トルコリラ/円 見通し「政策金利50%に維持の見通し…インフレ鈍化で引き締め姿勢に変化がないか確認」注目の高金利通貨 8月18日号

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トルコリラ/円 見通し「政策金利50%に維持の見通し…インフレ鈍化で引き締め姿勢に変化がないか確認」注目の高金利通貨 8月18日号

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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

トルコリラ/円(4時間足)

トルコリラ円 四時間足

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

直近1週間のポイント

先週のトルコリラ/円は2週間ぶり高値へ持ち直しの動き

週初こそ4.40円台に乗せるとすぐに失速するなど上値の重い展開でしたが、14日の米7月消費者物価指数(CPI)が米国のインフレ鈍化を示し、15日の米小売売上高で米国の消費が堅調を保っていることが示されると、市場を覆っていた米国景気を巡る懸念が後退。株高と円安が進行するリスクオンの流れに沿ってリラ/円も4.42円台へと上昇しました。16日の東京市場では日経平均株価が1000円超値上がりする中、今月2日以来、2週間ぶりの高値となる4.422円前後まで続伸する場面がありました。

注目ポイントはトルコ中銀

トルコ中銀は20日に政策金利を発表します。カラハン総裁やアクチャイ副総裁が揃って早期の利下げに否定的な姿勢を示していることから、今回も政策金利は50.00%に据え置かれると見られます。ただ、今月5日に発表されたトルコの7月消費者物価指数(CPI)は前年比+61.78%と、6月の+71.60%から10ポイント近く伸びが鈍化しました。トルコのインフレは今後も鈍化傾向が続くとの見方が多く、中銀も物価の上振れリスクを認めつつ、インフレ率は年末に38%まで低下するとの見通しを維持しています。そうした中で、利下げと距離を置く中銀の姿勢に今回も変化はないのか注目しましょう。具体的には、前回「物価高の減速が確認され、インフレ予想が予測範囲内に収束するまで引き締めを維持する」とした声明文に注目です。

来週までのトルコリラ/円の見通し

予想レンジ
4.300円~4.500円
基調
方向感模索

注目指標・イベント・ポイント

☆8/20 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
トルコリラ/円(TRY/JPY) FX為替レート・チャート

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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この時も トルコリラ相場は 大きく調整しました

株高トレンドが崩れない限り、ドル円は150円台を回復する可能性が高まっている。ゆえにトルコリラ円は、上で述べた「4.42のブレイクアウト」を意識する局面にある。また、トルコリラ円が反落する場合は、積極的な押し目買いを考える局面にもある。

一方、トルコリラ円(TRY/JPY)の反落局面では、3つのフィボナッチ・エクステンションの攻防に注目したい。

ただし、トルコリラは、投資家のリスクセンチメントに対してぜい弱であることから、リスクオフの流れが強まった際には、トルコリラ円が下落する可能性がある。その場合、心理的節目である4.50円へ下落する可能性がある。

しかしながら、エルドアン大統領が、現在の経済・金融政策の継続を支持する方針を示唆したことを受け、金融政策を巡る不透明感が後退、トルコリラ(TRY)が上昇している。

日足のRSIではゴールデンクロスが確認され、強気のモメンタムが強まりつつある動きが見られる。MACDでもゴールデンクロスが確認された。ゼロラインを下回る状況にはあるが、トルコリラ円の強気地合いが次第に戻りつつあることを示唆している。

4時間足(または別の時間足)のストキャスティクスとRSIで相場の動きを追い、トルコリラ円が上で述べた3つのサポート水準をトライする局面で、これらオシレーター指標が売られ過ぎの水準にあり、かつゴールデンクロスが確認される場合は、短期の押し目買いを考えたい。

2022年のトルコリラ円相場は、前年年末に新たに就任したネバーティ財務相が、「個人の為替変動による預金の損失を補填する」政策を発表したことで乱高下を演じた後、年初から突然ともいえるロシアのウクライナ侵攻が、大きなショックを巻き起こし、西側先進諸国がロシアに対する経済制裁を次々と実施。大口の資源供給国であるロシアからの供給が滞るとの見方で原油や天然ガス価格が高騰、他の天然資源や穀物価格の上昇にもつなり、各国のインフレが上昇、世界的に中央銀行が金融引き締め政策を開始する一方で、トルコ中銀が、年央から政策金利の引き下げを開始したことで、トルコリラ円は戻り売りに晒される形となりました。

この場合の「大きく」「長く」の目安は、5%以上、1ヶ月以上が基本だ。その意味では、トルコリラ/円が5.25円を上回る、または5年MAの位置する5円を1ヶ月以上継続的に上回るかが、下落から上昇トレンドへ転換したかの具体的な目安になりそうだ。

エルドアン大統領に関しては、過去いろいろと、その独善的な姿勢で物議を醸していますが、特に同氏が金融政策にまで大きく関与し、自分の政策に合わない財務大臣や中央銀行総裁を次々に更迭するなど、トルコリラ相場に波乱を巻き起こしています。

トルコリラ円(TRY/JPY)は、ドル円(USD/JPY)との相関(順相関)の関係が高い(下の相関チャートを参照)。ゆえにドル円の動きを追うことは、トルコリラ円のトレンドを予測するうえで重要である。

インフレ抑制のために、中央銀行が高金利政策を取り続けるとの確信を市場参加者が得るにつれ、トルコリラ安トレンドから徐々に転換する可能性がある。

トルコリラ円は、レジスタンスである4.80円への上昇が視野に入る。この水準を上方ブレイクすることに成功した場合、下落トレンドからの転換を示唆する「ダブルボトム」パターンが完成し、トルコリラの弱気シグナルが一つ解消する。

トルコリラ円が21日線をも突破する場合は、7月以降の下落トレンドを象徴する短期レジスタンスラインのトライが焦点として浮上しよう。このラインは今日現在、4.50レベルで推移している。

しかし、エルドアン大統領が率いる公正発展党はもともと親イスラム政党であり、政教分離を快く思っていなかったエルドアン氏と政教分離を守ろうとする軍部との対立が次第に激化し、遂に2016年には、エルドアン大統領の追い落としを狙った「軍事クーデター」が発生しました。この時も、トルコリラ相場は、大きく調整しました。公正発展党による低所得者対策などが功を奏し、国民がクーデターを支持しなかったことでクーデターは、失敗に終わりましたが、現在もエルドアン大統領の独裁的・強硬姿勢から政権の不安定さは続いています。

トルコリラは、地方選挙後、対米ドルで主要通貨の中でもっとも上昇している。

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