【見通し】NY株見通し-底堅い展開か 利下げ見通しを巡り7月PPIに注目

【見通し】NY株見通し-底堅い展開か 利下げ見通しを巡り7月PPIに注目

今晩は物価指標に注目。昨日は主要3指数が高安まちまち。中東の地政学リスクが意識されるなか、週内の7月消費者物価指数(CPI)や7月生産者物価指数(PPI)、7月小売売上高などの経済指標の発表を控えて様子見姿勢が強まった。エヌビディアの大幅高を受けてナスダック総合が0.21%高と3営業日続伸し、S&P500も0.23ポイント高(+0.00%)とほぼ横ばいとなった一方、ボーイングなどの下落が重しとなったダウ平均は140.53ドル安(-0.36%)と3営業日ぶりに反落した。

 今晩は物価指標に注目する展開か。アジア時間で日経平均が1000円超上昇していることや、円キャリートレードの巻き戻しへの警戒感が和らいでいることで底堅い展開が期待されるが、足もとのインフレ動向や先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される7月生産者物価指数 (PPI)が焦点となりそうだ。7月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.2%と6月分から横ばいが見込まれ、前年比では+2.3%と6月分の+2.6%から伸びの鈍化が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPPIも前年比+2.7%と前月分の+3.0%から鈍化が見込まれており、予想通りとなれば利下げ期待の高まりが株式相場の追い風となりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは7月PPIのほか、7月NFIB中小企業楽観度指数、ボスティック米アトランタ連銀総裁講演など。企業決算は寄り前にホーム・デポが発表予定。(執筆:8月13日、14:00)

(関口)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 【見通し】NY株見通し-底堅い展開か 利下げ見通しを巡り7月PPIに注目

見通し NY株見通し底堅い展開か 利下げ見通しを巡り7月PPIに注目

もう一つの注目は、2024年、2025年、そして長期(Longer Run)の金利見通しだと言える。ジャクソンホール会議では、金利が景気を刺激も抑制もしない水準である中立金利(Neutral Rate)についてパウエル議長から「中立金利の水準に確証を持つことができず、金融政策が景気にどれだけの抑制を掛けているか常に不確実性がある」との発言あった。この中立水準はSEPの長期見通しに反映され、直近の堅調な経済指標を考慮して、9月はこれまでの2.5%から引き上げられる可能性も考慮すべきか。そうなれば、6月のSEPで示された来年の100ベーシスポイント(bp)の利下げや、再来年の120bp利下げ見通しも幅が縮小する可能性にも要注意だ。

インフレ指標の伸び鈍化が再開するかには依然として懸念が残るものの、FOMCまでに発表される米国の経済指標がBTC相場の味方となる可能性は十分にあると言え、節目25,000ドルや2月高値25,200ドルが密集するエリアをサポートに戻りを試す余地はあるだろう。4日の週間見通しでも指摘の通り、BTCはRSIのダイバージェンスが出現しており、相場の下降トレンドが反転してもおかしくはない。

仮に長期の金利見通しの上方修正があれば、それはFRBが従来の基準よりも一層政策の引き締めを強化する必要性を示し、足元で頭打ちとなっている米国債利回りに上昇余地が生まれると言え、BTC相場には向かい風となろう。

SECによる現物ビットコインETF承認判断延期や、FRBによる長期の金利見通し引き上げの可能性など、9月はBTCにとって相場の支援となる材料が乏しいように見える。しかし、7月のJOLTs求人件数の下振れや、8月のADP雇用レポートの民間部門雇用者増加数の下振れ、加えて8月の失業率上昇と賃金上昇率鈍化など、これまでなかなか改善が見られなかった労働市場の逼迫状態に緩和の兆しが示された。7日には、第二・四半期の労働コストと非農業部門の労働生産性の確定値が発表されるが、市場では前期比で生産性向上とコストの伸び鈍化が見込まれている。

加えて、8月29日に発表されたコンファレンスボードの消費者信頼感指数は、市場予想の116を下回る106.1となり、消費者の景気や所得に関する見通しは悪化した。また、9月のFOMCまでに8月の小売売上高の発表(14日)も控えているが、8月は前月の反動もあってか0.2%の伸びに鈍化することが予想されている。

一方、9月19日〜20日に開催されるFOMCは経済見通し(SEP=Summary of Economic Projections)が発表されるため、ジャクソンホール会議以上に重要且つ具体的な材料が見込まれる。

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