ドル円午前の為替予想、日米金融政策当局トップの発言で大きく振らされる展開に 2024/8/23

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ドル円午前の為替予想、日米金融政策当局トップの発言で大きく振らされる展開に 2024/8/23

午前の為替予想は… 日米金融政策当局トップの発言で大きく振らされる展開に

作成日時 :2024年8月23日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

ドル円予想レンジ

145.000-147.500円

前日の振り返りとドル円予想

昨日のドル/円は終値ベースで約0.7%上昇。本日、ジャクソンホール会議で行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を前に、持ち高調整の米債売りが出たと見られ、長期金利が上昇すると146.51円前後までドルが買われた。パウエル議長はこの講演で9月の利下げ開始に対する実質的なGOサインを出すと見られるが、市場としてはすでに利下げ自体は100%織り込み済みだ。関心は利下げ幅であり、通常ペースの25bp(0.25%ポイント)か、あるいは50bpの大幅利下げになるのかについて、市場はパウエル議長の講演からヒントを得ようとしている。議長は利下げ幅については踏み込んだ発言を避ける公算が大きいと見ており、50bp利下げを一部とはいえ織り込んだ市場から見ればいくぶんタカ派的に映るのではないかと考えている。「思ったほどハト派的ではない」との評価でドルが買い戻される可能性もあるだろう。なお、本日は植田日銀総裁の発言にも注目が集まっている。衆参両院の閉会中審査で、8月初旬の市場混乱について植田総裁の意見聴取が行われる。そもそも、総裁の追加利上げを巡る発言が市場の混乱を引き起こす一因となっただけに、今回は市場を混乱させるようなタカ派発言はないと見ておきたい。ドル/円は、日米金融政策当局のトップの発言で大きく振らされることになろうが、どちらかと言えばドル高・円安の方向に傾きやすいと見ている。

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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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ドル円午前の為替予想 日米金融政策当局トップの発言で大きく振らされる展開に 2024

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ドル円は、1ドル=160円台に上昇し、歴史的円安水準で推移している。足元特徴的なのは日米金利差とかい離して円安が進行(図表1)している点である。背景にはキャリー取引の活況や、強いドル高・円安モメンタムがあるようだ(図表2)。

キャリー取引が活況であったのは、2004年からリーマン・ショックにかけてと、2022年以降の2回である。同時期は為替の金利感応度に非対称性がみられ、日米金利差が拡大するとドル高・円安が進行する一方、日米金利差が縮小してもさほどドル安・円高が進行していない。

目先、日米の金融政策が転換しない間は、強いドル高モメンタムと相まって、ドルの高止まりが継続する可能性が高い。短期的な上値目途は、50日移動平均線+5%水準となる1ドル=164円程度を想定している。一段とドル高が進行する場合、本邦為替介入を警戒しつつ、じりじりとドル高が進展するといった展開が見込まれる。

マーケット>レポート>特集レポート>ドル円は150円割れを回避し、再び155円台を回復するか?

足元のドル高・円安の要因として、一般的には①実需勢によるドル買いの強まり、②日米株価の底堅さを受けたリスクオン、等が指摘されている。いずれも定性的には説得的であり、一部そうした要因がある可能性も否定できない。ただし、①足元で円需給の顕著な悪化はみられず、実需面ではドル買い円売り圧力が顕著に強まっているとはいいがたい(図表3)。②リスクオフで買われやすいとされる日本円やスイスフランが対ドルで下落している一方、リスクオンで買われやすいとされる新興国通貨も軟調に推移しており(図表4)、グローバルな為替市場全般を見渡せば、必ずしもリスクオンとはいえない。こうした等を踏まえると、いずれも足元のドル高・円安を説明する決定的な要因とはいいづらい。

先行きについては、日米金融当局の政策修正を見込む9月頃から、キャリー取引の投資妙味が徐々に減退し、緩やかながらも円高基調に転じると予想する。

幅な円高は期待しづらい。みずほリサーチ&テクノロジーズでは日米金利差の縮小ペースは9月以降も緩やかにとどまるとみているため、今後の円高ペースは緩慢なものにとどまりそうだ。

4月26日の日銀金融政策決定会合では「緩和的な金融環境を維持する」との方針を確認したほか、植田総裁の会見でも「円安のインフレへの影響は一時的に留まる」との見解が示されました。加えて、米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことからドル円は158円44銭まで上昇し、158円34銭で取引を終了した流れを受けた29日のアジア市場では一時160円17銭まで上昇しました。

連休明けの東京市場では154円58銭(午前11時30分現在)まで上昇する中、神田財務官があらためて「過度な変動がある場合には、適切な対応をとらなければならない」と牽制したものの、4日のイエレン米財務長官による円買い介入に対する不快感ともとれる発言のほか、日米の経済ファンダメンタルズの違いも反映して円安が進んでおり、ドル円は再び155円台を上抜けるか注目されます。

図表7は、キャリー取引の投資妙味が増加、あるいは高水準で維持する局面(上述の①、②)でのドル円の金利感応度を示しているが、金利差拡大時と金利差縮小時で非対称性があるようだ。金利差拡大時には、キャリー取引の投資妙味が増すため、ドル高・円安が進展する一方、金利差縮小時でも、キャリー取引の投資妙味が残存していれば、さほどドル安・円高とはなっていないことが読み取れる。

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