日銀、円安進行で追加利上げも

日銀、円安進行で追加利上げも
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日銀は19日 4月に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した

我々はこれまで、マイナス金利解除後の日銀の政策について、年内は追加利上げを見送る見通しだと主張してきた。しかし、春闘や円安を背景にここ数か月間でインフレ率の上振れリスクが高まっている。現状のドル高円安が続くと想定される中、日銀は7月にも20-25ベーシスポイント(bp)程度の追加の利上げを行うと予想する。もっとも、日銀が政策金利を現在の0.0-0.1%から0.25%程度に引き上げても、実質金利は依然としてマイナスであるため、緩和的な金融環境を維持していると言えるだろう。また、7月の追加利上げ以降、年内の利上げは予想していない。その理由としては、①年末に向けた米金利の低下により幾分かのドル安・円高が期待できること、②足元のインフレは食料インフレによる影響も大きく、その影響は年末に向けて剥落すると見込まれること、③日本経済の需要回復は鈍く、需要主導による継続的なインフレ率の上昇には、賃金上昇による消費や設備投資の拡大が十分に続く必要があること、が挙げられる。2025年の利上げも1-2回程度と想定する。しかし、期待インフレ率の上昇が続き、賃金上昇による消費への影響が想定よりも大きい場合、また米金利の高止まりなどから足元の円安状況が続く場合、更なる追加利上げの可能性が高まるだろう。

日本国債金利:10年金利は1%超へ金利見通しについては、日銀が次なる利上げの道を模索するなか、日本の10年国債金利には上昇圧力が高まるだろう。しかし、米国では年内の利下げ開始が想定されているため、予想される米国金利の低下が日本の10年国債利回りの上昇を一定程度相殺するだろう。また、日銀は引き続き国債買い入れを通じて過度な金利変動にも対応する姿勢であるため、日本国債10年物の金利水準は、2024年末で1.10%程度での推移が想定される。

日銀は19日、4月25~26日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。3月会合で決めた政策の維持を判断したが、政策委員からは「政策金利の引き上げについて、タイミングや幅に関する議論を深めることが必要だ」など追加利上げを見据えた意見が相次いだ。円安や人手不足などによって「様々な物価の上振れリスクがある」といった指摘も上がった。

東証株価指数(TOPIX)は3月22日にピークをつけてから6%調整し、MSCIオール・カントリー・ワールド指数(ACWI)をアンダーパフォームしている。3月に賃上げと日銀の金融政策正常化に向けた歴史的転換という2つの大きなマクロイベントを通過し、投資家が様子見に転じていることがその要因とみられる。また、米国のインフレ指標が想定を上回っていることや、中東の地政学的懸念の高まりにより、リスクオフ・ムードが強まっている。しかし、日本は30年続いたデフレからようやく脱却し、インフレと賃金上昇のある世界に突入しばかりだ。

日銀は4月26日の金融政策決定会合で、市場の予想通り、政策を据え置いた。短期金利のターゲットである無担保コールレートは0.0-0.1%で推移するよう促す方針を維持した。また、長期国債の買入については「3月の方針に沿って実施する」とされ、これまでと概ね同程度となる6兆円規模の金額で長期国債の買い入れを継続すると想定される。

日本円に強気の投資家は、日銀がタカ派的な政策バイアスを打ち出さなかったこと、また円安に対し強い懸念を示さなかったことに失望した。日銀が円の安定化を意図した政策対応を見送り、資金の流出をもたらす緩和的な金融環境が続くなかで、円は他の主要中央銀行が利下げサイクルに入るまでの間、下落基調が継続しやすい。一方、為替介入は効果が長続きしないことが認識されながらも、財務省が通貨危機への懸念を和らげるため実施する可能性が高いと我々は考える。また、大きく積み上がった投機的な円売りポジションは2007年以来の高水準に達しており、円反発の余地は大きくなったと考える。

日銀の推計によると、『量的・質的金融緩和』導入以降の国債買入による名目長期金利の押し下げ効果はおよそ100bpで、今後の買い入れペース縮小は、金利押し上げに働く公算が大きい。現在の約70兆円の国債買入額を、例えば今後1年程度かけて半減させた場合は、日銀の国債保有という単独の要因だけで5-10bp程度の金利の上振れ要因となる。QTの効果と並行して緩やかなペースで政策金利が引き上げられると、中期的には10年金利が1.6%程度まで上昇する余地が生まれるだろう。

日銀は19日、4月に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。複数の政策委員が、外国為替相場の円安進行によって物価上昇率の見通しが上振れすれば「金融政策上の対応が必要になる」と指摘し、追加利上げに前向きな考えを示していたことが分かった。

前回会合でのマイナス金利解除から円は対米ドルで4%程度下落し、金融当局は、ファンダメンタルズから乖離した為替の変動には適切に対応していく強い姿勢を維持している。足元では節目とみられる155円台で推移しており、当レポートの執筆時点で円安の進行ペースは加速していない。日銀は4月26日の政策決定会合にて、タカ派的な政策バイアスを前面に打ち出すことはできなかったため、ここから為替市場で円安進行のペースが加速すれば、当局が為替介入に踏み切るリスクは高まるだろう(注:4月29日に米ドル売り・日本円買い介入が入った模様)。もし、米ドルを本格的に押し下げる要因が浮上せず、ドル円が足元の水準から160円に向かう動きとなれば、日銀の7月会合に合わせて当局が介入を検討するシナリオも想定できる。

1週間のうちに米国の物価統計、米連邦準備理事会(FRB)と日銀の政策会合、ユーロ圏中核国の政治的混乱を引き起こすイベントが盛り込まれていれば、投資家にとってさまざまな相反するシグナルが発せられるのは避けられず、先週もそれを証明した。

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