうにない」などとの答えが寄せられた。一方、「緩やかに円高が進行」とした向きは「アメリカが利下げに転じれば円高になる」、「各国で景気後退懸念が徐々に顕在化し始める」などのほか、「日銀の姿勢に変化を感じた」、「日銀は少しずつ金利を上げる」との声もあった。

問8:年内に日銀の追加利上げはあると思いますか。また、いつ頃の実施になると思いますか

今回のふたつ目の特別質問として「年内に日銀の追加利上げはあると思いますか。また、いつ頃の実施になると思いますか。」と尋ねたところ「年内に追加利上げは行わない」が43.9%で最も多かった。続いて「7月以降に追加利上げ」が35.1%、「6月に追加利上げ」が13.4%、「4月に追加利上げ」は7.6%だった。日銀がマイナス金利を解除した上で、当面は緩和的な金融環境を維持すると表明したことから「年内追加利上げなし」の予想が多いことは頷けよう。ただ、過半数が時期は別として年内に追加利上げがあると見込んでいる点はやや意外であった。問7の自由記述回答でも見られたように、日銀が小幅とはいえ17年ぶりの利上げに踏み切った姿に、何らかの姿勢の変化を読み取った向きが少なくなかったのかもしれない。

本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社外為どっとコム総合研究所ならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。 Copyright©2024Gaitame.com Research Institute Ltd. All Rights Reserved. https://gaitamesk.com/

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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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日銀マイナス金利解除でも円安止まらないFX個人投資家が大予想 外為短観 第178回

日銀は見直しの理由として、賃金と物価の好循環が確認され、物価上昇率2%が安定的に達成されることが「見通せる状況に至った」ことを挙げた。植田和男総裁は19日の記者会見で、春闘の第1回回答集計での賃上げ率が5.28%という高い水準だったことに加え、消費者物価指数(CPI)でのサービス価格の緩やかな上昇が続いていることや、2023年10-12月期GDP改定値で企業の設備投資の水準が上方修正されたことなども大規模金融緩和終了を決断した背景になったと説明した。

一方、FRBからの情報発信が想定の範囲内なら、金利の先高観はさほど高まらないことも考えられる。日銀の大規模金融緩和終了も背景となって、今後、円高圧力が働き、日経平均を下押しする可能性も残っていそうだ。

ただ、2013年から続けられてきた日銀による「異次元の」金融緩和が終了し、短期金利の操作を政策手段とする伝統的な金融政策に戻ったことで、今後はこれまでよりも日本の金利が上がりやすくなったことも確かだ。日銀はYCC撤廃後も、「長期金利が急激に上昇する場合」には機動的な国債購入でブレーキをかける方針だが、長期金利の上昇が緩やかであれば容認するとも考えられる。また、企業の賃上げが中小企業にまで広がれば、個人消費の強まりが物価上昇圧力として働き、日銀が今後、さらなる利上げを視野に入れる可能性も拭えない。この場合は、FX市場で円高が進み、株安の引き金になる材料ともいえそうだ。

一方、植田氏は記者会見で「基調的な物価上昇率がまだ、今、2(%)には達していないという風に考えている」とも言及。日銀は声明文の中で、現時点での経済や物価の見通しを前提にすれば、「当面、緩和的な金融環境が継続する」との見方も強調している。

こうした金融緩和継続のメッセージを受けて、FX市場では円安が進行した。ドル円相場(USD/JPY)では日銀の発表後に円売りが加速し、植田氏の記者会見中には一時、1ドル=150.49円をつけた。見直し発表直前の水準(149.30円程度)から、1.20円程度の円安ドル高が進んだ形だ。ユーロ円(EUR/JPY)相場やポンド円(GBP)相場でも、日銀の発表後に円が安くなっている。

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