ドル/円、一時157円台…円買い介入への警戒度が高まり不安定な値動き(NY市場の見通し)2024/7/12

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ドル/円、一時157円台…円買い介入への警戒度が高まり不安定な値動き(NY市場の見通し)2024/7/12
 

ドル/円、一時157円台…円買い介入への警戒度が高まり不安定な値動き

欧米時間のドル/円予想レンジ:157.700-160.500円

東京市場のドル/円は、値動きの荒い展開。序盤に日銀が対ユーロでレートチェックを行ったことが伝わると159円台から157円台へ急落しました。しかしすぐに159円台へ持ち直すなど乱高下しました。

前日のNY市場や今朝の急激な値動きを受けて、市場は本邦政府・日銀による円買い介入に対する警戒度を高めています。そうした中で、今夜は米6月生産者物価指数(PPI)が発表されます。米6月消費者物価指数(CPI)のように市場予想を下回る結果となれば米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測がさらに強まりドル売りが優勢となる可能性があります。また、米7月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値の消費者インフレ期待にも注目です。そのほか、来週15日は日本(東京市場)が海の日で休場です。3連休を前にした持ち高調整などから不安定な値動きが続くことが考えられるため注意が必要です。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、162円を前に伸び悩むとダブルトップを形成して反落しました。しかし、157円台では下ヒゲを伸ばして159円台まで反発しています。10日線が下向きなことなどから上値の重さが窺えますが、上昇基調は継続しており底堅い推移が続く可能性が考えられます。

ドル円 日足チャート

この後の経済イベント

7/12(金)
21:00 メキシコ5月鉱工業生産
21:30☆米6月生産者物価指数
23:00☆米7月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値
—– JPモルガン4-6月期決算
—– シティグループ4-6月期決算
※☆は特に注目の材料

経済指標・イベントの結果について

主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。

経済指標カレンダー

 

 
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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本日のドル/円は介入警戒と先高期待の綱引きになりやすいだろう

11日の米ニューヨーク外国為替市場で急激に円高ドル安が進み、一時、1ドル=157円40銭をつけた。米国の物価上昇率が発表された直後に、約4円急騰した。インフレ(物価高)の落ち着きを受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの観測が高まり、円が買われたとみられるが、政府と日本銀行が為替介入に踏み切ったとの見方もでている。

■ドル円での円売りの行方がにわかに怪しくなる一方、比較的安心してリスクテイクを続けられそうなのが、対欧州通貨で円を売る、いわゆる「クロス円の円売り」です。消費者物価指数(CPI)の低下が続く米国と異なり、欧州の主要国ではインフレの高止まりが続いており、欧州中央銀行(ECB)をはじめとする主要中央銀行は当面利上げを続けざるを得ない状況にあります。

米5年債入札(700億ドル)は応札倍率が前回を下回るなどやや不調だった。これより前に行われた2年債入札(690億ドル)も同様だったことで米長期金利が上昇。これを受けてドル/円は157円台へと上伸した。

■さらに、こうした欧州リスクが現実となった場合、リスクオフにより安全資産である米国債買い(米金利低下)と円買いが生じることで、思いがけず円高ドル安が進む可能性があることにも留意が必要でしょう。

11日の米国市場では、予想を下回る消費者物価指数(CPI)の発表後に円が急速に上昇し、市場ではドル安のタイミングに合わせた日本当局の円買い介入との見方が出ている。

円安がじわじわと進んでいます。そして、円の実力・購買力を表す実質実効為替レートは、欧州通貨をはじめとする米ドル以外の通貨の上昇もあり、ドル円以上に大きく値を下げています。日米金利差の方向感への確信度が微妙になりつつある今、市場ではより安心感のある「クロス円」での円売りの動きが存在感を増しつつあります。このため、欧州通貨買いのトレンドを揺るがすようなイベントが生じた場合、その影響はドル円にも波及する可能性があるため注意が必要でしょう。

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

■円安がとまりません。「何を分かりきったことを」とおっしゃる方も多いかもしれませんが、ドル円のことではありません。ドル円は昨年10月に151円95銭まで下落し、1990年4月以来32年ぶりの円安水準をつけました。一方、貿易加重で計算する円の実力(購買力)を示す実質実効為替レートは、実に53年ぶりの水準まで低下しています(図表1)。

■為替トレーダーが「ユーロ買い・円売り」の為替取引をする場合、ユーロと円を直接交換するのではなく、流動性が高く売買の値幅が狭い(コストが安い)基軸通貨である米ドルとの取引を組み合わせるのが一般的です。例えば、「ユーロ買い・円売り」のポジションをとる場合、「円売り・ドル買い」と「ユーロ買い・ドル売り」を同時に実行することで「ユーロ買い・円売り」のポジションを合成します。このように、ドル円とユーロドルのレートを掛け合わせることで価格が決定されるためクロス(X)円取引と呼ばれます(図表6)。

上田氏によると、12日の東京市場は3連休を控え実需のドル買い・円売りが入りやすい環境で、「輸入企業にドルの買い場を与えた形だ」と言う。

午後4時現在は、前日比2円49銭円高ドル安の1ドル=159円13〜16銭。ユーロは2円30銭円高ユーロ安の1ユーロ=172円89〜93銭。日経平均株価の終値は11日に史上最高値の4万2224円02銭を付けていたが、12日は円高進行で輸出関連株が売られたことなどで急落、4万1190円68銭で取引を終えた。

■ドル円での円の下落がこうした「超円安」の主因であることは論を待たないものの、足元では通貨別の円安度合いにばらつきが見られます。例えば、米国と並び交易が盛んな中国の人民元に対しては、円の価値は比較的保たれています。一方、対欧州通貨ではドル円以上に円安傾向が鮮明になっています(図表2)。

■株や債券と異なり、「バリュエーション」や「フェアバリュー」といったファンダメンタルズとの関係が不安定な外為市場では、理屈ではなく「トレンドに乗ることが大事(Trend is friend)」とされています。このため、クロス円での円売りは「短期的な投機」を生業とするトレーダーやヘッジファンドにとって、ドル円より「分の良い取引」と見られてもおかしくないでしょう。

昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。156円台後半で一進一退の動きが続いていたが、NY市場で157円台に乗せるとクローズ間際には157.20円付近まで上昇した。米5月消費者信頼感指数の予想外の改善や米国債入札後の長期金利上昇を受けてドル買い・円売りが優勢となった。本日は、今月1日に政府・日銀による円買い介入が発動されたと見られる157.40-50円の水準を意識した値動きとなりそうだ。なお、鈴木財務相は昨日、円安について「マイナス面が強く懸念される状況にある」と明言。その上で「必要に応じ万全の対応を行っていきたい」と述べた。前回と同水準で実際に介入を再発動するのは難しいと見るが、市場に警戒感が広がる中で157円台後半へ続伸すれば値動きが急速に不安定化することも考えられる。本日のドル/円は介入警戒と先高期待の綱引きになりやすいだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.70-156.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の156円半ばが最初の抵抗。超えれば14日高値156.80円がターゲットに。対するドル安・円高方向は、156円前後が短期的なサポートとして攻防にまずは注目。下回ると21日線も近い155円半ばが意識されそうだ。

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