外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)
順位 | CFD銘柄 | 相関係数 |
---|---|---|
1 | 金スポット | -0.94 |
2 | 銀スポット | -0.90 |
3 | WTI原油 | -0.61 |
4 | 天然ガス | 0.88 |
集計期間中(7/5~7/11)米ドルと負の相関が一番強かったCFD銘柄は金スポットで相関係数は-0.94だった。また銀スポットやWTI原油も強い負の相関関係を示した。米国のインフレ鈍化による米利下げ観測が高まったため、米ドルが(対円以外で)相対的に売られた。そんな中で米ドルで取引されるコモディティ価格に割安感が出たようだ。
※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
※数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない
WIT原油の変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:WTI原油価格は、地政学リスクを意識した取引
原油相場の変動要因は以下の通り
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油やガソリン在庫が予想以上に減少していた
NEW!・イスラエルとパレスチナのガザ地区を実効支配する武装組織ハマスとの停戦協議が進展するとの期待がある
・イスラエルとレバノンのシーア派組織ヒズボラとの交戦が強まっていることや、ウクライナとロシアを巡る懸念が再び高まっている。
・石油輸出国機構(OPEC)プラスは6月2日の閣僚級会合で今年末までの予定だった協調減産を2025年末まで継続することで合意した
・中国景気の回復期待が同国での原油需要拡大予測に繋がっている
・北半球の夏季はドライブシーズンとされ、ガソリン需要は増加しやすい
天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:天然ガスは、気温の低下予測が下落要因
天然ガス相場の変動要因は以下の通り
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は65Bcfの増加と市場予想(58.70cf増)を上回り、過去5年平均を約19%上回っている(7/5時点)
※Bcf=10億立方フィート
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の短期見通し(7月)では、例年より暑い夏が予想されていることから、電力需要の増加により天然ガスの貯蔵量が過去5年間の平均が6%多い程度まで減少するとなっている。
・米国内のLNG施設の停止で、米国内で供給過剰が起きている
・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結
金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、米ドルの動きが大きく影響
金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り
NEW!・米6月CPIが予想以上に鈍化していたことで、米ドルが全面的に売られたため、金に割安感が出て急騰した
・イスラエルと、ヒズボラとの間での全面戦争が近づいているとの懸念が強まっている
・5月20日に史上最高値となる2454.20ドルを記録
・米国の金利高止まり長期化懸念によるドル買いが貴金属相場の重石
・中国やインドでの需要は引き続き強い
銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:銀スポット価格は、再び32ドルを目指す動きに
銀スポット相場の変動要因は以下の通り
・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
・金同様に装飾需要がある
・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
・価格が低い分変動率が大きくなってしまう
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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確かに輸入関税の引き上げで金輸入を減らそうとするのは理解できる
日本で金の相場が上がるタイミングは、円安ドル高のときです。これは、ドル建てで決定した金価格を、円に換算したときに割高になるためです。
為替の大きな変化は、特定の原因をもとにして起こります。世界でどのようなことが起こると、大きく為替に影響をおよぼすことになるのか知っておくことで、金を売買するタイミングもつかみやすくなるでしょう。
このところ対米ドルでインドルピーは過去最安値更新が続いており、1ドル=80ルピーが迫っている。インド中銀(インド準備銀行)が介入するなどかなり神経質になっており、金に白羽の矢が立つことになった。
したがって、金を購入するときはできるだけ円高のタイミング、売却するときは円安のタイミングを狙うのが、一番資産を多く残せる方法だといえます。
確かに輸入関税の引き上げで金輸入を減らそうとするのは理解できる。しかし、宗教上の教えを背景とする国民の金信奉熱を抑えるのは、難しいとみられる。規制を強化すれば密輸が増えるのが習わしとなっている。
NY金にはサポート要因といえたが、期末のポジション調整の売りに押し切られることになった。結局、3月および4月の取引時間中に一時2,000ドル台に水準を切り上げたものの、維持できずに終了となった。四半期の下げ7.5%は、これでも他銘柄に比べ下げ幅は比較的小さいのは確かだ。NYプラチナは10%、ロンドンLMEのアルミは29.9%、銅は20.4%の下落だった。
「ドル買(が)い・円(えん)売(う)り」であれば、国(くに)の借金(しゃっきん)である国債(こくさい)を発行(はっこう)して、日本国内(にほんこくない)で円(えん)を借(か)りて介入(かいにゅう)に使(つか)います。一方(いっぽう)、最近(さいきん)のような「ドル売(う)り・円買(えんが)い」の場合(ばあい)は「外貨準備(がいかじゅんび)」があてられます。国(くに)や日銀(にちぎん)が持(も)っている外国通貨(がいこくつうか)の預金(よきん)や外国(がいこく)の国債(こくさい)などです。9月(がつ)時点(じてん)で1兆(ちょう)2380億(おく)ドルほどあります。1ドル=145円(えん)で計算(けいさん)すると、約(やく)179兆(ちょう)5100億(おく)円(えん)です。ただし預金(よきん)より国債(こくさい)などの方(ほう)が多(おお)く、すぐに為替(かわせ)介入(かいにゅう)に使(つか)えるお金(かね)は限(かぎ)られます。
史上最高値をさらに上回る可能性があると予測する背景には、4つの要因があると話す。①有事ムードの継続②各国の中央銀行の買い③代替資産(株式の代わり)としての金④代替通貨(米ドルの代わり)としての金、の4つだ。
経済状況が不安定になることも、金価格上昇の要因です。
7月1日のNY時間外のアジアの時間帯に一時1,800ドル割れを見たものの、NY時間に買い戻され終値ベースでの1,800ドル割れは今回も回避された。NY金のレンジのコアは1,820ドル前後となったが、週末にかけてレンジ下限を切り下げた。レンジは前週より広がり1,783.40~1,839.60ドルとなった。
先週末7月1日のNY時間外のアジアの時間帯にNY金が1,800ドル割れに至ったきっかけが、インド政府が金の輸入関税を7.5%から12.5%へ引き上げ実施とロイターが報じたことだった。
為替の変動は、金価格に影響を与える要因の一つです。現在、記録的な円安ドル高が続いており、金価格は上昇しています。また、ウクライナ情勢をはじめ、世界経済を不安視する流れからも、金価格上昇の傾向は続くと考えられ、まさに今は金の売り時といえます。
世界的に不安が広がると、投資資金の逃避先として金が買われる。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの軍事衝突に加え、24年は米国・ロシアの大統領選、インドの総選挙など、主要国で大きな選挙が予定されている。その結果次第では、急速に不安感が高まる可能性がある。
ただし、株式投資などとは違い、金の場合はたとえ為替に動きがあったとしても、即座に損をすることはありません。金は、売却せずに手元に残しておけば、決して無価値になることのない安全な資産だからです。
穀物輸出の政府規制などもあり、5月の赤字は243億ドル(約3兆3,000億円)と過去最大となった。インドは年間の輸入代金ベースで原油が1位であり、2位に金輸入が来ることも多い国として知られる。
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