ドル円165円も!?円安の限界点は…政府・日銀はいつ介入に踏み切るのか 2024/6/28(金)志摩力男

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ドル円165円も!?円安の限界点は…政府・日銀はいつ介入に踏み切るのか 2024/6/28(金)志摩力男
 

円安進行の背景と今後の展開:ドル円・ユーロ・豪ドルの最新動向と注目ポイントを解説【外為マーケットビュー】

動画配信期間:2024/6/28~2024/7/12

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

時間がない方向け「ポイント要約」

・ドル円は160円超えが常態化
 →現状の上昇トレンドを大きく変えることは困難
 →円高局面でのドル買いを継続する戦略が有効か
・7月の雇用統計が市場の焦点

目次

0:00 今回のダイジェスト
0:39 ドル円ふりかえり:160円超えが常態化
1:32 市場のポジション状況
2:29 為替介入の可能性
2:53 今後のトレード戦略
5:25 米雇用統計:メキシコペソの動向も注目
6:58 まとめ
7:32 【PR】口座開設特別キャンペーン

動画の要約・まとめ

ドル円ふりかえり:160円超えが常態化

ドル円相場は昨日160円台後半で引けており、市場参加者の間で160円が常態化しつつあります。

最新の経済指標では、GDPが予想を上回る1.4%を記録しました。しかし、個人消費は予想を大きく下回る1.5%にとどまり、市場はこれに敏感に反応しました。その結果、一時的にドル円の下落が見られましたが、最終的には上昇して取引を終えています。

市場のポジション状況

外為どっとコムの情報によると、6月27日時点のドル円市場では売りが58%、買いが42%とやや売り優勢です。これは過去の150円台でのもみ合い時期と比べると、売りの比率が減少しています。

為替介入の可能性

当局の為替介入に関しては、現在の市場状況では効果が限定的である可能性が高いです。今年既に2回の介入が行われており、今後の介入はタイミングが極めて重要になります。

今後のトレード戦略

現状のトレンドを大きく変えることは困難であるため、投資家としては円高局面でのドル買いを継続する戦略が有効かもしれません。

ユーロドル・豪ドル米ドルの動向

ユーロドルは、フランスの選挙を控えて不安定な動きを見せています。長期チャートでは1.07円付近で抵抗に遭っており、今後の動向が注目されます。
オーストラリアドルは、狭いレンジ内での推移が続いています。来年初頭の利上げ期待から、他の通貨とは異なる動きを見せる可能性があります。

米雇用統計:メキシコペソの動向も注目

7月の雇用統計が市場の焦点となります。雇用の悪化を予想する見方が増えており、これがドル相場に影響を与える可能性があります。
メキシコペソも注目されており、高金利通貨としての魅力と最近の下落傾向のバランスが重要です。

まとめ

ドル円相場は引き続き上昇トレンドにありますが、月末のリバランスによるドル売りの可能性も指摘されています。相場の下落局面があれば、それを買い場として捉える戦略が考えられます。

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7月のドル/円見通し ユーロ、ポンド、豪ドルの動向は!? 7月のドル/円見通し ユーロ、ポンド、豪ドルの動向は!?

 
志摩力男氏96_130.jpg

志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル ドル円165円も!?円安の限界点は…政府・日銀はいつ介入に踏み切るのか 2024/6/28(金)志摩力男

ドル円165円も円安の限界点は政府 日銀はいつ介入に踏み切るのか 2024

それでも、為替介入は時間稼ぎでしかないことから、1ドル160円の水準を防衛することは難しく、いずれは1ドル165円の攻防になると考えられる。

7月のドル/円見通し ユーロ、ポンド、豪ドルの動向は!?

■「円が安すぎる」ということは、ニューヨークで日系著名チェーン店のラーメンが1杯約3,500円(18ドル+税+チップ、1ドル156円換算)することからも、多くの方が薄々感づいているのではないでしょうか。にもかかわらず、円安がここまで進んできた背景には、日米の金利差が大きく拡大してきたことや、エネルギー価格の高騰から2022年に貿易赤字が過去最高の21兆円を超えるまで拡大したことなどがあげられます。

■しかし、こうした「安い円を更に売る」理由は、足元では急速に解消しつつあります。例えば、ここ数年、ドル円と高い相関を保ってきた日米の実質長期金利差(10年国債利回り)は、ここもとの円金利の上昇でにわかに縮小しつつあります(図表5)。また、中国景気の悪化やサプライチェーンの混乱が落ち着いたことから原油価格は大きく調整しており、日本の貿易赤字は大きく縮小するとともに、経常収支は大幅な黒字基調に回帰しています。

■ここ数年の円安ドル高トレンドをけん引してきたのは、日米金融政策の両股開きを背景とした、金利差の拡大が大きかったように思われます。とはいえ、過去にも日米金利差が大きく開いた時期は幾度もありましたが、ドル円がいつも素直に金利差に反応してきた訳ではありません。

ドル円相場は昨日160円台後半で引けており、市場参加者の間で160円が常態化しつつあります。

現状のトレンドを大きく変えることは困難であるため、投資家としては円高局面でのドル買いを継続する戦略が有効かもしれません。

■こうした「行き過ぎた円安」を示唆する指標は少なくありません。例えば、世界各国通貨の購買力を測る「ビッグマック指数(マクドナルド社の看板メニュー「ビッグマック」のドル建て価格を国際比較するもの)」を見ると、日本の同指数は3.17ドルで米国(5.58ドル)を大きく下回るばかりか、中国(3.50ドル)をも下回っています(いずれも2023年12月末時点)。

7月の雇用統計が市場の焦点となります。雇用の悪化を予想する見方が増えており、これがドル相場に影響を与える可能性があります。メキシコペソも注目されており、高金利通貨としての魅力と最近の下落傾向のバランスが重要です。

■このため、ドル円が160円20銭のチャート上の節目を抜けて、明確な「円安ドル高トレンド」が確認されると、プラザ合意前のドル高値である262円80銭を目指す、「超円安相場」が始まっても決して不思議ではない状況でした。まさに、奈落の底へと突き落とされる直前に踏みとどまり、「地獄の窯」の中を覗きかけた格好です。そう考えると、当局の担当者が連休返上で為替介入にいそしんだのも、やむを得なかったと言えそうです。

■こうしてみると、一つの大まかな目安として、日米の短期金利差が5%を下回り、更にドル円の1カ月のヒストリカル・ボラティリティが8%を超えてくると、「行き過ぎた円安」が大きく巻き戻すきっかけとなる可能性が出てきそうです。ちなみに、足元の日米の同3カ月物金利の差は5.31%(6月5日現在)ですので、政策金利に概ね連動して動く短期金利の差は、日米の政策金利が0.31%以上反対方向に動くと、5%の閾値を下回ってくる可能性が高まります。

■長期のドル円相場を振り返ると、1985年2月のプラザ合意を契機に始まった円高ドル安トレンドは、2011年10月に75円35銭をつけて終了し、その後のもみ合いを経て現在は反転途上にあります。こうした長期の視点から改めてドル円の現在位置を確認すると、ゴールデンウイークに政府・日銀が介入に踏み切った「160円」という水準は、チャート上とても重要な水準であったことに気づかされます。というのも、プラザ合意後の円高が短期間に猛烈なスピードで進んだことから、1990年4月につけた戻り高値の160円20銭を抜けると、プラザ合意前の262円80銭まで目ぼしいチャート上の節目がほとんど見当たらないのです(図表1)。

外為どっとコムの情報によると、6月27日時点のドル円市場では売りが58%、買いが42%とやや売り優勢です。これは過去の150円台でのもみ合い時期と比べると、売りの比率が減少しています。

そうした事情もあってか、政府・日銀は計2回、総額約9兆8千億円の大規模為替介入に踏み切りました。しかし、介入を決断した背景には、こうした事態を招いた責任感以外にも理由がありそうです。というのも、今回介入に踏み切った水準を抜けると、ドル円には当面目ぼしいチャート上の節目が見当たらないのです。

■1995年12月末以降、約28年間のデータを見ると、日米の短期金利差(3カ月物の銀行間取引金利)が5%超の時期、ドル円の3カ月(60営業日)の騰落率は平均約1.48%のドル高となっています。また、より細かいレンジで見ると、金利差が拡大するほどドル高の傾向が強まります。しかし、同金利差が5%を下回り、4.5%以上5%未満のレンジに切り下がると、ドル円の騰落率は同約0.53%のドル安となっています(図表6)。

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