豪ドル/円 今日の見通し「根強い日銀の追加利上げ観測 円キャリートレードの巻き戻しに注意」2024/7/23

FXブログ
豪ドル/円 今日の見通し「根強い日銀の追加利上げ観測 円キャリートレードの巻き戻しに注意」2024/7/23
 

【最新号】

オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック

・NY原油先物市場は続落。中国人民銀行が長短の政策金利を引き下げたことで、同国経済への懸念が原油需要減退を意識させた。終値は前営業日比-0.24ドルの1バレル=78.40ドル(7月22日)。

<WTI原油・商品CFDチャートはこちらはこちら>

・7月18日発表の豪6月雇用統計は、雇用者数が5.02万人の増加と市場予想(2.00万人増)を上回った。また失業率は4.1%へ悪化(前回:4.0%)したが、労働参加率が66.9%と前回(66.8%)から上昇したことが要因だった。

・7月3日に発表された豪5月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.3%)を上回った。この結果を受けてRBAが8月にも利上げをするとの期待が高まった。

・6月26日に発表された豪5月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.0%となり、前月(+3.6%)から上昇した。4月24日に発表された豪1‐3月期CPIは前年比+3.6%となり、前四半期(+4.1%)から鈍化したが市場予想(+3.5%)を上回った。

・6月18日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなったが、ブロック総裁は「利上げの論拠も議論した」と述べた。

今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ

根強い日銀の追加利上げ観測 円キャリートレードの巻き戻しに注意

昨日はバイデン米大統領が次期大統領選からの撤退を表明したことによる米大統領選の先行き不透明感がリスクオフの動きに繋がった。また、次期大統領選において優勢と見られるトランプ氏が対中関税の引き上げを主張している。第1期トランプ政権時代にも中国に対して強硬的な政策を執っていたことで米中貿易戦争への懸念が高まり、中国と交易関係の強い豪ドルは大きく値を下げた。
本日は豪州にて主要な経済指標の発表が予定されていない。そのため豪ドルは米国の経済指標の結果などを受けたリスクマインドの上下につれることになりそうだ。
一方で、来週30-31日には日銀金融政策決定会合が控えている。一部市場では日銀が今会合で追加利上げに動くとの観測が根強く残っている。急速に増加した円キャリートレードの巻き戻しが持ち込まれる可能性があるため注意しておきたい。

想定される個別シナリオ

■米経済指標が市場予想を上回る
⇒米株価指数が上昇する
⇒豪ドルはリスクセンチメントに敏感
⇒豪ドルは買われる

豪ドル/円 最新チャート分析

今後の注目経済指標・イベント

米大統領選の民主党候補者選定
23:00 米7月リッチモンド連銀製造業指数、米6月中古住宅販売件数

「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに晴れ。6時に豪ドル/米ドルのRSIでシグナルが点灯。

【情報提供:外為どっとコム】

<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>

  • ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
  • ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 

nakamura.jpg

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 豪ドル/円 今日の見通し「根強い日銀の追加利上げ観測 円キャリートレードの巻き戻しに注意」2024/7/23

23日の豪ドル円は 104.30付近で推移

4月29日の豪ドル/円の日足は大陰線となり、また4月24日~26日の罫線と「アウトサイド」の関係を示したため、同日高値から一転して急落した分、典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した。

足元の豪ドル安の背景にあるのはドル円相場(USD/JPY)での円高だ。11、12日には日本政府の為替介入があったとみられ、1ドル=161円台から157円台まで円高が進行。さらに17日にはアメリカ大統領選に向けて勢いづいているドナルド・トランプ前大統領がインタビューで円安を問題視したことが材料視され、翌18日には155円台まで円高が進む場面もあった。

豪ドル/円は基本的に米ドル/円に連動した値動きだったが、先々週から豪ドル対米ドルの影響を強く受けてきた。再度米ドル/円が豪ドル/円に与える影響に注目したい。

先週の豪ドル/円は週足では緯線を形成したものの、一旦104.59円まで打診したため、5月2日からの切り返しを踏襲する形をなお維持した。その半面、モメンタムの低下も示唆された。

米ドル/円の切り返しが延長されたことで、豪ドル/円も続伸したものの、高値圏での保ち合いが確認され、モメンタムの低下がむしろ目立っていた。

今後のFX市場では、25日の米国の4-6月期GDPの発表に合わせ、四半期ベースでの個人消費支出(PCE)物価指数も発表される。31日には米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行の金融政策の発表もあり、豪ドル円相場が当面、見通しがつきにくい神経質な値動きになる可能性もありそうだ。

23日の豪ドル円は、104.30付近で推移。

さらに15日以降は、豪ドルの対ドルレート(AUD/USD)が豪ドル安方向に振れている。15日に発表された中国の2024年4-6月期GDPの実質成長率が前年同期比で4.7% となり、ロイターがまとめた事前予想の5.1%を下回ったことがきっかけだ。オーストラリア経済は中国との結びつきが強く、中国経済の減速がオーストラリア経済を下押しするとの不安が強まったようだ。豪ドルは15日以降、ドルに対して1.4%ほど安くなっており、ポンドやユーロよりも下落率が大きくなっている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました