「金(ゴールド)は史上最高値を更新!FRBの金融政策が金価格にも影響|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/9/1

FXブログ
「金(ゴールド)は史上最高値を更新!FRBの金融政策が金価格にも影響|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/9/1
 

外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

X(旧Twitter)アカウントはコチラ

「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)

順位 CFD銘柄 相関係数
1 銀スポット -0.80
2 金スポット -0.17
3 WTI原油 -0.10
4 天然ガス 0.16

集計期間中(8/23~8/29)米ドルと負の相関が強かったCFD銘柄は銀スポットだった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米国の9月利下げを事実上宣言したことで、運用資産の逃避先として金スポットが買われ、史上最高値を更新した。

また米ドルの他通貨に対する相対的な強弱を示すドルインデックスは期間中に0.62%上昇した。

※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない

WIT原油の変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:WTI原油価格は、買い材料多数で7カ月ぶり安値圏から反発

原油相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中のWTI原油は3.89%上昇した
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油在庫は取り崩されたものの、予想ほど取り崩し量は大きくなかった。一方でガソリンの在庫は予想以上に取り崩されていた
NEW!・米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が23日に9月利下げ開始を事実上宣言。米国の景気悪化(リセッション)入り懸念が後退したことで、原油の需要が強まった
NEW!・レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがイスラエルに大規模攻撃を実施した。これにより中東の地政学リスクが高まっている
NEW!・アフリカの主要産油国であるリビアが東部地区の油田の閉鎖と生産、輸出の停止を発表した。リビアは国家分裂状態で、国内の主要油田は東部地区に集まっている
    ・石油輸出国機構(OPEC)プラスは6月2日の閣僚級会合で今年末までの予定だった協調減産を2025年末まで継続することで合意した 

天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:天然ガスは、弱気な見通し

天然ガス相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の天然ガスは3.65%下落した
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は35Bcfの増加。市場予想は36Bcfの増加だった。過去5年平均を約12%上回っている(8/23時点)
※Bcf=10億立方フィート
    ・米国内のLNG施設の停止で、米国内で供給過剰が起きている
    ・米バイデン政権は2024年1月にLNGが環境に与える影響を評価するためにLNGを新たに輸出する際の許可を一時的に凍結    

金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、米国の利下げに備え買い支えられる

金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の金スポットは1.51%上昇した
NEW!・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、8月23日のジャクソンホール会議での講演で、米国の9月利下げ開始を事実上宣言した。これにより運用資産の逃避先としての金の需要が高まった。金価格は8月29日に一時1トロイオンス=2538.70ドルまで上昇し史上最高値を更新した
    ・中東やウクライナの紛争による先行き不透明感により逃避先としての金の需要が増している
    ・中国やインドでの需要は引き続き強い
     

銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き

ポイント:銀スポット価格は、米ドル安の流れに乗る

銀スポット相場の変動要因は以下の通り

NEW!・期間中の銀スポットは1.50%上昇した
    ・中国の製造業の回復と太陽光パネルの需要増加から銀価格の上昇を後押し
    ・金同様に装飾需要がある
    ・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
    ・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
    ・価格が低い分変動率が大きくなってしまう

こちらの記事も読まれています

www.gaitame.com

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 

nakamura.jpg

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 「金(ゴールド)は史上最高値を更新!FRBの金融政策が金価格にも影響|週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2024/9/1

NY金は週間で2.8%上昇 6週ぶりの高値

なぜ、こんなにも金は強いのか。金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎さんは、次のように分析する。

2023年8月、国内小売価格1グラムあたりの金相場が史上初めて1万円台を突破し、9月に入っても歴史的な高騰を続けたことで世間を賑わせました。世界的にみても金相場の上昇傾向は続いており、その背景には原油や天然ガスの価格高騰、ウクライナ情勢による穀物の価格上昇などコスト増を発端とした2021年頃から続く世界的なインフレの進行が関係しており、国内に目を向けてみても円安ドル高傾向が依然続き、円の価値が下がったことで「金(GOLD)」が一層注目される結果になったと推測します。また、中国バブル崩壊による経済不安や台湾有事と言った先行きの見えない不確定要素も、小売価格の上昇に拍車をかけていると言えます。 この記録的な金相場の推移により“安全資産”として買い求める人がいる一方で、価格上昇を受け「金(GOLD)」を売却する人も増えています。弊社においても通常の2倍近く買取を依頼する方が訪れており、中には投資目的で保有していたインゴットを持ち込まれる方もおります。また、ご自宅に眠っているような使わなくなった一昔前の指輪やネックレスなどの金製品は、金(GOLD)が贅沢に使われたデザインが主流であったため、金の含有量も多く買取価格も期待できます。 金(GOLD)をお持ちの方であれば、タンスや押入れに眠った置物・記念コイン・純金小判・宝飾品などの「金製品」を、高値で推移しているうちに売却し預金として現金を手元におくのも良し、また今は売却を考えていなくても買取査定に出してみるのも良し、インゴット(地金・延べ棒)などをお持ちの方でしたら、小分け(精錬分割加工)して一部を売却し一部を残すなど、今後の様々な世界情勢を鑑みると、コロナ禍を乗り切るための手段の一つと言えるかも知れません。 また、これから金(GOLD)を購入される方にとっては、ここまで説明させていただいた通り、世界情勢や景気から相場を読み購入のタイミングを図ると良いでしょう。 いずれにせよ、世界情勢や世界経済の潮流をつかむことが、金(GOLD)相場を知る最大の教科書と言って過言ではありません。

しかし産業の発展と共に、金本位制の限界も見えてきます。経済が大きく成長するにつれ、それに伴う金の需要に供給量が追い付かないケースが多くなります。通貨の量が制限され経済成長の足かせになる状況も生まれました。さらに第一次、第二次の世界大戦において、多くの国が戦費を賄うために金本位制を一時中断、大量の紙幣を発行しました。第二次大戦後、金ドル本位制度と固定為替相場制をもとにしたブレトン・ウッズ協定などをもとに国際的な金本位制の再構築が行われましたが、1971年に米国が同協定を脱退し、国際的な金本位制度は終焉しました。その後国際通貨体制は、ドルを基軸通貨とする変動相場制になっています。金はその中でも経済不安や政治リスクへの対策に強い資産と見られ、価格上昇を続けました。

次いで2022年にはロシアのウクライナ侵攻が始まり、地政学的なリスクはさらに高まります。翌2023年に入るとクレディスイスやシリコンバレー銀行の破綻など、主要国の利上げによる金融危機が表面化します。そして同2023年10月にはイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦闘が開始。地政学的な緊張は続き、金価格は大きく見ると右肩上がりを続けています。

つまり40年ぶりに史上最高値を更新した金相場の高騰であっても、コロナウイルスのワクチンが開発され感染拡大のリスクが解消、経済への不安が払拭されるや、米中間での貿易戦争の緊張緩和が起きれば、金の相場が下落する可能性もあることが分かります。

そもそも、この動きが活発化した基点は国際金融危機後の2009年3月にFRBが初めて米国債を対象に量的緩和策に乗り出したことだった。

先週のNY金のレンジは2,029.50~2,083.10ドルとなった。先週のコラムでは想定レンジを2,010~2,060ドルとしたが、それぞれ20ドル方上振れということになった。PCEデフレーター、コアデフレーターともに前週来続いていた複数のFRB高官による2024年利下げ観測発言を裏付ける結果となったことが、上振れに繋がった。

1971年8月に基軸通貨である米ドルは金との交換を停止し(いわゆるニクソンショック)、以後、その発行はFRBが自由に行えるようになった。これは管理通貨制度と呼ばれるが、それから50年を超え、過剰な緩和策によるバブルの生成があり、また崩壊が繰り返されてきた。

[日本株121/投信格付244本] ◎巻頭企画 人気株の「売り」「買い」 診断も! 決算速報!第1四半期決算で判明!好発進株◎第1特集 反撃!NISAで安心して持てる! 最強日本株ー2024年夏 ●日本株大予測「デフレ完全打破で日経平均は1年後4万5000円へ!」 ・利回り5%超がゴロゴロ!高配当株 ・盤石な経営力が魅力!大型優良株 ・長期で安心保有!株主優待株 ・少額でもぐんぐん成長!10万円未満株 ・相場を牽引する成長株!半導体・AI株 ・割安だが実力はホンモノ!低PBR株 ・独自ビジネスで急成長!10倍株 ●「新」米大統領誕生で上がる株 ●日本の金利上昇で上がる株◎第2特集 ☆☆☆の数を見るだけでOK! 人気投信をズバ斬り!最新の最安投信も大公開!投信格付244 ・NISAの最安オススメ投信!インデックス型 ・NISAで大きな利益を狙う!アクティブ型 ・リスクを抑えられる!バランス型 ・「本当の利回り」をチェック!毎月分配型 ●NISAで買う投信の選び方! ●投信のキホン【別冊付録】 書き込み式でサクサク解ける! NISAで勝つ!株&投信ドリル◎第3特集 人気FP・風呂内亜矢さんが読者の家計を ズバリ診断! インフレ時代を生き抜く!家計改造大作戦! ●家計チェックの3つのポイント ●読者5人の悩みの解決法!

2023年から2024年はウクライナ有事における金相場上昇に加えて、米国にて大手銀行が立て続けに破産するなど様々な要因が金の相場に影響を及ぼしています。

NY金は週間で2.8%上昇、6週ぶりの高値。FRBの利下げ観測が高まったことからゴールドをサポート。11日発表のCPIの結果次第で、史上最高値が再び視野に入る中、金価格の今後の見通しとは。

また、2007年のサブプライムローン問題も金価格上昇の要因となりました。このときまでに金価格は、3000円台を突破しています。

金(GOLD)の相場は需要と供給のバランスによって変動します。需要が供給を上回れば相場は上昇し、逆に需要が供給を下回れば相場は下落します。金の需要は主に宝飾品や産業用途、そして投資需要にあります。一方、金の供給は鉱山生産とリサイクルが主なものです。金の産出量は年々減少しており、将来的に枯渇する可能性も指摘されています。そのため、需要と供給のバランスが今後重要な金相場の変動要因のポイントと言われています。

それは、2022年下半期に大きな需要サイドの塊として急浮上した新興国の中央銀行による買いだ。2010年以降に年間ベースで600トンを超えるなど、金市場では注目セクターとなってきたが、2022年に年間で1,083トンに急増したことで需給構造上の注目度は一段と上がることになった。

物価、景気と金の関係金はインフレになれば他のモノと同じように価格が上昇します。ただ先ほど見た金利との関係もあり、実質金利(名目金利-物価上昇率)が影響します。そして景気良い時は宝飾品や製造用途の需要も高まり、価格は上昇、不景気になれば価格は下降傾向になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました