来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「インフレ加速、雇用は強い!それでもRBAは様子見か?」ハロンズ FX 2024/6/15

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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「インフレ加速、雇用は強い!それでもRBAは様子見か?」ハロンズ FX 2024/6/15
 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は103.08円前後で、NZドル/円は95.65円前後で週初を迎えました。週前半は豪ドル、NZドルともに独自の材料に乏しく対外要因での動きとなりました。その中で、日米株価の上昇や米金利上昇による円売りの影響もあり、豪ドル/円、NZドル/円ともに下値を切り上げる動きとなりました。12日に発表された米5月消費者物価指数(CPI)は米長期金利の低下と株価の上昇に、同日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は米長期金利の上昇と株価の下落に繋がる好悪両方の材料となりました。ただ、豪ドル/円、NZドル/円はそれぞれ都合の良い受け止め方(株上昇による資源国通貨買いと金利上昇による円売り)をしました(執筆時)。

豪労働市場ひっ迫の緩和和続くか?

RBAは前回5月の会合では政策金利を4.35%で据え置きました。声明では根強い物価上昇圧力に警戒感を示したものの、政策運営を巡るスタンスは中立を維持しました。

その後発表された豪州の主要経済指標を見ると、4月の雇用統計で雇用者数は予想以上に増加しましたが、パートタイマーの増加が要因でした。そして失業率は4.1%に悪化しており、豪州の労働市場のひっ迫はやや緩んできた印象を与えました。こういった労働市場の軟化が続けばRBAの利下げへのハードルが徐々に低くなると見られていました。しかし今週の13日に発表された5月の雇用統計では正規雇用者が大幅に増加し、失業率は4.0%へ低下。労働市場の状況はもう少し見極める必要がありそうです。

次にCPIですが、豪4月CPIは前年比+3.6%となり、2カ月連続でインフレが加速していることを示しています。月次CPIは四半期CPIの補助的な役割とは言え、利下げを後押しする内容ではありません。

5日に発表された豪1-3月期国内総生産(GDP)は前期比+0.1%となり予想や前回(+0.2%、+0.3%)を下回りました。そして小売売上高は3月に前月比-0.4%を記録した後、4月は+0.1%と小幅な増加となっています。4月の小売売上高の前年比は+1.3%で、豪州の人口増加率が年率で2%を超えていることを考えると消費の伸びは弱いです。これは高金利や高インフレによる物価や居住費の増加が豪州の家計を圧迫しているためです。
経済の弱さを見ると利下げをして経済を支えたいところですが、インフレが鈍化どころか再び加速を見せているため来週のRBA理事会で利下げという選択肢を選ぶ可能性はかなり低そうです。では利上げの可能性はどうでしょうか?5月のRBA理事会の議事録には「利上げか据え置きかを議論した」との文言がありました。インフレが再加速しているのであれば利上げの可能性も考えられます。ただ、RBAが5月に公表した金融政策報告では6月時点のインフレ率は+3.8%となっています。2カ月連続で加速を示していますが、RBAの予想を上回るペースでのインフレ再加速ではありません。そのため、利上げの可能性も低そうです。
市場も今回のRBA理事会では据え置き予想となっていますので、今回の注目は声明やブロック総裁の発言内容となりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は今週も104円台後半で上値を抑えられました。目先の上値目途は4月29日高値(104.95円前後)。その上は2013年4月11日高値の105.41円前後が次の上値目途として意識されそうです。一方で下値ですが、執筆時には日足一目均衡表・基準線がサポートとして機能しています。来週はこの基準線が103.72円前後で横ばいとなります(期間中の高安、104.859円と102.615円前後を抜けなければ)。今週急上昇して日々線に接近していますので、基準線が引き続きサポートとして機能するか注目です。その下では6月4日の安値(102.62円前後)、日足一目均衡表・雲が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:102.50-106.00、NZD/JPY:95.50-98.50

6/17週のイベント:

06/17 (月) 11:00 中国 5月小売売上高
06/17 (月) 11:00 中国 5月鉱工業生産
06/18 (火) 13:30 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
06/19 (水) 07:45 NZ 1-3月期四半期経常収支
06/20 (木) 07:45 NZ 1-3月期四半期国内総生産(GDP)

一言コメント:

先週末に木更津へ潮干狩りに行ってきました。 出発が遅れ、渋滞に巻き込まれたため、現地に着いたのはお昼過ぎ。時間的には遅かったのですが、ほかの方が既に帰っていたため、比較的すいていました。肝心のアサリですが、少し掘るとすぐ見つかるため小一時間で大漁でした。小さい子連れにはちょうど良かったです。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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来週の為替予想 豪ドル 円

ドル円が再び160円台まで上昇する過程で、今回のドル高局面で3回目となる介入が実際にあるのかどうかが、今後の相場を見る上で非常に重要なポイントになります。介入があれば、「絶対に160円以上の円安は許容しない」といった財務省の強い意志を確認できる一方、介入がないとすれば、「やはり、米財務省が合意できない介入には、踏み切れない」として、円売りが加速する可能性もありそうです。予想外に強い米景気を背景に米金利の上昇が続き、ドル円は日米金利差に着目した「キャリートレード」の側面が大きく、いわば「ファンダメンタルズに沿った取引」だと言えなくもありません。要は、米国で景気抑制的な金融政策の効果が、労働市場と個人消費に明確に「傾向として表れて来る」まではドル高傾向は変わらないということのようです。個人投資家の動きを見ても、「ドルが下げたら買いたい」といった姿勢は変わらず、ドル安に転じるにはこれが、「ドルの戻りを売りたい」という風なセンチメントに変わることが必要です。

ECBの政策決定は欧州市場だけではなく、来週にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控える米国市場にとっても重要だ。欧州のインフレの性質は米国と類似している。ECBが利利下げを決定するに至ったプロセスを知ることはFRBの政策を予想するうえで重要な情報となる。

また、豪州経済のファンダメンタルズの安定も、今後の豪ドル相場を支えると考えられます。

キャリートレードは、金利差と同じくらいに、通貨が安定していて値動きが小さいことが必要条件だが、その前提が崩れようとしている。またキャリートレードの急速な解消にともない、低金利で調達通貨となっていたスイスや円が買い戻された。メキシコペソ円は高パフォーマンスのキャリートレードとして人気が高かったが、2日間で10%も下落して大量の円ショートの手じまいが発生した。これが円高の「追い風」となった。

※前回変動幅...前回の発表時から10分間でドル円が何pips変動したか。

クロス円は一転下落。日銀の国債買い入れ減額見送りでアジア時間は堅調に推移していたものの、欧州タイムには仏政局不安による仏株下落に伴って一転リスクオフムードへ。時間外のダウ先物が240ドル超下げ、日経平均先物も370円安まで下げ幅を拡大するなか、ユーロ円は167.92円、ポンド円は199.74円、豪ドル円は103.87円、NZドル円は96.33円までそれぞれ本日安値を更新している。

2024年の豪ドル相場を見通す上では、米国と豪州の金融政策の方向性が重要なカギを握ると考えられます。

ドル円は先週末の米5月の雇用統計の結果を受けて大きく買われ、再び157円台までドル高が進みました。週明けの東京市場では朝方はドル売りに押され、やや下落しましたが、午後には前日のNY市場での高値を抜き、本稿執筆時時点では157円19銭まで小幅に続伸しています。米金利の上昇に素直に反応したわけですが、目先の焦点は160円台で大規模なドル売り介入で水準を切り下げられた後の戻り高値である、157円70−80銭の水準を上回ることが出来るかどうかという点です。この水準は現時点では戻りの目安とされ、やや壁になりつつあります。仮に、この水準を上回るようだと、再び政府・日銀の介入に対する警戒感が高まり、介入を誘い出すことになる可能性があります。

もっとも、キャリートレードは瞬く間に再開し、ドル/円も円安に戻っている。しかしまだ安心はできない。南アやメキシコの政治情勢は不透明なままだ。明日(7日)は米雇用統計が発表される。昨日のADP雇用データは予想を下回る弱さだった。来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)の直前に米CPI(消費者物価指数)が発表されるが、ガソリン価格の低下で大幅に下落するとの予想がでている。FOMCが予想以上にハト派姿勢になればドル売り/円買いが再開する可能性があるだろう。

こうした中、市場では米国との金利差縮小を背景に対米ドルでの豪ドルの上昇が見込まれており、通貨分散先として豪ドルへの見直しが進む可能性があります(図7)。

欧州市場でドル・円は失速し、午後の158円台から157円前半に値を下げた。欧州株式市場で主要指数が連日の大幅安となり、リスク回避的なムードが広がる。安全通貨のドルと円が買われ、ドル・円は円買いに押される展開、クロス円は軟調地合いに。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は157円23銭から157円71銭、ユーロ・円は168円18銭から168円95銭、ユーロ・ドルは1.0684ドルから1.0711ドル。

2024年113営業日目は154.79円からスタート。東京時間朝に少しだけ下げて安値154.77円をつけてからは振り返ることなく上昇を続け、155円台を通り抜けて夜遅くには156.12円まで上昇してこの日の高値をつけた。終値は156.30円。24時間のレンジ幅は1.71円。

14日の東京市場でドル・円は強含み。157円付近でもみ合い後、正午前に仕掛け的な売りで156円84銭まで下落。その後は日銀による想定内の政策内容で円売り優勢となり、158円を目指す展開に。日銀総裁発言で円売りが再開し158円25銭まで上昇した。

[ドル・円] 来週のドル・円は底堅い値動きか。米国のインフレ率は低下しているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策方針を維持。年内の利下げシナリオ修正で投資家のドル選好は続くだろう。5月米消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と市場予想を下回った。同月の生産者物価指数(PPI)も含め弱含み、国内インフレの再加速は落ち着きつつあることが示された。ただ、6月11-12日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、現行の引き締め的な政策を7会合連続で据え置き。当局者による金利予測から、利下げは9月以降に1回にとどまる見通しとなった。市場の利下げシナリオは年内3回となっていたが、1回にとどまることでドルは売りづらい展開が続く。欧州中央銀行(ECB)の利下げサイクル入りやフランス政局の不透明感もドルを支える要因となろう。 一方、日本銀行は13-14日開催の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めたが、次回の政策決定会合で今後1-2年の国債買入れ減額について具体的な計画を策定することを発表した。日銀による年内追加利上げの可能性も消えていないため、リスク選好的なドル買い・円売りが一段と拡大する可能性は低いとみられる。

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