大口投資家の動向は?「ドル/円 3年5カ月ぶりにネットロングに転じる」【最新IMMポジション】2024/8/19

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大口投資家の動向は?「ドル/円 3年5カ月ぶりにネットロングに転じる」【最新IMMポジション】2024/8/19

シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉

目次

▼IMMポジション ドル/円
円ネットロングに転じる

▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング減少

ドル/円

IMMポジション ドル/円

ポイント

【円ネットロングに転じる】
8月13日時点で円のポジションは、ドルに対して約2.3万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に積み増された一方、ショートが取り崩されたことで、2021年3月以来3年5カ月ぶりにネットロングに転じた。
期間中のドル/円相場は、144円台前半から一時148円台に乗せるなど、前週の急落から反発した。内田日銀副総裁が追加利上げについて慎重な姿勢を示したことで円が売られた一方、米新規失業保険申請件数が前週から減少したことでドルが買い戻された。
それにもかかわらず円のネットポジションがロングに転じたのは、投機筋が円キャリー取引の終了を見越して中長期的な円高予想に傾きつつあることを示していると考えられる。

ユーロ/ドル

IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント

【ユーロネットロング減少】
8月13日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約2.7万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが小幅に取り崩され、ショートがいくぶん積み増されたことで、ネットロングは前週から約0.7万枚減少した。
期間中のユーロ/ドルは、米国のインフレの伸びが鈍化していることを示唆する指標結果などにより1.10ドル手前まで上昇した。
一方でドイツの景気見通しが悪化するなど、ユーロ圏の景気先行きには不透明感が漂う。投機筋のユーロの先行きに対する見方が再び割れ始めたようだ。

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IMMポジション

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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大口投資家の動向は ドル 円

機関投資家とは、個人投資家や企業などの顧客から預かった資金を運用する大口の投資家のことです。

日銀が大規模な金融緩和策を維持していることで、ドルを保有する海外投資家からみると、日本円の調達コストは安くなっています。

円安により日本の資産を買い進める令和の黒船…さすがの日本人も身に迫る違和感を直視する時が来ているのかもしれません。

そして、金利差円劣位が円売りにとって圧倒的に有利な状況が変わり始めたとは言え、なお円買いを考えた場合、金利差の円劣位が不利な要因には変わりない。投機筋が円買い戦略の積極的な拡大に動くようになるためには、金利差円劣位の一段の縮小が不可欠と言える。

政府・日銀が通貨防衛の姿勢を見せることで、海外機関投資家の円売りが減速して円安の流れが止められるはずですが、現状日銀の政策転換も積極的ではない状況となっています。

最近物価が上がっているという感覚をお持ちの方も多いと思いますが、現在の日本は輸入依存度が高いため、為替が円安に動くと、物価上昇など国民生活に与える影響が大きくなる構造となっています。

FRBが利上げを続けている一方で、日銀の大規模金融緩和による低金利が続いているため、日本円で運用するよりも米国ドルで運用した方が高いリターンが見込め、円安に動いているという仕組みです。

2月15日に発表された、23年10~12月期の実質GDPの内訳を見ると、円安によって輸出は10.7%伸びていますが、国内需要はマイナス0.2%でした。この内需の失速の要因は円安です。世界的にエネルギー価格は落ち着きを見せはじめていますが、日本では円安の影響で物価高が進んでおり、家計の財布の紐が締まって内需が落ち込んでいます。

日本の個人投資家のFX取引は世界の同取引のおよそ3割を占めると言われている。金融先物取引業協会のデータによると、2022年の取引高は過去最高の1京2000兆円に達し、23年もほぼ同水準だった。こうした個人は相場の動きと反対のポジションを取る「逆張り」傾向にあり、円売りを拡大している海外機関投資家と対照的な動きだ。

さらに、海外投資家が日本株に投資をする際には、円を売り米ドルを買う為替予約をして為替ヘッジを行えば、その金利差である「ヘッジプレミアム」が利益として発生するが、この取引も解消される可能性がある。したがって、円高・米ドル安と日本株安が同時に発生しやすくなる側面もある。

日米の金融政策の違いによって引き起こされる金利差が、昨今の歴史的な円安の要因となっています。また、2024年から政府が開始した新NISAによって、海外市場に投資する個人の日本人が増えていることも、昨今の円安を後押ししているとも言われています。

東京金融取引所の外国為替証拠金(FX)取引「くりっく365」でドル・円の建玉は13日時点で過去最大のドル売り越し(円買い越し)となった。特にドル買い・円売りの建玉が昨年10月以来の大幅減少となり、同日に米国の消費者物価指数の上振れを受けてドル・円が約3カ月ぶりに150円台に乗せたことで、利益確定の円買い戻しが活発化した。

内田副総裁は、「日銀の政策変更に伴って円安の修正が進んだ。日本の株価が他国より大きく下落した変動の要因の一つだ」との見解を示し、「当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある」と述べた。内田副総裁の発言は明らかに金融市場への配慮があり、金融政策運営の軌道修正を図ったものと捉えられる。これを受けて当日終値の日経平均株価は前日比+1.19%高となり、米ドル円相場も1ドル146円68銭まで円安が進んだ。

外為どっとコムでは13日時点のドル買い・円売りの建玉の比率が38%、ドル売り・円買いが62%だった。一方、20日時点では比率がそれぞれ54%、46%と逆転してきている。

しかしながら、日本にとってこの円安による海外資本の流入という状況は、日本の経済の高成長や内需拡大による好景気、金利上昇をもたらすチャンスでもあります。

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