米利下げ発言 影響を注視と財務相

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米利下げ発言 影響を注視と財務相
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 米利下げ発言 影響を注視と財務相

米利下げ発言 影響を注視と財務相

日銀が追加の利上げを決めたことについて、日立製作所の加藤知巳CFOは31日の決算会見で「利上げについては想定どおりだが、これまで金利がマイナスの状況が続いてきたなかでの金利の引き上げなので、金利コストがあがるとお客様の投資行動に影響するなどの影響が中期的には少し出てくるのではないかと気にしている。ただ基本的には、金利のある世界に戻るというのは、普通に戻るということと解釈している」と述べました。そのうえで、為替については「必ずしも円安はいいところばかりではない。我々は企業経営をやってく時に安定的な相場というのが一番ありがたいし大事かなと思っている。基本的に日本の経済が強くなって、現状よりも徐々に円高に戻っていくのが望ましいのではないか」と述べました。

テクニカルに見た場合、ドル/円が本日143円半ばまで下落し、ドル下値余地が拡大したようだが、その後の展開を見ると短期的な底入れしたと考えられる。ドル強気派としては早めの145円台回復、そして現在急下降中の移動平均の21日線を超えていく展開を期待したいところだが、そう簡単ではないだろう。ドルの上値は重そうだ。なお、フィボナッチの観点では次の上値ポイントは145.70-75円か。本日は米経済指標として、8月の消費者信頼感指数などが発表される予定となっている。重要とされる指標で市場の関心も高いだけに、その内容如何では為替市場への影響も否定できないだろう。また、それとは別に欧州の中銀総裁による発言機会が多く、そちらを警戒する向きもある。

今回の追加利上げを行うにあたって個人消費の弱さを懸念する声が出ていたことについて「個人消費は物価上昇の影響などがみられるが、底堅く推移していると判断した。また、5月の毎月勤労統計では一般労働者の所定内給与が伸び率を高めたほか、日銀が中堅・中小企業に実施したヒアリングでも幅広い地域、業種、企業規模で賃上げの動きが広がっていることが確認できる。先行きもこうした動きが一段と進むことが見込まれ、賃金と所得の増加が個人消費を支えていくと判断している」と述べました。

年内にさらなる利上げに踏み切る可能性があるのかどうか問われ、「ここから先のデータ次第ということになるかと思う。従って、それが見通しどおり、あるいは見通し対比上振れるような際には、短期金利の一段の調整があり得るということかと思う」と述べました。その上で「ただ、その前提として、データや情報の確認ということになるが、その際には、大した利上げではないが、ここまで上げてきた利上げの影響についても、確認しつつということに当然なるかと思う」と述べました。

日銀が追加の利上げを決めたことについて、日本航空の鳥取三津子社長は「昨今、為替の円安傾向が極端な状況になっているが、燃料費の増加や日本人が海外に出かけるアウトバウンドへの影響が非常に大きい。利上げで、円高にもう少し動けば非常にありがたいなと思っている」と述べました。

岸田総理大臣は今夜、総理大臣官邸で記者団に対し「政府と日銀は、デフレ型経済から新しい成長型経済への30年ぶりの移行を成し遂げることが肝要だとの共通の認識に立って密接に連携してきている。本日の日銀の金融政策の決定もこうした認識に沿って行われたものだと考えている」と述べました。その上で「春闘による賃上げや最低賃金の引き上げ、それに設備投資の拡大、企業収益の増加など、新しい成長型経済ステージへの移行の兆しが明確になっていると考えている」と述べました。また国民生活への影響について「貸出金利の上昇による影響がある一方で、1000兆円規模と言われる国民の預貯金の金利増というプラスの効果もある。経済ステージの移行を何よりも重視しつつ、経済物価動向に応じた機動的な政策運営をこれからも行っていきたいと考えている」と述べました。

記者会見の中で植田総裁は、今回、追加の利上げに踏み切った理由について「経済・物価はこれまで示してきた見通しにおおむね沿って、推移しているが、輸入物価が再び上昇に転じており、先行き、物価が上振れるリスクに注意する必要がある状況となっている。こうした状況を踏まえ、2%の物価目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した」と述べました。その上で、利上げが景気に及ぼす影響について「利上げといっても金利の水準、あるいは実質金利で見れば非常に低い水準での少しの調整ということなので、景気に大きなマイナスの影響を与えるということはない」と述べました。さらに植田総裁は今後の金融政策運営について「現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえると、今回示した経済物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と述べ、さらなる金利の引き上げもありうるという考えを示しました。

今回の利上げの景気への影響については「利上げといっても金利の水準、あるいは実質金利で見れば非常に低い水準での少しの調整ということなので、景気に大きなマイナスの影響を与えるということはない」と述べました。

日銀は3月にマイナス金利政策を解除し金利を引き上げましたが、今回、追加の利上げに動いた背景には、経済と物価が見通しに沿った形で推移し2%の物価目標に近づいたと判断したからです。ことしの春闘の平均の賃上げ率は連合の集計で33年ぶりに5%を超える高い水準となりました。日銀はこうした賃金の上昇分を販売価格に反映する動きが強まっていてサービス価格の緩やかな上昇が続いているとみています。そして、今回の利上げ判断を後押ししたのが歴史的な円安です。植田総裁は円安によって物価の見通しが上振れるリスクが高まった場合は利上げの理由になると述べていましたが、歴史的な円安が続いたことで輸入物価は再び上昇に転じていて日銀は、物価が上振れするリスクには注意する必要があるとしていました。物価が想定以上に上昇すれば伸び悩みが続く個人消費をさらに押し下げかねないからです。こうした状況をふまえて日銀は、持続的、安定的に2%の物価目標を実現するには追加の利上げを行う必要があると判断しました。一方、7月に入って政府・与党の幹部の間から日銀の利上げを容認する発言が相次いだことやその影響で外国為替市場で円高が進んだことも日銀が今回利上げに踏み切った要因の1つだという見方もあります。

鈴木財務大臣 FRB議長の利下げ発言めぐり「影響を注視」

現在の歴史的な円安の水準と物価の見通しや政策変更の関係について問われ「年初来、あるいは昨年末来の円安だが、これは、消費者物価の見通しがほとんど前回と比べて動いていないということなので、見通しに大きな影響を与えたということではないと思う。しかし、見通しに対して現実が上振れるリスクは、かなり大きなものであるというふうに評価した上で、そこまで含めて政策的な対応を今回は打ったということだ」と述べました。

日銀が追加の利上げを決めたことについて、住友商事の諸岡礼二CFOは31日の決算発表の会見で「物価や景気といった日本の経済の状況が上向き基調にあることを日銀が確認して正常化を進めているという意味では、全体として非常にいいことではないか。長いあいだデフレに苦しみ、それに対する対策が長期間にわたったが、その出口に向かって上向きの動きが始まったと感じる」と述べました。また、利上げによる自社のビジネスへの影響については「短期的には資金の調達コストが上がる影響はあるが、中長期的には収益面へのプラスの効果もあるので業績に与える影響は限定的だ」と述べました。同じく31日決算会見を行った豊田通商の岩本秀之CFOは「このタイミングで金利を上げていくことは、日本の経済が強いと世界に知らしめるという意味でもポジティブだと思っている。資金は円での調達が多いが、欧米が利下げ局面なので日本から海外に調達をシフトしていく流れが出てくると思う」と述べました。

日銀が追加利上げを決めたことを受けて、三菱UFJ銀行は、普通預金の金利を引き上げると発表しました。現在の年0.02%をことし9月2日から5倍の年0.10%にします。この銀行が普通預金の金利を引き上げるのは、ことし3月のマイナス金利解除以来で、年0.10%は2008年11月以来およそ16年ぶりの水準です。日銀が追加利上げを決めたことを受けて、大手銀行は、普通預金の金利を今の5倍に引き上げると相次いで発表しました。各行とも、普通預金の金利の引き上げは、ことし3月のマイナス金利解除以来です。このうち「三菱UFJ銀行」は、ことし9月2日から、普通預金の金利をいまの年0.02%の5倍の年0.10%に引き上げます。これは2008年11月以来およそ16年ぶりの水準となります。このほか、三井住友銀行は8月6日から、みずほ銀行はことし9月2日からそれぞれ普通預金の金利をいまの年0.02%の5倍の年0.10%に引き上げます。各行とも、普通預金の金利の引き上げは、ことし3月のマイナス金利解除以来で、大手銀行の引き上げは、今後、ほかの金融機関に影響を及ぼしそうです。

利上げに伴い、変動型の住宅ローン金利が上昇した場合の家計への影響について問われ「賃金上昇が続くという見通しの中での利上げの判断になっていくし、変動型の住宅ローンについては、いわゆる5年ルールのようなものがあって、金利自体は上がっても利払い額は5年間据え置かれるというものが多いと認識している」と述べました。その上で「5年間で賃金が先にあがっていて、そのあと、利払い額が上がるということになるので、その負担がかなり大きく軽減されると認識している」と述べました。

今回の追加利上げによって企業や家計にとって“金利のある世界”の本格的な到来がいっそう意識されることになりそうです。今回の追加利上げに伴いまず想定されるのが、金融機関に預ける預金の金利の引き上げです。日銀がことし3月にマイナス金利を解除したあと、メガバンク各行は普通預金の金利を0.001%から、20倍の0.02%に引き上げましたが、今回の利上げを受けて金融機関は金利をさらに引き上げるとみられます。住宅ローンの金利も上昇する可能性があります。住宅ローン利用者の7割以上が選択している変動型は、短期の市場金利の影響を受けます。マイナス金利の解除後、ネット銀行などでは変動型の金利を引き上げる動きも出ていますが、メガバンクは、日銀の政策金利の引き上げ幅が小幅だったとして、引き上げていません。今後、それぞれの金融機関が変動型の住宅ローン金利を引き上げるかどうかを判断すると見込まれます。また、金融機関が企業への貸出金利を引き上げれば、企業にとっては、新たに事業を始めたり、設備投資を行ったりする際に借り入れる資金の利払い負担が増えることになります。中央銀行による利上げは景気を冷やすこともありますが、日銀や金融関係者の間ではほかの主要国と比べて、利上げのペースは緩やかで金利も0.25%程度と低い水準だとして、今回の追加利上げが企業や消費行動に及ぼす影響は限定的だという見方があります。日銀は物価も賃金も上がる好循環が順調に進んでいけば、政策金利を段階的に引き上げていく方針で、まずは今回の追加利上げによる影響を丁寧に分析していくことになります。

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