「金(ゴールド)が急上昇!円高、日経暴落のなか最高値つける?|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/8/4

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「金(ゴールド)が急上昇!円高、日経暴落のなか最高値つける?|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/8/4
 

外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

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「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)

順位 CFD銘柄 相関係数
1 WTI原油 -0.97
2 天然ガス -0.63
3 銀スポット ‐0.51
4 金スポット 0.37

集計期間中(7/26~8/1)米ドルと負の相関が一番強かったCFD銘柄はWTI原油だった。また、金スポットや銀スポットも強めの負の相関があった。世界的に株価が下落するなどリスクオフの動きとなった。

※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない

WIT原油の変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:WTI原油価格は、中東の地政学リスクが気になる

原油相場の変動要因は以下の通り

NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油とガソリンの在庫が予想以上に取り崩されていた
NEW!・イスラエルがイランが支援する武装組織ハマスの政治的リーダーを空爆によって殺害した。イランがこれに対して報復を宣言している
    ・石油輸出国機構(OPEC)プラスは6月2日の閣僚級会合で今年末までの予定だった協調減産を2025年末まで継続することで合意した
    ・北半球の夏季はドライブシーズンとされ、ガソリン需要は増加しやすい 

天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:天然ガスは、過剰備蓄が引き続き下落要因

天然ガス相場の変動要因は以下の通り

NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は18Bcfの増加と市場予想(31.50Bcf増)を下回った。貯蔵量は過去5年平均を約16%上回っている(7/26時点)
※Bcf=10億立方フィート
    ・米エネルギー情報局(EIA)の短期見通し(7月)では、「例年より暑い夏が予想されていることから、電力需要の増加により天然ガスの貯蔵量が過去5年間の平均が6%多い程度まで減少する」となっている。
    ・米国内のLNG施設の停止で、米国内で供給過剰が起きている
    ・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結    

金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、リスクオフで買いが集まる

金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・世界的に株価が下落する中で、安全資産としての金の需要が高まっており、再び史上最高値をうかがう展開になっている
    ・米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に3回の利下げを実施するとの見方から、運用資産の逃避先としての金の魅力が上昇している
    ・7月17日に史上最高値となる1トロイオンス=2488.40ドルを記録
    ・イスラエルとヒズボラとの間での全面戦争が近づいているとの懸念が強まっている
    ・米国の金利高止まり長期化懸念によるドル買いが貴金属相場の重石
    ・中国やインドでの需要は引き続き強い
     

銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:銀スポット価格は、過去3カ月の安値圏での推移

銀スポット相場の変動要因は以下の通り

     ・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
     ・金同様に装飾需要がある
     ・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
     ・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
     ・価格が低い分変動率が大きくなってしまう

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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なぜ今回は 高金利にもかかわらず国際金価格が上昇したのでしょうか

ちなみに国際的な金の広報調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルの四半期統計では、年始から9月末までで金ETF全体の残高は278トン減少し3,282トンとなっている。この間に中央銀行の買いがネットで800トンとなっているので、計算上は金ETF絡みの現物売りは、中央銀行の買いにすべて吸い上げられたことになる。2023年の金価格の底堅さの背景でもある。

ロシアや中国を中心とした「脱ドル化」の動きが金購入の背景にあり、それに追随する国家も増えている現状は、世界の多極化という構造的な変化を表すものと言えるでしょう。今後も国際金価格の上昇基調は長期にわたって続く可能性がありそうです。

それは、2022年下半期に大きな需要サイドの塊として急浮上した新興国の中央銀行による買いだ。2010年以降に年間ベースで600トンを超えるなど、金市場では注目セクターとなってきたが、2022年に年間で1,083トンに急増したことで需給構造上の注目度は一段と上がることになった。

先週のコラムではタイトルを「下値を探る金(ゴールド)、200日移動平均線の攻防が続く」としたが、注目の米インフレ指標が鈍化傾向を顕著に示したことで、FRBの利上げサイクルの終了が急速に意識されたばかりか、早期利下げに対する市場の期待が高まった。

NY金の200日移動平均線が1,930ドル半ばに位置していたが、その水準を下値に週末にかけて水準を切り上げ、レンジは1,935.60~1,996.40ドルとなった。先週のコラムでは想定レンジを1,930~1,960ドルとしていたが、先程のフェドウオッチが示すように利上げサイクルの終了を急速に織り込んだことが上振れに繋がった。

これに伴い、金融経済ナビのホームページアドレス(URL)を変更しています。

なぜ今回は、高金利にもかかわらず国際金価格が上昇したのでしょうか。ある専門家は現状について、過去の金利水準をもとに算出した理論値の2倍程度高いと指摘しています。つまり、それだけ市場の不安や警戒感が強いことを金価格が反映しているというわけです。

ただし、有事に見舞われた国が、ラストリゾートとして金売却に動く事例は時折見られる。今年も、自国通貨が暴落したトルコが、為替介入資金調達のため、公的保有金を売却した。

19年に金融庁の試算が物議をかもした「老後2000万円問題」、22年から顕著になった物価高、さらには北朝鮮のミサイル発射や台湾有事への懸念といった地政学リスク――。これらがもたらす複合的な不安心理を背景に、日本人の間でも年齢にかかわらず、安全資産である金へのニーズが高まっているもようです。

先週のNY金のレンジは2,029.50~2,083.10ドルとなった。先週のコラムでは想定レンジを2,010~2,060ドルとしたが、それぞれ20ドル方上振れということになった。PCEデフレーター、コアデフレーターともに前週来続いていた複数のFRB高官による2024年利下げ観測発言を裏付ける結果となったことが、上振れに繋がった。

2024年のNY金の価格見通しについては、上昇トレンドが継続すると読んでいる。FRBの利上げサイクルが終了し、2024年の上半期にも利下げに転じるというマクロの金融環境転換があれば、NY金の押し上げ要因となることは言うまでもない。

そのアメリカの通貨であるドルへの信認低下には歯止めがかからない。そこで、「ドルの代替通貨」「無国籍通貨」とされる金を中央銀行、年金基金、富裕層が買うようになった。投機筋による乱高下を繰り返しつつ、NY金の価格水準が切り上がってきた。

一方で配当や利息を生まないことから、好景気や金利上昇の局面では投資対象として選ばれにくいという性質があります。例えば米国の政策金利が3.75~4.00%に上昇した22年11月には、国際金価格は1610ドル台まで下落しています。

週末12月22日のニューヨーク金先物価格(NY金)は前日比続伸し、2,069.10ドルで終了。終値としては過去最高値となった12月2日の2,089.70ドルに次ぐ水準となる、2020年8月6日の2,069.40ドルと同水準となった。

一方で、国内金価格は米ドル/円相場が143円を挟んだ狭いレンジでの推移となったことから、ほぼこの間のNY金の値動きを映しての価格展開となった。国内金価格の週足は93円、1.0%の反発となった。

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