HFTが値動きに与える影響

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HFTが値動きに与える影響
[紹介元] FX億トレーダーぶせなブログ HFTが値動きに与える影響

HFTが値動きに与える影響

高速・高頻度で売買を手がけるHFTに対しては、流動性の供給とボラティリティ(株価の変動率)の低下という点で市場に貢献していると評価の声がある反面、コンピュータによる自動取引が思わぬ相場の急変を引き起こす懸念も指摘されています。

HFTの主要戦略は、「マーケット・メイキング・アルゴリズム」と「裁定アルゴリズム」の2つです。

2008年のリーマンショック以来の暴落相場となったわけですが、それとは対照的に、相場の大荒れが追い風になった領域もあります。それが、コンピューター取引を使ったHFT(高頻度取引)です。

HFTの主な戦略として、マーケットメイク取引と裁定取引(アービトラージ)があります。

日本でも、2018年10月にHFT業者のミスによる東証のシステム障害が起こり、「ログインできない」「コールセンターに繋がらない」「注文が出せない」など、個人投資家にも多大な影響を及ぼしました。

HFTによる一時的なボラティリティ(価格変動)の大きさに惑わされず、自身のスタンスをしっかりと保つ姿勢が大切ではないでしょうか。

HFT最大手のアメリカ企業、バーチュ・ファイナンシャルが発表した2020年1~3月期決算は、最終損益が3億8823万ドル(約410億円)と、過去最高益を記録しました。

HFTは、わずかな値幅や瞬時の動きを捉えて資金を回転させることで利益を積み上げます。取引対象は株式のほかにも、先物・オプションなどのデリバティブ、外国為替など流動性の高い市場となります。

東証の発注シェアの大部分をHFTが占めるようになったとはいえ、ほとんどがマーケット・メイキング・アルゴリズムや執行系アルゴリズム(取引注文の執行によるコストの最小化や約定価格の最適化を狙う取引)であり、個人投資家を狙い打ちにするものではありません。

また近年、世界の取引所ではスピードバンプ(投資家の注文から執行までの時間をあえて遅らせること)の導入が広がっており、HFT業者にとってはさらに逆風となりそうです。

HFTは市場の流動性の供給者として、重要な役割を果たしているからです。確かに相場変動の振れ幅を大きくしている面もありますが、相場のゆがみをいち早く見つけてサヤ取りを行うことで、むしろ早期のゆがみ是正につながっているわけです。

コロナショックのように出来高が増え、ボラティリティが大きくなると、HFTは爆発的な利益をあげられますが、値動きがない時など、利益が出ない時期もあります。コロナショックで過去最高益をあげたバーチュ・ファイナンシャルでさえも、2019年までは事業の多角化でしのいでいる状態でした。

日本経済研究センターは9月18日、第2回「AI・ビッグデータ経済モデル研究会」を開催した。株式市場の流動性と投資家行動を分析する「マーケット・マイクロストラクチャー」分野の第一線で活躍する早稲田大学教授宇野淳氏から、近年、株式市場で存在感を増している高頻度取引(HFT)により株価形成がどう変わったかについて、膨大なティックデータ(約定ごとの最小の値動き)を用いた実証研究の報告があった。既存の株価形成のパターンを基に1秒後を予測する HFTは、相場変動を増幅させる可能性が指摘される中で、流動性供給の役割を担っているという。研究会では統計解析の手法などについても活発に議論した。

ある運用会社の大口発注を原因とした先物価格の急落に、HFTやアルゴリズム売買などが追随するなどして、売りが売りを呼ぶ負の連鎖が起きました。これにより、ダウ平均株価はわずか数分のうちに約1,000ドル(約9%)も下落することとなりました。

そのプロジェクトこそが、HFTの原点とも言える世紀の大挑戦だったのです。

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